コロナ禍で売上減…給付金、銀行融資以外の資金調達法は?

2021.07.30

長引くコロナ禍は、多くの企業に打撃を与えている。飲食・宿泊業にとどまらず、周辺業界でも市場が大きく変化した業種もある。そこで、悪化した売上への対策、従業員の雇用維持など、手元の資金を求める企業も珍しくない。しかし、行政が用意している給付金では足りない、条件が合わないケースもある。銀行融資では、借り入れへの抵抗感、融資に時間がかかるといった課題もある。今回は、それ以外の資金調達手段として、不動産を活用した資金調達について解説する。

コロナ禍での資金調達、給付金、銀行融資以外で活用できる不動産

コロナ禍が長引いている。繰り返される緊急事態宣言に不満が募ると同時に、打撃を受けている業種は多い。感染拡大の急所と認識されている飲食・宿泊業のみならず、それらの企業と取引をする多くの業種に影響が大きい。経営環境が悪化し、企業の維持、雇用の維持のために資金を調達したいという声は多い。そこで行政でも多くの給付金、支援金を用意している。しかし、条件が合わない、給付金・支援金では金額が足りないというケースも多いようだ。さらに一般的な資金調達手段である銀行融資についても、経営の先行きが不透明であることなどから、借り入れに抵抗がある経営者も少なくない。銀行側も融資に慎重にならざるを得ない側面もある。

こういった後ろ向きの資金調達だけではなく、今回の市場の変動を受けて、業態転換を図りたい、そのための資金を調達したいという企業も多いという。例えば、コロナ禍との直接の関係はなくとも、SDGsの影響でガソリン車の需要が大きく減少することが見込まれ、自動車のエンジン部品メーカーが業種転換を考えているという話を聞く。食品メーカーは、飲食業中心に商品を卸していたメーカーが、消費者に直接、販売を始める、そのための新規商品の開発をする、通販事業を始めるというケースもある。

こういった資金需要に対して、給付金・支援金や銀行融資だけでは対応できないおそれがある。そこで、積極的に検討したいのが、不動産を活用した資金調達だ。

参考)テレワークでどう変わる? オフィス需要と事業用不動産の活用

不動産市場はどう変化しているのか? 不動産でどうやって資金調達する?

コロナ禍で、不動産市場も変化している。特にオフィス需要の変化は大きい。従来の「一カ所に集まって仕事をするスタイル」が崩れ、テレワークを導入した企業は多い。コロナ禍が収まると元に戻る企業もあるだろうが、テレワークのメリットを体感した層も多く、テレワークとオフィス勤務を融合させたハイブリッドワークへの転換が予想される。
そうなると、これまで必要とされていたオフィス面積、施設などにも変化が生じる。自宅にとどまらず、サテライトオフィス、分散型オフィスなどの需要が増し、都心以外でのオフィス需要も増加するかもしれない。

参考)withコロナ、afterコロナを見据えた、ニューノーマルなワークプレイス戦略とは?

そこで、オフィスを移転して従来のオフィスを売却する、工場跡や倉庫跡などの遊休不動産を売却する、オフィス面積を減らして余剰となった部分を賃貸するなどの資金調達手段が考えられる。郊外の寮などをシェアオフィスとして賃貸することも検討に値するだろう。

その一方で、稼働している本社ビル、工場などしかなく、売却できる不動産がないという企業も多いだろう。しかし、売却や賃貸だけが不動産による資金調達ではない。いま、注目を集めているのが、「セール&リースバック」だ。

売却してもそのまま物件を使い続けることができる「セール&リースバック」

2021年3月、リクルートHDの象徴ともいわれるリクルートGINZA8ビルが売却された。しかし、「セール&リースバック」という手法で、売却後もリクルートHDは同ビルを「購入者から賃貸」している。他にも電通本社ビルをはじめ、大型のセール&リースバックの話題が増えている。

「セール&リースバック」は、簡単にいうと「不動産を売却すると同時に売却先と賃貸借契約を結ぶ」ことだ。不動産を売却した売却益を得ながら、それまでと同様にオフィス、工場などを使い続けることができる。不動産を購入した売却先にとっても、安定した賃貸収入が見込めるため、メリットが大きいとされている。

これまで不動産による資金調達というと、売却、賃貸など、「不動産を手放す」あるいは「自社使用をやめて賃貸する」ことが中心だった。売却できる、賃貸に出せる不動産があるならば、それは非常に有効だといえる。しかし、遊休不動産がない場合にも、「セール&リースバック」の仕組みを活用すれば、売却益を得られるようになる。さらに、不動産という資産を売却することでBS(バランスシート)がスリムになり、既存の借入金を売却益で返済するなどの効果で財務体質が改善する傾向がある。

コロナ禍、および社会環境の変化で、オフィスや工場、倉庫などの事業用不動産の需要は大きく変化している。工場や本社ビル、支社・支店など、それまで保有していた不動産も「自社で活用する」だけではなく、賃貸する、売却するなど多くの選択肢がある。そのなかに「セール&リースバック」を含めて考えれば、不動産を生かした資金調達の幅が広がるといえる。

一方、不動産のセール&リースバックは、適切な売却先を探すネットワーク、契約内容の精査のノウハウなど、専門的な知識、経験が必要だ。それらを持つ優秀な不動産会社に相談することから始めるといいだろう。

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また、より有利な条件での売却を検討する際に不動産のリノベーション(リフォーム)が有効なケースもあります。そちらをご検討の際はこちらをご覧ください。

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