ワンルームマンションを売り出したものの、購入希望者からの問い合わせが少なく、売却できずに悩んでいる方もいるでしょう。
ワンルームマンションが売却できない理由としては、売り出し時期や物件の築年数などさまざまな要因が考えられます。しかし、対策を講じることで売却できるチャンスはあります。
本記事では、ワンルームマンションがスムーズに売却できない理由を解説します。
- この記事を読むと分かること
-
- ワンルームマンションはスムーズに売却できないといわれる理由
- ワンルームマンションが売却できないときの対策
- ワンルームマンションを売却する際の注意点
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ワンルームマンションはスムーズに売却できないといわれる理由

ワンルームマンションはスムーズに売却できないといわれる理由として、以下の2つが挙げられます。
- 購入希望者が限られるから
- 間取り変更の自由度が低いから
それぞれの理由について解説します。
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購入希望者が限られるから
ワンルームマンションがスムーズに売却できない理由として、購入希望者が限られる点が挙げられます。ワンルームマンションは単身者向けの狭い間取りが多く、2人世帯やファミリー層からは購入の対象外になりやすいからです。
レインズのデータによると、2024年度の中古マンションの間取り別における成約件数はワンルームマンションが最も少なく、需要の低さがうかがえます。
間取り | 首都圏(※1) | 中部圏(※2) | 近畿圏(※3) |
|---|
ワンルーム | 1,579件 | 118件 | 480件 |
1DK・1LDK | 6,989件 | 486件 | 2,169件 |
2DK・2LDK | 11,008件 | 1,214件 | 4,638件 |
3DK・3LDK | 17,796件 | 3,097件 | 9,608件 |
4DK・4LDK | 2,311件 | 1,102件 | 1,975件 |
単身の高齢者でワンルームマンションの購入を検討する方もいますが、住宅ローンが組めない場合もあり、購入できる方はそれほど多くないと考えられます。
(※1)「年報マーケットウォッチ2024年・年度」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
(※2)「中部圏市場動向」(公益社団法人中部圏不動産流通機構)
(※3)「2024年度年刊市況レポート」(公益社団法人近畿圏不動産流通機構)
間取り変更の自由度が低いから
間取りを変更しにくい点も、ワンルームマンションがスムーズに売却できない理由の一つです。ワンルームマンションは、単身者の生活を前提に設計されており占有面積が狭いからです。
たとえば、家族の人数が増え部屋を増やしたいと思っても、壁を設けて居住スペースを区切ると広さが確保できず、生活しにくくなる可能性があります。
このように、ライフステージの変化に応じて間取りを柔軟に変更しにくいとして購入候補から外れ、売却に時間がかかる場合もあります。
なかなか売却できないワンルームマンションの特徴

なかなか売却できないワンルームマンションの特徴として、以下が挙げられます。
- 利便性が低い場所にある
- 築古で住宅ローンが組みにくい
- 購入需要が低い時期に売り出している
- 周辺に競合物件が多い
- 利回りが低い
それぞれの特徴について解説します。
利便性が低い場所にある
利便性が低い場所にあるワンルームマンションは、売却に時間がかかる可能性があります。ワンルームマンションの購入層である単身者は、通勤や生活がしやすい立地を求めていることが多いからです。
たとえば、駅から遠い、スーパーやコンビニが周辺にないなどの立地のワンルームマンションは、買い手がつきにくい傾向にあります。
また、駅近であっても終電時間が早い場合や乗り換えが不便な場合は、購入検討外となる可能性もあります。
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築古で住宅ローンが組みにくい
築年数が20年以上経過しているワンルームマンションは、買い手が見つかるまでに時間がかかる場合があります。築年数が古いと建物の資産価値が低く、住宅ローンの審査に通りにくいからです。
融資を受けられないと現金一括で購入しなければならず、現金が手元にないことを理由に購入を断念する場合があり、売却期間の長期化につながります。
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購入需要が低い時期に売り出している
不動産の購入需要が低い時期にワンルームマンションを売り出すと、売却まで時間がかかる場合があります。買い手が少なく、問い合わせが減少するからです。
公益財団法人不動産流通推進センターのデータによると、8月は他月と比較して不動産の成約件数が落ち込んでいます。

