マンション売却に際し、「相場はどれくらいなのだろう」「築年数が古いと売却はむずかしいのかな?」と気になる方は多いのではないでしょうか。マンションを高く売るには、売却活動を始める前に相場や築年数に応じた注意点を把握しておくことが重要です。
この記事では、2025年最新の首都圏のマンション売却相場や、築年数と相場の関係、築年数帯ごとの売却時のポイントや注意点、今後の売却市況などを解説します。マンションの相場を自分で調べる方法や、できるだけ高く売却するために押さえておくべきポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【2025年最新】マンション売却相場は上昇している

国土交通省が公表している不動産価格指数によると、2025年現在マンションの売却相場は上昇傾向にあります。以下は、2008年から2024年までの不動産価格の推移を表したものです。

出典:「不動産価格指数(令和6年12月・令和6年第4四半期分)」(国土交通省)
マンションの売却価格は、10年以上にわたって著しく上昇していることがわかります。売却相場が上昇している代表的な要因には、以下が挙げられます。
低金利政策とは、中央銀行(日本銀行)が政策金利を低く設定して、経済活動を活性化させるための金融政策です。低金利政策により住宅ローンの金利は、長期にわたり低水準で推移していたため、マンションが購入しやすくなり需要が高まりました。
購入需要が増えればマンションの価格は上がるため、売却相場は上昇傾向をたどってきました。
また、近年は円安が続いているため、日本の不動産は海外から見たときに相対的に安くなり、海外投資家が日本の不動産市場に積極的に参入している状況です。このような動きにより、国内では10年以上にわたってマンションの価格が上昇傾向でした。
ただし、一つ目の要因として挙げた低金利政策に関しては、2024年3月にマイナス金利が解除されています。2025年1月には、これまで0.25%であった政策金利を0.5%程度へ引き上げることが決定されました(※)。
2025年時点で大きな相場変動は見られていませんが、今後のマンションの価格相場がどう推移していくかは、やや予測しづらい状況となっています。
(※)「2025年1月金融政策決定会合での決定内容」(日本銀行)
首都圏のマンション売却相場の推移

まずは2012年〜2024年の首都圏のマンション売却の相場推移を確認してみましょう。
東京都の中古マンション売却相場
東京都の中古マンション売却相場は2013年以降上昇を続けています。
とくに2021年、2022年には、前年比10%を超える大幅な価格上昇が見られました(※1)。10年前の2012年には49.27万円だった㎡単価が、2024年は103.46万円になり、2倍以上に高騰していることがわかります(※2)。
(※1)「年報マーケットウォッチ2021年・年度」「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」公益財団法人東日本不動産流通機構
(※2)「首都圏不動産流通市場の動向(2012年)」「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
神奈川県の中古マンション売却相場
神奈川県も2013年以降、中古マンションの平均成約㎡単価は上昇傾向です(※1)。

2012年からの2024年の12年間での上昇率は+63%と東京よりも緩やかです(※2)。しかし、2024年は前年の55.76万円/㎡から58.27万円/㎡へと、4.5%の上昇率を示しました(※3)。これは神奈川県においては、2012年からの12年間で最大の伸び率で、神奈川県では中古マンションの人気が急激に高まっていることが読み取れます。
(※1)「年報マーケットウォッチ2021年・年度」「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」公益財団法人東日本不動産流通機構
(※2)「首都圏不動産流通市場の動向(2012年)」「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
(※3)「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
埼玉県の中古マンション売却相場
埼玉県も2013年度から平均成約㎡単価は右肩上がりが続いています(※1)。
2012年から2024年の12年間では約1.8倍となっており、首都圏においては東京に次ぐ価格上昇となっています(※2)。ほかの都県と同様、2024年は前年の42.19万円/㎡から43.78万円/㎡へと13%を超える高い上昇率を示しました(※3)。
(※1)「年報マーケットウォッチ2021年・年度」「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」公益財団法人東日本不動産流通機構
(※2)「首都圏不動産流通市場の動向(2012年)」「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
(※3)「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
千葉県の中古マンション売却相場
千葉県も2013年から相場は上昇傾向にありました(※1)。
2012年から2024年までの12年間で、相場は約1.7倍上昇しています(※2)。また、2024年の1㎡あたりの単価は40.35万円であり、前年の38.02万円/㎡から価格が約6%上昇しています(※3)。
(※1)「年報マーケットウォッチ2021年・年度」「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」公益財団法人東日本不動産流通機構
(※2)「首都圏不動産流通市場の動向(2012年)」「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
(※3)「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
買取でのマンション売却相場は仲介よりも何割安くなる?

