事業用不動産の売買には欠かせない 不動産調査の流れとポイント

2021.01.29

「不動産調査」は不動産の売買、特に事業用不動産の売買では欠かせない。取得から時間が経っている、取得時の記録が十分でない、物件の増改築、建て替えなどが行われているなどの状況では、一層、不動産調査を実施して、現状を正しく把握する必要がある。これが十分でないと、不動産の売買時にトラブルとなる可能性もある。

不動産調査が必要な理由とは?

不動産売買について、特徴的なこととして「売主が不動産の状況を完全に把握しているケース」が少ないことがあげられる。住宅用不動産の売買時にも登記簿と実際の現況で境界線の相違などがあるが、事業用不動産の場合、長期保有しているため取得時の資料が散逸している、建て替えや増改築で物件の状況が大きく変わっているといったケースも珍しくない。さらに、賃貸の契約内容についてはテナントごと個別に内容が異なることも多く、資料も煩雑になってしまう。最近では、豪雨による水害なども増えており、ハザードマップや浸水履歴など自然災害についての確認も必要になる。
こういった情報が不正確なまま売買契約を結ぶと、後からトラブルになりかねない。そういった事態を避けるためにも、買主だけではなく、売却を検討する売主も保有する不動産の調査を行う必要がある。

不動産調査で調査するべきポイントとは?

不動産調査で調べるポイントは大きく3つに分類できる。

1. 現地調査
2. 法務局、役所での調査
3. その他の調査(インフラ、保健所など)

まず、現地調査だが、敷地の状態、境界線、建物の概況・劣化状態、隣地の状況、道路接続部分の間口、前面道路の幅員・管理状況、近隣に氾濫洪水の形跡があるか、とざっと挙げただけでもこれだけの調査、確認などが行われる。現況を確認し、書面との不整合があればさらに詳しく調べていくことになる。賃貸物件の場合、改装・管理の状況や入居者の状況も確認する必要がある。

次に法務局、役所での調査がある。ここでは、登記簿謄本や公図、地積測量図、現在の用途地域(手持ちの書面が古い場合、用途地域が変更されている可能性がある)など、不動産に関連する情報を確認し、現地調査の内容と突き合わせる必要がある。また、法令によって建築物に係る規制がある場合もあり、それらの規制内容の確認も必要だ。さらに上下水道、ガス管などの埋設管関係の資料も必要になる。

最後にその他の調査も必要になる。電力会社に問い合わせて高圧線や電柱の状況、建築規制や負担金がないかに加えて、使用の有無を問わず井戸がある場合など、保健所などにも確認が必要となる場合もある。

これらの調査が必要な理由としては、現状の建物をそのまま使えるか、建て替える場合、希望する物件を建てられるか、買主が希望する活用ができるかを確認しなければならない。また、そのまま活用するにせよ、修繕履歴やレントロールは欠かせない。こういった情報を売買時に把握していなければ、買主は購入後に想定していた活用ができないことも起こり得る。その場合、必要な情報を開示しなかったとして、売主が訴えられる可能性もあり得る。

そのために不動産鑑定やデューデリジェンスも行われるが、その手前でも不動産調査を行う必要があるといえる。

※不動産鑑定については、こちらの記事もご参照ください。

※不動産デューデリジェンスについては、こちらの記事もご覧ください。

一般的な不動産調査の流れは?

一般的な不動産調査の流れは次のようになる。

一般的な不動産調査の流れ

売主からの聞き取りでは、過去に建物用途変更や増改築を行っているか、隣地との境界確定の経緯があるか、建物に故障がみられないか等のヒアリングを行う。さらに、レントロールや修繕履歴の記録、登記関連の資料、現況で把握している内容、法令関係で把握していることを聞き取っていく。
次にそれを踏まえて現地調査を行い、続いて登記事項の調査、役所での調査などと相違がないかを確認する。インフラなどの設備調査、行政での規制内容、ハザードマップなども併せて調査して、改めて現地の状況と突き合わせる必要がある。

書類だけ、聞き取りだけではなく、現地に足を運び、現状を確認すること、購入後に期待する活用が可能かどうかを把握することが重要だ。

売主の立場では、買主と交渉する前に自社保有物件の状況を正しく把握し、ヒアリングを受ける際に必要な情報をすぐに提供できるようにしておくと、その後の交渉がスムーズになる。

不動産売買において、売主、買主のどちらの立場でも、不動産調査は欠かせないものだ。しかしその内容は専門性が高く、調査を実施するにせよ、調査内容を評価するにせよ、専門的な知識は欠かせない。調査を正しく実施できる、調査内容を評価できる、経験と専門性を持った不動産会社に不動産調査を依頼するべきだといえる。

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