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工場を売却するときの注意点、ポイントとは?

2020.11.09

古くなってしまい稼働率が悪くなった工場。設備投資や事業拡大で新工場を作り、使わなくなった工場。事業転換で不要になった工場。そんな売却したい工場を持っている企業は珍しくないだろう。実際に工場を売却したい場合はどうすべきか、また、工場を購入したい場合のポイントも解説する。

工場は売れる? 売れる工場のポイントとは?

工場を売却したいケースはたくさんある。金型工場や金属加工、機械工業や食品工場など、工場といってもさまざまだが、企業の業態転換で使わなくなった工場、最新設備の導入や新工場建設で不要になった工場などを売却したいという話は珍しくない。中には操業中の工場を売却したいという話もある。

工場を売却したい場合、「売れやすい工場」というものは存在する。その条件は次のようなものだ。

  • ・建築確認検査済証の発行を受けているもの
  • ・単純な造りの工場、間仕切りの少ない工場
  • ・平屋の工場
  • ・周辺に工場が多いエリアに立地する工場、工業団地内の工場
  • ・駐車スペースが確保され、前面道路の幅員が十分な工場
  • ・高速道路のICや幹線道路等へのアクセスが良いなど、立地の良い工場
  • ・什器(特に専門性が高い機器)が少ないもしくは大型プレス機などの分解/破棄が困難なものが少ない

まず「建築確認済証・検査済証」だが、基本的に建物を建てた場合は、指定確認審査機関による完了検査を受け、検査済証の交付を受ける必要がある。しかし、その交付を受けていない建物も少なからず存在するのが現実だ。また建築後に増改築をして「既存不適格」になっている工場も存在する。これらの工場では、工場家屋をその後使い続けることが難しくなるため、売却しにくくなる。

また、買主が工場のまま利用を希望している場合は、単純な作りで、間仕切りが少ない平屋の工場だと、どのような用途の工場としても使いやすく売りやすいといえる。また、周辺が工場に囲まれている、工業団地内の工場などは、周辺への配慮の面倒がなく、売りやすい工場になる。また工業団地内の工場は行政より税の軽減等の優遇を受けられることもある。

売りにくい工場というと、上記の条件の逆を考えるといい。例えば食品工場や精密機械工場などでは、小型のクリーンルームが多く設置されており、間仕切りが多くなっている場合が多い。同用途の工場として買主が使うならばいいが、造作を取り払う等の手間が生じ増改築しにくいため、買主が限定されてしまうことが多い。多層階の工場も増改築がしにくく売りにくい物件になる。
立地の良さも、住宅とは違い、必ずしも駅近である必要はないが、接する道路の幅員や高速道路、バイパス道路へのアクセスは重視される。
工場の中には移動や解体が難しい大型の工作機械が残る場合もある。この工作機器の解体、処分も課題となるだろう。また化学薬品を使用している工場では土壌汚染の問題があり土壌改良をしてからでないと売却がうまく行かないケースもある。

工場建物の問題で売りにくい物件となっている場合、更地にして売却することを検討してもいい。取り壊し費用や土壌改良費用はかかるが、工場以外の用途で売却することもできるので、更地にすることも一考すべきだろう。

操業中の工場を売却する場合、あるいは事業を続けながらも資金調達したい場合は?

工場は操業しながら売却したいというケースも十分に考えられる。まず、「その工場は閉鎖するが、ギリギリまで操業したい」ケースだ。この場合は、取引先や従業員への影響を最小限にするため、配慮が必要となる。事業ごと売却するM&Aも視野に入れれば従業員への影響は少なくなるだろう。取引先への影響も最小限にできる。

また、工場はそのまま操業を続けたいが、資金調達の必要があり、工場売却を検討するケースもありえる。こういったケースでは、単純に工場を売却してしまうと事業が縮小することが懸念される。そういったケースでは、不動産をいったん売却して所有権を手放し、売却後は賃借して工場を稼働し続ける「セール&リースバック」の方法も検討対象となるだろう。

※「セール&リーズバック」について詳しくは「『リースバック』の活用で企業不動産(CRE)管理を効率化できる?」、または「売却した不動産をそのまま使用する『セール&リースバック』という選択肢」で当社のサービスについて確認いただけます。

工場を購入したい場合のポイントは?

最後に、工場を購入したい場合のポイントを解説しておく。ポイントは「なぜその工場を購入するか」である。

工場を購入し、購入後も工場として使用する場合は、「そのまま改築の必要がない場合」と「改築が必要な場合」に分けられる。ほぼ用途が同じ場合は、大型の工作機械があることも、食品工場などでクリーンルームがあることもむしろメリットとなりえる。
工場として使用するが、別の用途の工場とする場合は、増改築が容易にできるかといった点がポイントになる。

一方、工場ではなく、別の用途に使用する場合は視点が異なる。住宅や商業施設とする場合は、工場とは別の立地条件が問題になってくる。工場としては好立地でも、住宅としては難しいケースもありえるからだ。逆に道路条件が良ければ大型商業施設として活用できる可能性なども十分にありえる。
この場合は、工場建物が残っている場合は解体しやすいかがポイントになってくる。更地のほうがより便利だろう。

そして、工場以外の用途を想定する場合、注意すべき点は「土壌汚染」だ。東京の築地卸売市場の移転では、工場跡地に建設されたが、土壌汚染が問題にもなった。この点は、「告知書(物件状況報告書)」などの提示を求める、また自社でもリサーチするなどして慎重に対応すべきだ。それ以外にも大型什器による地盤沈下、古い建築物にみられるアスベストやPCBが利用されている機器、古いガスタンク等の地中埋設物が存在していないか等、専門家とともに確認して進めるべき点が多くある。

工場の売却は一般的な不動産売却とは異なる注意点が多いことは事実だ。工場物件の売却経験はもちろん、売却先を探すにも、幅広いネットワークが求められる。それだけのノウハウを備えた不動産会社を探すことから、工場売却は始まると言えよう。

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