買取によるマンションの売却価格は、仲介による売却よりも2〜3割程度安くなります。
買取とは、不動産会社が物件を直接買い取る売却方法です。仲介と比べて買取のほうが安くなる主な理由は、以下のとおりです。
- リフォーム費用が差し引かれる
- マンションの買取後、不動産会社が維持費を負担する必要がある
買取はスピーディーかつ確実な売却が可能な代わりに、2〜3割程度の費用が差し引かれる仕組みなのです。目的に応じて、買取と仲介のどちらを選択すべきなのかを検討しましょう。
- 売却価格よりも売却スピード・確実性を重視したい場合:買取
- 時間をかけてでも納得できる額で売却したい場合:仲介
株式会社NEXERとタクシエ(TAQSIE)が行った調査では、「買取と仲介のどちらを選びたいか?」への回答結果はほぼ半々の割合となっています。

出典:「【将来的に不動産売却を考えている男女に調査】64.7%が、早さよりも「納得できるまでこだわって売却したい」」(PR TIMES)
▼「仲介で買主を探したい」回答理由
- 安定感があり信頼できる。(20代・男性)
- 高く売りたい。(30代・男性)
- 買取でスピーディーに片付けたいが、安いから。(30代・女性)
- 安心感と納得感がありそうだから。(40代・女性)
- 不動産のことは知識がないのでプロに頼りたい。(50代・男性)
- 特に売り急いでいないので、できるだけ高く売りたい。(50代・女性)
▼「買取でスピーディーに売却したい」回答理由
- 手間を省きたいから。(30代・女性)
- 自分の代で身軽にしておきたいから。(40代・女性)
- 待つ時間がもったいないし安心だから。(50代・女性)
- なるべく簡単に済ませたいから。(50代・男性)
出典:「【将来的に不動産売却を考えている男女に調査】64.7%が、早さよりも「納得できるまでこだわって売却したい」」(PR TIMES)
どちらの売却方法がよいかは、個々の状況によるといえるでしょう。
マンションの築年数と価格相場の関係とは?

一般的に、築年数が経つにつれ売却相場は低くなる傾向にあります。築年数の経過とともに建物が経年劣化し、資産価値が減少するためです。下表は、首都圏における中古マンションの築年数ごとの成約価格の相場です。
築年数 | ㎡単価(万円) | 前年同期比(%) | 5年ごとの下落率 |
---|
~築5年 | 124.9 | 4.6 | ー |
~築10年 | 115.9 | 9.9 | 7% |
~築15年 | 102.8 | 8.6 | 12% |
~築20年 | 90.0 | 10.7 | 12% |
~築25年 | 82.0 | 12.3 | 9% |
~築30年 | 60.2 | 5.8 | 27% |
築30年~ | 42.6 | 1.5 | 29% |
参考:「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年10~12月】」(公益財団法人 東日本不動産流通機構)
築10年が経過するまでに売却すると、10%以下の下落率で抑えられます。一方で、築30年を超えると下落率は約30%と一気に下がります。そのため、築30年以内に売却を検討するのが望ましいといえるでしょう。
売却するなら築年数が浅いうちがいいの?
市場データを見る限り、築年数が浅いうちに売却したほうが高く売れることが読み取れます。そのため「マンションを売却すると決めたなら、できるだけ早いほうが良い」と考えてしまいがちです。
しかしこれはあくまで平均値であり、売却するマンションのあるエリアや、個別の事情によって異なる点には注意が必要です。都心の人気のあるエリアでは、物件価格が下がるどころか上がることすらあるためです。

