本業を支える新規事業としての「不動産投資」の可能性とは。

2021.11.30

コロナ禍では大きな影響をうけた業界もあるが、業績を伸ばしている業界も少なくない。好調な企業では、その利益を本業への投資に回すことが成長のための常套手段だと言えるが、さらに踏み込んで、「今後の経営環境の変化」に対応できるよう本業を補完する収益基盤を作っておくことも重要だ。その候補として、注目されているのが「不動産投資」だ。

資金的に余裕があるときにこそ、将来を見据えた投資を

昨今、経営環境の変化スピードがさらに速まっている。数年前に好調だった業界、業種が一気に厳しい環境に陥ることも珍しくない。一方で急速に伸びる業界も存在する。コロナ禍では、好調、不調の業界の差がさらに際立ったように感じられる。企業を見ても、変化に対応できている企業とそうでない企業があるようだ。その違いは、「利益が上がっているときに、将来への備えをしていたか」が要因の一つだと思われる。好調なときこそ、環境変化への備えをしておくべきだと言える。

経営環境の変化への備えとしてここでは3つの考え方を紹介したい。まず「素早く足元の環境を読み解き、事業を変化に対応させる」、次に「自社のコアとなる事業・サービスに磨きをかける」、3つ目に「本業を補完する収益基盤を構築しリスクを分散する」などがある。1つ目の「迅速な環境変化に対応すること」は、変化を読み解く目や機動的な組織体制の実現などが必要となる。2つ目の「本業における競争力を高めること」は、同業他社や新規参入の企業に対しての差別化や優位性獲得に向けた打ち手を推し進めていくこととなるだろう。いずれも企業の総合力が試されるが、3つ目の「本業以外の収入源を確保すること」は選択肢によっては比較的容易に取り組むことが可能な事業もあると思われる。
もっとも、新たな収入源として、新規事業を立ち上げることは容易ではない。そもそも立ち上げた事業の成功が約束されたものではなく、事業の立上げに時間もかかることが予想できる。そこで取り上げたいのが、「不動産投資」だ。不動産投資は歴史的にも比較的安定的な収入が見込める手法の一つとして挙げられ、ノウハウが確立されている事業投資であるとも言える。

不動産投資に取り組む第一歩。活用できる不動産の確保

不動産投資を考える場合、まず「手持ちの不動産がない」といった声が出てくることが予想できる。もちろん、所有不動産があればそれに越したことはないが仮にあったとしても、それが「収益を生む不動産かどうか」は別の話になる。すぐに活用できそうな物件を持つ企業は少数派だろう。

ならば、いっそ収益が見込める不動産を購入するほうが効率的な場合もあるが、この場合も不動産の購入資金、リノベーションなどの費用などはかかってしまう。しかし、しっかりとした資金計画を立てることができれば、無理に所有不動産にこだわる必要はないとも言える。保有不動産を売却して高い収益性が見込める不動産を新たに購入する資金に充てることも可能だ。

投資用不動産となると、賃貸マンションや賃貸オフィスビルが頭に浮かぶ人も多いだろう。確かにこれらは不動産投資に取り組むうえで主な投資対象となるアセットクラスだが、立地条件などで優位性の高い物件であることが条件になる。一方で、他にも投資対象となり得るアセットはある。例えば、駅から遠くても幹線道路へのアクセスが良いなどの条件を満たせば、物流施設や工場としてのニーズが見込める。こういった「収益が見込める不動産の見極め」が重要な不動産投資成功のポイントだと言える。

注目ポイントは「維持管理」。プロへのアウトソーシングがポイントに

不動産の収益性は、まず「利回り」を見ることが重要だ。不動産投資額に対して、年間でどれほどの収益が見込めるかを示す指標だが、おおむね、数パーセントの数値になっていることが多い。これを見て「何年程度で投資額が回収できるか」を検討することになる。ただし、ここで重要なことは「投資額は購入額だけではない」ということだ。通常かかるコストとしては保守に係る管理費や修繕費といった維持管理コストなどが考えられる。加えて、賃貸の場合はテナントの管理、延滞への対応など、不動産経営に必要な業務負担も無視できない。しかし、不動産経営では、ほとんどの業務をアウトソーシングできるため、少ない人的リソースで一定の収益を安定的に確保でき、労働生産性も高くなる。
不動産の運用計画をあらかじめ立てておき、タイミングよく修繕や設備の更新といった手を打つことができれば、業務の負担を減らせるとともに余分なコストを抑えられるため、利回りの向上を見込むことができる。

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不動産投資について不動産はなくならないという考えで資産価値はゼロにはならないと考える場合がある。しかし、環境の変化によって地価は下落することも十分あり得るため、適切に見極めていく目が必要になってくる。こういった情報は、プロフェッショナルでないと収集、判断が難しい。

資金の準備、不動産の調達、利回り・資金計画など、不動産投資成功のポイントはたくさんあるが、最大のポイントは、しっかりと伴走してくれる、信頼できる不動産会社と付き合うことだと言える。