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『不動産の評価額』が知りたい! 不動産には5つの価格がある?

2020.05.22

不動産の価値をはかるには、その「価格(値段)」が重要だ。ところが、「時価」「公示地価」「固定資産税評価額」など、不動産の価格について様々な用語が存在する。実は、不動産は「一物五価」と言われ、5種類の「価格」がついている。今回は、その5つの価格について解説していく。

どれを見れば不動産の価値がわかる? 5つの価格を解説

不動産を売買するときに限らず、その「価値=価格」が気になる場面は多いもの。例えば、固定資産税の計算、相続が発生するときなど、いずれも「不動産の価値」をもとに算出される。ところが、不動産の価格は、常に変動している。毎年のように、公示地価が上がった、下がったとニュースで聞くことも多いのではないだろうか。景気の判断指標の一つとしても、不動産の価格は参考となっているのだ。

この「不動産の価格」には、5種類ある。先述の「公示地価」はその一つだ。普通、値段といえば、「売買価格」を考えるが、不動産の場合、取引される金額が大きいことや固定資産税や相続税等の税金に関わるため、ある程度標準化された価格指標が必要なことから、それぞれの目的に応じた価格=価値が定められているのだ。以下に5つの価格について、簡単にまとめた。

決定者 目的 概要
時価(実勢価格) 不動産売買の当事者間 売買 実際の市場取引から形成される価格。
公示地価・基準値標準価格(基準地価) 国土交通省(都道府県) 売買などの目安 国土交通省が発表し、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格が3月に公示される。
一般の土地の取引に対して指標をとなる。
また、公示地価を補完するために、都道府県が発表する「基準値標準価格」もある。毎年7月1日時点における価格として9月頃に発表される。
相続税評価額
(相続税路線価)※
国税局 相続税、贈与税等の算定のため 国税庁が発表する相続税・贈与税の目安となる価格。毎年1月1日を判定の基準日として評価するもので、7月1日に発表される。公示価格の80%相当が評価水準。
固定資産税評価額 市町村
※東京23区は都が決定する
固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算定のため 市町村が発表する固定資産税を支払う基準となる価格。3年に一度の評価替えがあり、公示価格の70%相当が評価水準。
鑑定評価額 不動産鑑定士 精緻な売買価格、不動産の価値をはかるため 時価や公示地価、その他の評価額とは別に、その不動産の本来の価値を正確に判定するために、国家資格である不動産鑑定士が算出する。

※一般的に「路線価」とされることも多い

『時価=実勢価格』さえわかっていれば、不動産売買に問題はない?

前述したように、不動産の5つの価格は、それぞれ目的に沿って算出されている。では、不動産の売買を行うときは「時価(実勢価格)」がもっとも参考になる価格となる。これを知る手段として、もっともシンプルな方法が、近隣の不動産の広告や不動産会社で掲示されている価格を確認することだ。不動産会社に問い合わせてもいい。また、国土交通省の「土地総合情報システム」にアクセスすれば、過去に実際に取引された不動遺産売買情報を確認できるので、時価を知る参考となる。

ただ、これらの情報は、あくまでも「過去の取引実績」だ。また、知りたい不動産の「近隣の物件」「似たような条件の物件」の情報に過ぎない。徒歩1分しか離れていなくても、不動産の価値は大きく変わる。土地だけではなく、建物の状況でも時価は大きく変動する。あくまでも、これらの情報は、参考情報であり、その価格で売買ができることを保証するものではないことを理解しておかなくてはならない。

不動産会社の『査定額』は信頼できるのか?

自身で確認できる『時価(実勢価格)』では、いままさに売買しようと考えている不動産の本当の売買価格=価値を正確に知ることは難しい。そこで次に考えつくのが、「不動産鑑定士による鑑定」だ。不動産鑑定士は、国土交通省が管轄する国家資格で、立地条件や近隣の状況、不動産・建物そのものの評価を総合的に行い、『不動産鑑定額』を算出する。問題は、鑑定費用がかかることだ。

そこで検討されるのが、“不動産会社による査定”となる。周辺や類似物件の売買実績、自社での知見をもとに不動産会社が査定を行う。しかし、複数の不動産会社に依頼すると査定額にばらつきが出ることが多い。なぜならば不動産会社によってエリアや物件種類の取引実績、顧客の種類に差があるからだ。例えば、査定依頼した物件に近い条件の不動産を探している顧客がいる不動産会社ならば、すぐに売れる見込みがあるため、高めの査定額を出してくる可能性がある。一方、その物件近隣の実績が少ない物件であれば、査定額にもブレが生じやすくなる。そのため、幅広い実績を持つ不動産会社に査定を依頼することが重要になるといえる。

不動産購入にあたっては、『固定資産税評価額』『相続税評価額』にも注目すべき

不動産の売買をする際、最も気になるのがすでに解説している「売買価格」であり、その参考となる『公示地価』、『時価』、『鑑定評価額(査定額も含める)』だ。しかし、不動産の5つの価格の『固定資産税評価額』『相続税評価額』を忘れてはならない。この2つは、『時価』や実際の売買価格とは乖離していることも少なくない。類似した物件でも、A物件は3500万円、B物件は4000万円で実際に売買できるとしても、固定資産税評価額や相続税評価額には差がない、あるいはA物件のほうが高いということもあり得る。この2つの評価額が高いと、後に納める固定資産税や相続税・贈与税が高くなってくる。不動産を運用する場合、これらの税金はその経営に大きく影響する。熱心に売買価格を交渉することも重要だが、これらの「後に納める税金」を考慮して、不動産売買をすることも、重要なポイントだと言える。

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