写真は東京都渋谷区広尾に所在する広尾ガーデンヒルズ
たとえば渋谷区にある広尾ガーデンヒルズは、1982年に売り出された当時の平均分譲価格は約7,000万円でした。通常であれば40年が過ぎた今、価格は当初の40%程度の約2,800万円に落ちているはずです。しかし2022年に売り出された物件は、2LDKで約1.7億円の値が付きました。
マンションの価格は築年数だけでなく、立地条件や管理・メンテナンス状況、設備のグレード、サービスの内容、そしてなにより市場の需要と供給に大きく影響されます。つまり「築年数が浅いほうが高く売れる」とは、一概には言えないのです。
マンション売却は「エリアに精通した担当者」の見極めが重要
マンションの売却を成功させるには、エリアの市場動向や物件の個別性に応じた戦略を立てなければなりません。そのためマンション売却においては、物件のあるエリアに精通し、取引実績が豊富な不動産会社選びが重要です。
とくに実際に売却に携わる「担当者」が、エリアや物件に適した販売戦略を立てられるのかどうかにより成否が分かれてしまうことも。タクシエがおこなった調査でも、不動産売却経験者の8割以上が「売却希望を叶えるためには担当者探しが重要」と回答しています。
しかし不動産査定一括サイトなどを活用した不動産会社選びでは、会社を探す手間は省けるものの、そこから担当者を比較して選ぶのは困難です。一括査定サイトでは「売却実績の豊富さ」など担当者個人の実績を調べるのは難しいことが理由です。
不動産会社ではなく担当者を重視したい場合には、担当者と直接マッチングできる「エージェント紹介サービス」の利用を検討すると良いでしょう。
マンション売却におすすめのタイミング

マンション売却におすすめのタイミングは、以下のとおりです。
- 毎年11月
- 築年数が5年を超えたタイミング
- 大規模修繕時
毎年11月
マンションの売却活動を始めるのは11月がおすすめです。11月に売却準備を始めると、不動産の購入需要が高まる2〜3月にマンションを売却できる可能性があるからです(※)。
マンションの売り出しから売買契約まで3ヶ月程度、売買契約から引き渡しまでに1ヶ月程度の期間を要することが多い傾向にあります。そのため、11月に売却準備をすれば購入希望者が多い時期に間に合う可能性があり、売却チャンスを逃さずに済みます。
(※)「不動産市場動向データ集」(全国宅地建物取引業協会連合会)
築年数が5年を超えたタイミング
築年数が5年を超えたタイミングは、マンション売却に適しています。マンション売却で得た利益にかかる税金を抑えられるためです。
マンションをはじめとした不動産の売却で利益が出た場合、譲渡所得税を納付しなければなりません。譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間に応じて以下のように定められています。
不動産の所有期間 | 税率 |
---|
5年以下 | 39.63% |
5年超 | 20.315% |
参考:「土地や建物を売ったとき」(国税庁)
たとえば、2020年1月1日にマンションを所有し、2026年1月1日以降に売却した場合、20.315%の税率が適用されます。
マンションの所有期間がまもなく5年を超えそうな場合は、もう少し待ってから売却したほうがよいでしょう。
大規模修繕時
大規模修繕後は、マンションの買い手がつきやすくなります。修繕により外観や共用部分、設備などがリニューアルされ、建物全体の印象や居住性が向上することで需要が上がるからです。
大規模修繕が適切な周期で行われていないマンションは、将来的な修繕積立金の負担や建物の劣化に対する不安から、買い手に敬遠され売却価格が下がる可能性があります。
大規模修繕後に売却すれば買い手に良い印象を与えられ、早期の売却や希望に近い価格での売却が期待できます。
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【2024年版】マンションの売り時はいつ?高く売れるタイミングを解説
中古マンション売却における築年数帯ごとのポイントと注意点

中古マンションの売却に際しては、築年数帯ごとにポイントや注意点があります。ここでは
・築年数10年以内
・築年数11年〜20年
・築年数21年〜30年
・築年数31年以上
の4つの築年数帯に分けて解説します。
築年数10年以内のマンションの売却はオーバーローンに注意
築年数10年以内のマンションを売却するときには、オーバーローンに注意が必要です。
オーバーローンとは、住宅ローンで購入した物件の売却額がローン残債を下回ることを指します。元利均等返済で住宅ローンを組んでいる場合、最初のうちは元金がなかなか減りません。株式会社価値総合研究所の試算では、住宅ローンの残債を上回るのは築後14年前後とされています。
【出典】住宅の資産価値と住宅ローンのリスク
そのためとくに築年数10年以内での売却は、購入時と同じぐらいの価格で売れない限りオーバーローンになる恐れがあります。同研究所でも「とくに取引のボリュームゾーンとなる築6〜10年のマンションにおいてオーバーローンの可能性が高いことは、ライフステージにあわせた住み替えの妨げともなり問題があるともいえる」と述べています。
マンション売却に際しては、住宅ローンを一括返済し、金融機関が設定している抵当権(万一返済が滞った際に担保にする権利)を抹消しなければなりません。そのため築年数10年以内のマンションの売却では、ローンを完済するために預貯金を費やすことになりかねない点に注意しましょう。
【参考】住宅の資産価値と住宅ローンのリスク|株式会社価値総合研究所
築年数11〜20年のマンションは大規模修繕の相場価格への影響に注意