出典:「2025 不動産業統計集(3月期改訂)不動産流通」(公益財団法人不動産流通推進センター)
猛暑の続く真夏の時期は引越し作業の負担が大きく、住み替えをする方が少ないと考えられます。そのため、7〜8月に売り出すと買主がなかなか見つからない可能性があります。
周辺に競合物件が多い
売却を予定しているワンルームマンションの周辺に競合物件が多い場合、売却期間が長期化する可能性があります。周辺に似た条件の物件が多いと、自分の物件の魅力が埋もれ購入希望者の目に留まりにくくなるからです。
購入希望者は複数の物件を比較検討して選ぶため、売却予定の物件と同じエリアに価格や築年数、間取りが似た物件が多いと、条件の良いほうに流れてしまう傾向にあります。その結果、不動産会社への問い合わせが減少し、売却期間が長引くこともあるでしょう。
利回りが低い
投資用のワンルームマンションは、投資家から利回りが低く収益が見込めないと判断された場合、売却が難しくなります。投資額の回収や利益確保に時間がかかると、投資効率が悪いからです。
たとえば、家賃収入に対して修繕費や管理費などの経費が多くかかると実際に手元に残る収益が少なくなり、実質的な利回りが下がります。利回りが下がると収益性の高い物件に資金を回したほうが効率的と判断されやすくなるため、購入希望者が集まりにくくなり、売却までに時間がかかる可能性があります。
ワンルームマンションが売却できないときの対策

ワンルームマンションが売却できないときの対策として、以下の5つが挙げられます。
- 買取で売却する
- ワンルームマンションの売却実績が豊富な不動産会社に乗り換える
- 売り出し価格を見直す
- 購入需要が高い2〜3月を狙って売却する
- 入居者がいる状態で売却する
それぞれの対策について解説します。
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買取で売却する
築古や利便性の悪いワンルームマンションが売却できない場合は、買取での売却を検討しましょう。買取とは、不動産会社が買主となって物件を買い取る売却方法です。リフォームやリノベーションを前提に物件を買い取るため、売れにくい条件のワンルームマンションでも早期の売却が期待できます。
株式会社NEXERとTAQSIE(タクシエ)の調査によると、仲介での不動産売却経験者のうち、54.4%の方が買取も検討しています。

出典:「【不動産を仲介で売却した経験がある方に調査】54.4%が「不動産買取も検討」それでも仲介を選んだ理由とは?」(PR TIMES)
ワンルームマンションの売却ができないと悩んでいる方は、買取に対応している不動産会社に依頼してみましょう。
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ワンルームマンションの売却実績が豊富な不動産会社に乗り換える
ワンルームマンションの売却が進まない場合は、ワンルームマンションの売却実績が豊富な不動産会社に乗り換えるのも一つの選択肢です。単身者向け物件の売却ノウハウや購入希望者のネットワークをもっていることが多いため、売却できる可能性があります。
また、過去の取引事例や市場動向にもとづいて売却戦略を立てられる傾向にあるため、購入希望者が見つかる可能性が高まります。ワンルームマンションの取引実績は、不動産会社のホームページや不動産ポータルサイトなどで確認しましょう。
売り出し価格を見直す
ワンルームマンションが売却できない場合は、売り出し価格を見直しましょう。売り出し価格が市場相場よりも高いと、購入希望者に割高な物件の印象をもたれ敬遠されるからです。最新の市場相場を調査したうえで売り出し価格を調整すれば、問い合わせ数の増加を期待できます。
一般的に不動産の売却期間の目安は、3ヶ月〜半年程度です。半年以上経っても売れない場合は、不動産会社と相談して売り出し価格を変更しましょう。
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購入需要が高い2〜3月を狙って売却する
購入希望者からの問い合わせが少ない場合は、購入需要が高い2〜3月を狙ってワンルームマンションを売却するとよいでしょう。2〜3月は転職や異動などによる引越しが多い時期であり、引越しを機にワンルームマンションを購入する方がいると考えられるからです。
公益財団法人不動産流通推進センターのデータによると、2〜3月の成約物件数は他月よりも多い傾向です。

出典:「2025 不動産業統計集(3月期改訂)不動産流通」(公益財団法人不動産流通推進センター)
仲介で売却する際は3ヶ月〜半年程度かかるため、9月頃から売却の準備を進めていきましょう。
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入居者がいる状態で売却する
投資用のワンルームマンションの場合は、入居者がいる状態で売却しましょう。入居者がいると、収益性を保った状態であると投資家から判断されやすくなるからです。入居者募集にかかる手間や費用が不要で、すぐに家賃収入を得られるのは買い手にとって魅力的であり、選ばれやすいと考えられます。
ただし、入居者がいると内覧ができないため、購入希望者には過去に撮影した室内の写真や修復歴などの情報を提示しましょう。
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ワンルームマンションを売却する際の注意点

