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オフィスを変えると生産性向上? 働き方改革も推進できる、これからのオフィスのあり方とは?

2019.09.04

人口減少時代といえる今、企業の多くは、人手不足に悩んでいる。新たな人材の確保もさることながら、在籍する人材に長く、効率よく働いてもらえる環境づくりが重要だ。そこで、多くの企業が「働き方改革」に取り組むようになってきた。社内の制度の整備などに目が行きがちな働き方改革だが、今回は、オフィスの視点から考えてみたい。

労働時間の短縮、有給の取得の増加…、働き方改革には「生産性が上がるオフィス」が必須!

少子高齢化に伴う労働人口の減少や、働き方の多様化に対応するため、政府は働き方改革関連法が成立。2019年4月からは、「年間5日以上の有給休暇取得」が義務化されるなど順次、現場にも導入が始まっている。働き方改革では、労働時間の短縮や働きやすい環境の整備が求められるが、それには業務の効率化、つまり生産性の向上が不可欠だ。限られた人材に、限られた時間内で、持てる能力の全てを使って、最高の結果につなげる必要があるが、その環境整備の一つとして「オフィス改革」に注目が集まっている。

最近話題のオフィスのキーワード。フリーアドレス、スタンディングデスク、リフレッシュスペースとは?

オフィス改革というと、デスクのデザイン、配置に工夫をし、コミュニケーションの活性化や業務の効率化を図るものだ。その中でも近年、トレンドとなっている3つのキーワードについて紹介する。

どこに座ってもいい フリーアドレス
従来のオフィスは、部署ごとに決まった「島」と呼ばれる机の塊があり、社員一人ひとりは、常に同じ席に座ることが一般的だった。それに対しフリーアドレスは、社員が固定された席を持たず、仕事をする席を自由に選べる。電話やパソコンなどの通信機器のモバイル化、ドキュメントのペーパーレス化などテクノロジーの進化もあり、今日のオフィス環境はフリーアドレスを導入する条件が整ってきていると言える。フリーアドレスでは、その日の気分で席を変えたり、午前と午後で席を変えたりすることも可能だ。フリーアドレスを導入することにより、部署が異なる社員との交流が増え、社内コミュニケーションの活発化や、意思決定プロセスの効率化、そして新たなアイデアが生まれる機会の増加につなげることもできる。また、営業など外回りの社員が多い会社では、固定席を撤廃することで、オフィスの省スペース化も可能だ。
一方、フリーアドレスには、会社や部署への帰属意識の低下や、上司や同僚の居所がわからない、などのデメリットもあるとされる。フリーアドレスを導入する際は、チャットツールやスケジュール管理システムを同時に導入し、このデメリットをカバーすることが必要だろう。

座ることは非効率 スタンディングデスク
スタンディングデスクは、「座る椅子」ではなく「寄り掛かる椅子」を採用、または完全に椅子を使わずに作業や会議を行うワークスタイルだ。近年、長時間座り続けることは、健康に悪影響を及ぼす、とする内容の研究が次々と報告されている。例えば、2012年シドニー大学van der Ploeg氏らの研究結果では、1日11時間以上座っている人は、4時間未満の人と比較して、死亡リスクが40%上昇すると結論づけている。
(引用元:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22450936
また、長時間座ったままでいると、腰痛などを発症する危険もある。デスクワーカーの健康に配慮したオフィス改革の一つが、このスタンディングオフィスの導入なのだ。実際、スタンディングオフィスを導入した結果、実は健康面以外にもメリットがあることがわかってきた。スタンディングで作業すると緊張感が高まり「集中力アップ」や「昼食後の眠気防止」に役立つと言われている。また、会議をスタンディングスタイルにすることで「意見交換が活発になる」「進行のスピードアップ」などにつながり、業務の効率化というメリットも生まれる。社員の健康促進だけではなく、業務の効率化にも役立つのがスタンディングオフィスなのだ。

休むことで生産性が上がる リフレッシュスペース
いままでの休憩所は、誤解を恐れずに言えば、オフィスの片隅の喫煙所や給湯室など、申し訳程度にあったかもしれない。しかし、最近は執務エリアと同程度の広さを持つ「リフレッシュスペース」を設置する会社まである。デザインやテーマに凝ったり、靴を脱ぐスペースを作ったりとデザインも個性的で、カフェのように飲食物を提供するオフィスも増えている。社員のリラックスや、新たな社内コミュニケーションの場として大きな役割を果たすようになってきているのだ。
Googleの創業者・ラリー・ペイジは「仕事場と食べ物は150フィート(約45m)以上、離れていてはならない」という信念を持っていると言われる。その信念は今も息づいており、同社の東京オフィスでも、カフェテリア以外に7ヶ所のマイクロキッチンがあり、多くの社員がリフレッシュを行い、時に部署を超えたコミュニケーションの場になっているという。いまも革新的なビジネスを生み出し続けている同社には、様々な社内制度があるが、この「食べ物」へのこだわりもその一つであり、リフレッシュスペースが貢献していると言える。
リフレッシュスペースが多いオフィスは「ただおしゃれ」なだけではなく、生産性をアップさせるのだ。会社のイメージやコンセプトが反映されたリフレッシュスペースは外部との打ち合わせに最適。クライアントへのアピールになるだけでなく、採用活動にもプラスの影響を与えることもできる。

サテライトオフィス、テレワークにも注目が集まる

オフィスデザインの進化と共に、「働く場所」にも変化が起きている。育児や介護中でも時短勤務ができるように制度が整備され、テレワークによる在宅勤務を導入する会社も増えてきた。テレワークは、会社のオフィス以外の場所で働くことを指し、例えば在宅勤務がそれに当たる。このテレワークでは、コミュニケーションロスが心配されるが、「週に何日か出勤日を設ける」「web会議を導入する」など、制度や設備を整えることで対応可能だ。
また、サテライトオフィスという、本来のオフィスとは別の場所に設置する小型オフィスにも関心が集まっている。郊外のベッドタウンにオフィスを設置して、社員の通勤時間を短縮する「郊外型」や、多様化する社員のライフスタイルに対応することを目的として、人口の少ない地方都市にオフィスを設置する「地方型」などがある。さらに災害リスクを分散する目的で、本社とは別にサテライトオフィスを設けるケースもある。サテライトオフィスをレンタルするサービスも登場するなど、今後も注目されるオフィス改革の一つだ。

政府も推進する「働き方改革」により、日本企業のオフィスは変革期に入っている。「働く場所」そのものも変化し、これまでのオフィスの常識はもはや通用しない。このような変化に対応して、働きやすい環境を整備するオフィス改革、働き方改革を進めた企業は、人材難の中でも大きなアドバンテージを持って採用活動を進めることができるだろう。

働き方改革には制度だけでなく、オフィスの改革も必要になってきます。当社、三菱地所リアルエステートサービスでも、オフィス賃貸において、豊富な情報の中から最適な物件の選定や現状調査から計画の策定、賃貸借契約締結からアフターフォローに至るまで、総合的なサポート体制でお客様のニーズに対応したサービスを提供しています。
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