築年数11〜20年のマンションを売却するときには、大規模修繕のタイミングに注意しましょう。
国土交通省の調査によると、1回目の大規模修繕をおこなった築年数は、築15年以下が51.6%、築15〜20年の間が32.6%となっています。あわせて84.2%のマンションがこの10年の間に大規模修繕を実施している計算です。
また2005年以降に完成したマンションの6割以上は段階増額積み立て方式を採用しており、5年ごとなど定期的に修繕積立金の見直し・増額がおこなわれるのが一般的です。そのため大規模修繕で見込みより費用がかかり修繕積立金が大きく減った場合、増額される可能性があります。
見直しがおこなわれた結果修繕積立金が高くなると、買い手に敬遠されて相場が下がる恐れがある点は留意しておきましょう。
【参考】令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査|国土交通省
平成30年度マンション総合調査結果(管理組合向け調査の結果)|国土交通省
築年数21〜30年のマンションはリフォームのタイミングを考慮

築20年を超えると、壁紙や床材はもちろん、水回りも含めて全体的な劣化が気になってくるものです。住宅リフォーム推進協議会の調査結果でも、実際にリフォームを実施した人のうち約33.8%が築20〜30年でおこなったと回答しています。
とくに2000年以前に建てられた住宅は、住宅性能表示制度施行前なので、断熱性や気密性など住宅性能が低い傾向があります。リフォームにコストを投じてこのまま住み続けるか、売却するかを考えるのには良いタイミングになるでしょう。
【参考】2021年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査結果報告書|住宅リフォーム推進協議会
築年数31年以上のマンションは築古物件が得意な不動産会社に相談
この築年数帯になると、「こんなに古くて売却できるのかな」「耐用年数を考えると売れないかも」と不安になる方が多いようです。確かにマンションの法定耐用年数は47年とされていますが、これはあくまでも税制上の数値です。国土交通省の資料では、RC造の建物の平均寿命は68年、物理的寿命は117年と推定されるとの研究結果が報告されており、マンションは意外と長持ちすることが分かっています。
そのため基本的には築年数が古くても売却は可能なので、心配する必要はありません。マンションは駅近など利便性が高い場所から建ちはじめるため、築古は立地条件が良いケースが多いのも特徴です。時間をかけて取り組めば、売却できる可能性はあるでしょう。
ただし同じ築31年以上でも、1981年6月1日より前に建築確認を受け、旧耐震基準で建てられたマンションは売却が難しくなる傾向があります。多くの金融機関は「新耐震基準で建てられていること」「築年数が法定耐用年数の築45年以下であること」の2点を融資できるマンションの条件としているためです。
旧耐震基準で建てられたマンションの売却には、不動産会社の協力が欠かせません。築古物件の売却を得意とする不動産会社に相談するのが近道です。
▼関連記事
築40年のマンションは売れない?資産価値や20年後どうなるかを解説
マンション売却相場を自分で調査する方法と注意点