ワンルームマンションを売却する際は、以下のことに注意しましょう。
それぞれの注意点について解説します。
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囲い込みに注意する
仲介でワンルームマンションを売却する場合は、不動産会社の囲い込みに注意しましょう。
不動産会社による囲い込みとは、売主の物件情報を他の不動産会社に紹介せず、自社のみで売買契約を成立させようとする行為のことです。囲い込みをされると、売却する物件の情報が他の不動産会社に伝わらず、売却期間が長期化するリスクがあります。
一般的に不動産会社と専任媒介契約や専属専任媒介契約を締結すると、不動産会社は不動産流通機構が運営するレインズへ物件情報を登録しなければなりません。しかし、囲い込みされた場合、以下のような売主の利益を損なう対応をされる可能性があります。
- レインズに物件情報を登録しない
- レインズの物件情報を登録後、すぐに削除する
- 他社からの問い合わせを無視する
囲い込みを防ぐには、こまめにレインズの登録情報を確認し、不動産会社に売却の進捗状況を問い合わせることが大切です。また、一般媒介契約に変更し、複数の不動産会社に販売活動を依頼するのも一つの手段です。
高預かりに注意する
ワンルームマンションの売却時には、高預かりにも注意が必要です。
不動産会社による高預かりとは、高額な査定額を提示して媒介契約を獲得しようとする行為です。査定額は売却見込み額であり、査定額で売却できる保証はありません。
市場相場とかけ離れた売り出し価格により売却期間が長引き、最終的に値下げを余儀なくされ相場以下の金額での売却になる可能性があります。
高預かりを避けるためには、査定額の根拠を詳しく説明してもらうことが大切です。
ワンルームマンションの売却に関するよくある質問

ワンルームマンションの売却に関するよくある質問を紹介します。
ワンルームマンションの売却時にかかる税金は?
ワンルームマンションの売却時には、譲渡所得税・印紙税・登録免許税がかかります。
課税される税金 | 課税されるタイミング・ケース |
|---|
譲渡所得税 | 売却益(譲渡所得)が発生した場合(※1) |
印紙税 | 売買契約書の作成時(※2) |
登録免許税 | 抵当権の抹消手続き時 |
印紙税額は、売買契約書に記載された契約金額に応じて定められており、収入印紙を売買契約書に貼付して納付します。
登録免許税の税額は、不動産1件あたり1,000円です(※3)。敷地権と占有部分はそれぞれ別の不動産とみなされるため、実質的には2,000円の登録免許税がかかります。
(※1)「土地や建物を売ったとき」(国税庁)
(※2)「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」(国税庁)
(※3)「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」(国税庁)
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ワンルームマンションの売却で確定申告が必要なケースは?
ワンルームマンションの売却で確定申告が必要なのは、売却益が出た場合と特例を利用する場合です。
売却益が出た場合は、確定申告をして譲渡所得税を納付します。ただし、給与所得者の場合は、売却益が年間20万円以下であれば確定申告は不要です。
特例を利用する場合も、確定申告が必要です。特例は自動適用ではなく、売主が確定申告をして適用される仕組みであるため、利用できる特例がある場合は忘れずに確定申告をしましょう。
参考:「確定申告が必要な方」(国税庁)
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不動産売却後の確定申告が不要になるケースは?譲渡所得額がいくらなら税金がかからないかも解説
ワンルームマンションの売却でお悩みならTAQSIE(タクシエ)に相談!
ワンルームマンションは単身者向けの間取りであるため、購入希望者が限定的でスムーズに売却できない場合があります。また、立地や築年数などによっても、売却までに期間がかかることがあります。
仲介での売却が見込めない場合は、買取を検討するとよいでしょう。リフォームを前提として物件を買い取るため、築古などの物件でも売却できる可能性があります。
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三菱地所リアルエステートサービス 新事業推進部
「不動産売却マスター」編集長
【保有資格】宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、衛生管理者、ファイナンシャルプランナー3級
2008年入社。人事部門で福利厚生制度などの企画運営、住宅賃貸部門でタワーマンション営業所長、高級賃貸マンション企画などを経て、2018年より経営企画部で主に事業開発を担当し、複数の新規事業立上げに従事。2020年度三菱マーケティング研究会ビジネスプランコンテスト最優秀賞受賞。「TAQSIE」では初期構想から推進役を担い、現在もプロジェクト全般に関わっている。
「不動産の売却に特化した情報を発信する『不動産売却マスター』編集部です。不動産の売却や買取をスムーズに進めるポイントや、税金、費用などをわかりやすく解説します」