• スペシャリストの智
  • リアルな現場
  • The Watch
  • OFFICE JOURNAL
  • 不動産の税金ガイドブック
  • APPRAISAL NEWS
  • 空室率レポート

もうひとつの展示室、彫刻の庭園

葉山館の建物の海側は庭園となっており、庭園のあちこちに野外彫刻が設置されている。国内外の著名作家の作品があり、葉山館のもうひとつの“展示室”と言える。鎌倉館のシンボル的な存在だったイサム・ノグチの《こけし》が設置された、海を望める中庭から、海側へと下る高低差を活かした庭園を巡る散策路が設けられており、松林の間に見え隠れする海辺の景色とともに彫刻作品を鑑賞できるようになっている。


緑がいっぱいの庭園の散策路

この庭園には元々、葉山館で所蔵している東屋を一体化した展望台に設置された西雅秋の《大地の雌型より》をはじめ、保田春彦の《地平の幕舎》*、李禹煥の《項》*といった10点の作品が設置されていたが、閉館した鎌倉館や、休館となった鎌倉別館に設置されていた彫刻作品の移設が2016年夏より進められており、アントニー・ゴームリーの《InsiderVII》や清水九兵衛の《BELT》などの9点とあわせ、現在19点が庭園に設置されている。
*保田春彦《地平の幕舎》、李禹煥《項》は周辺環境整備や修復のため、一時的に撤去中。再設置は2017年11月~12月の予定。


西雅秋《大地の雌型より》。一色海岸を望む場所に設置された船を裏返したような形が特徴的。


アントニー・ゴームリー《insider VII》。2012年の彫刻プロジェクトが印象深いゴームリーの作。

自然とアートが堪能できる休日を

美術館の周辺もぜひ散策していただきたい。庭園から一歩出ると、一色海岸の浜へと続く「しおさいこみち」があり、道の向こうに海が見えるドラマチックな光景があったり、松の間をせわしなく動き回るリスに出会えたりするのも葉山館ならではだ。


庭園のすぐ隣にある「しおさいこみち」。浜辺はすぐそこ。

一色海岸は夏は海水浴客で賑わう人気の場所だが、秋にはパドルボートやシーカヤックなどを楽しむ人々や、犬を連れて散歩をする人々など、海辺ならではのひと時が過ごせる場所でもある。葉山御用邸にも近く、静かな海の一日が過ごせる環境が整えられている。


レストラン オランジュ・ブルーの “特別席” でくつろぐ。「波の音を聴き、潮風を感じながら彫刻のある庭の散策は格別。時間や天気で彫刻の表情も変化するのが楽しい。何度でも行きたくなる素敵な美術館ですね」と櫻井さん。

このほか、館内の美術図書室では、美術に関する国内外の図書や雑誌、展覧会カタログをはじめ、子ども向けの本などが閲覧できたり、開催中の展覧会に関する資料展示など、幅広くさまざまな情報の提供・発信を行なっている。


大きなエビやシーフード、野菜をふんだんに使った特製シーフードカレーが大人気

葉山館を訪れたらぜひ立ち寄りたいのが、レストラン オランジュ・ブルーだ。展示室棟と中庭を挟んで反対側にある、庭園と海に面した美術館の中でももっとも眺めが素晴らしい場所にあり、庭園や海などの景色を楽しみつつ、お茶や食事をいただくことができる。とりわけテラス席は休日ともなれば、行列ができる程の人気がある。

電車とバスを乗り継いでも、都心から1時間半ほどの近さにありながら、自然たっぷり、アートたっぷりの休日が過ごせる。こんな美術館は他にはなかなかない。この週末に、ふらっといらしてみてはいかがだろう。

次回は葉山館とともに神奈川県立近代美術館のもうひとつの顔である鎌倉別館やいまはなき鎌倉館などの美術館を古都・鎌倉に訪ねる。