新築時の価格と築年数から概算
マンションのざっくりとした相場は、マンションの築年数と価格相場の関係とは?を参考に築年数から概算できます。
例えば4,000万円で購入した築23年の中古マンションを売却したい場合は、以下のように計算します。
売却相場 | = | 4,000万円 (購入時の価格) | × | 59% (築21〜25年の 物件の価値の減少率) | = | 2,360万円 |
ただしこの方法は「首都圏」という大きなくくりとなるため、より個々の事情に応じた相場を把握したい場合は、以降で紹介するサイトを利用すると良いでしょう。
REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)
REINS Market Informarion(レインズマーケットインフォメーション)は、国土交通大臣に指定された不動産流通機構が運営・管理している不動産取引の情報サイトです。都道府県や地域を指定し、さらに沿線や最寄り駅、築年数、間取りなどをこまかに絞り込み、過去に実際に売買された類似マンションの成約価格などを検索できます。
REINS Market Informationでのマンション相場の調べ方
REINS Market Informarion(レインズマーケットインフォメーション)にアクセスし、相場を調べたいマンションのある都道府県、地域を指定して「検索する」をクリックします。
築年数帯ごとの㎡単価の分布図が表示されます。築年数ごとのおおよその相場が把握できます。
さらに追加検索条件を指定します。地域詳細や沿線、最寄り駅、駅からの距離、築年数などを指定し、「検索する」をクリックします。※あまり詳しく指定しすぎると、該当する物件がない場合があります。
該当する条件の物件一覧が表示されます。売却したい物件ともっとも条件が近い物件の㎡単価をもとに、売却相場を算出します。
<築20年の70㎡(3LDK)のマンションを売却したい場合の計算例>
売却相場=79万円×70=5,530万円
東京カンテイ
東京カンテイでは、毎月20日前後に首都圏含む三大都市圏にある中古マンションの70㎡(3LDK相当)換算の価格推移が確認できます。毎週月曜日には、路線・駅別の中古マンションの坪単価が更新されます。
東京カンテイでのマンション相場の調べ方
東京カンテイのサイトにアクセスし、「市況レポート」→「70㎡換算価格推移」→「最新の70㎡換算価格推移」の順にクリックします。
記事のなかほどにある「プレスリリース」へのリンクをクリックする。
開いたPDFで、物件のある都道府県の最新の70㎡あたりの中古マンション価格を確認する。
70で割って1㎡あたりの単価を算出し、売却したい物件の㎡数と掛け合わせて相場を算出する。
<80㎡のマンションを売却したい場合の計算例>
1㎡あたりの単価=6,399万円÷70=約91.4万円
売却相場=91.4万円×80㎡=7,312万円
東京カンテイのデータから割り出す相場価格は築年数が考慮されておらず、大まかな概算となります。
不動産情報ライブラリ
不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営している不動産取引価格情報サイトです。実際に不動産売買をした人に対するアンケート結果がもととなっているのが特徴で、都道府県から市区町村、地域を絞り込み、建築年や間取り、面積などから類似した物件の取引価格を確認できます。
不動産情報ライブラリでのマンション相場の調べ方
不動産情報ライブラリにアクセスし、「不動産取引価格情報検索」をクリックします。
「①時期を選ぶ」は取引時期で最新のものを選び、「②種類を選ぶ」は「中古マンション等」を選択します。最後に「③地域を選ぶ」で都道府県、市区町村、地区(または路線・駅名)を選んで「この条件で検索」をクリックします。
該当する物件の取引情報が表示されるので、もっとも条件が近い物件の相場を参考に、売却相場を算出する。
<築年数20年の3LDK(70㎡)のマンションを売却したい場合の計算例>
1㎡あたりの単価=4,900万円÷55=約89万円
売却相場=89万円×70㎡=6,230万円
AI査定でマンション相場を調べる
集合住宅であるマンションは、過去の膨大な取引データをもとにした「AI査定」でも比較的精度の高い相場確認が可能です。AI査定では、売却したいマンションの住所や部屋番号などを入力するだけで、同じエリアやマンションの取引事例に基づいた売却相場価格を瞬時に提示してくれます。ここまでご紹介してきたほかの方法のように、類似事例を探して㎡数から換算するといった手間と時間をかける必要もありません。
たとえばタクシエのじっくり提案売却コースであれば、マンションの住所や専有面積、居住中か空き家なのかなど現在の状況といった情報を順番に入力すると、画面上に査定価格が表示されます。簡単に精度の高い売却価格の相場を把握したい方は、利用してみるとよいでしょう。
相場調査の注意点
マンションはそれぞれ条件は違うため、エリア内の類似マンションや同物件内の住戸の売却価格はあくまでも参考価格と捉えることが大切です。相場価格で売れると考え資金計画を立ててしまうと、実際にその価格で売れなかったときに大きく計画が狂う恐れがあるため注意しましょう。
またマンション売却に際しては、仲介手数料や各種税金など含め、売却価格のおよそ5%程度の諸費用がかかる点にも留意が必要です。
▼関連記事
マンション売却の注意点は?相場やかかる税金、失敗事例も紹介
マンションを高く売却するためのポイント

最後に、マンションをできるだけ高く売却するためのポイントを4つご紹介します。
自分で売却相場を調べておく
マンション売却を検討するときには、前述したような方法で、あらかじめ売却相場を調べておくことが大切です。相場を把握しないまま不動産会社の査定に出してしまうと、提示された査定価格が高いのか安いのか判断できません。そのまま売却に進んでしまうと、後になって「もっと高く売れたのでは?」と後悔してしまうことも…。
相場がわかっていれば、高い査定額が出されたときでも安易に飛びつくことなく「なぜその価格になるのか」を不動産会社に確認できるようになるため、相場は必ず確認しておきましょう。
スケジュールに余裕をもたせる
マンション売却には3〜6カ月かかるのが一般的であるため、売却したい時期から逆算し、早めにスタートすることが大切です。スケジュールに余裕がないと売り急ぐことになり、値下げに応じざるを得なくなるかもしれません。
たとえば3月末には引っ越したいのであれば、前年の8月〜9月には相場調査をおこない、不動産会社に売却相談や査定を依頼しましょう。
マンション売却の流れや期間については、こちらの記事をご覧ください。
▼関連記事
マンション売却の流れを解説!短期間で高く売る方法や売れないときの対策とは?
売却額が安くなってしまうケースを把握する
マンションをできるだけ高く売りたい場合には、どのようなケースで売却額が安くなるのかを把握し、対策を検討しておくことも大切です。一般的には、以下のようなケースで売却額が安くなりがちと言われています。
・立地条件があまり良くない
・マンションの管理費や修繕費などが近隣の物件と比較して高額
・築年数と比較して内装が劣化している
売却額が安くなるときにはさまざまな理由が考えられ、取るべき対策も異なります。「高く売れないかも」と不安に感じる場合には、まずは不動産会社や不動産エージェントに相談しましょう。
不動産エージェントについては次の「不動産エージェントを活用する」で詳しく解説します。
不動産エージェントを活用する
マンションの築年数と価格相場の関係とは?でも述べたように、マンション売却は物件のあるエリアや物件種別に精通し、物件の状態に応じた戦略を立てられる「担当者」を選ぶことがもっとも重要です。
一度に複数社に依頼を出せることから近年多くの人が利用する一括査定サイトでは、「不動産会社」は選べても「担当者」を選べないのがネックです。その点、不動産エージェント紹介サービスを活用すると、直接担当者とマッチングしてもらえるのでミスマッチが起こりにくくなります。
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マンション売却相場を把握し適正価格で売り出そう

マンションの相場は市場や経済の変化、エリアや物件に対する買い手の需要などさまざまな要素の影響を受けます。首都圏のマンションの相場は上昇傾向が続いていますが、国が金融緩和政策の方向修正をおこなったことを考えると、今後どうなるかは未知数です。
そのためマンションを早く・高く売りたい場合は、物件のあるエリアに精通し、取引実績と経験が豊富な不動産会社の担当者に相談することがもっとも重要になります。担当者と直接マッチングされるエージェント紹介サービスを利用して、信頼できるパートナーを探しましょう。
マンション売却の依頼先について悩んでいる場合は、不動産売却のエージェント紹介サービス「TAQSIE(タクシエ)」をご活用ください。物件情報や売却理由などに応じて、大手不動産会社80社の中から最適な担当者を3名ご紹介いたします。会員登録は無料なので、ぜひご利用ください。
三菱地所リアルエステートサービス 新事業推進部
「不動産売却マスター」編集長
【保有資格】宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、衛生管理者、ファイナンシャルプランナー3級
2008年入社。人事部門で福利厚生制度などの企画運営、住宅賃貸部門でタワーマンション営業所長、高級賃貸マンション企画などを経て、2018年より経営企画部で主に事業開発を担当し、複数の新規事業立上げに従事。2020年度三菱マーケティング研究会ビジネスプランコンテスト最優秀賞受賞。「TAQSIE」では初期構想から推進役を担い、現在もプロジェクト全般に関わっている。
「不動産の売却に特化した情報を発信する『不動産売却マスター』編集部です。不動産の売却や買取をスムーズに進めるポイントや、税金、費用などをわかりやすく解説します」