不動産相続

不動産の相続手続きの流れは?かかる税金や評価額の計算方法を解説

不動産相続

不動産の相続手続きの流れは?かかる税金や評価額の計算方法を解説

不動産を相続することになり、手続きをどのように進めればよいのか悩んでいる方もいるでしょう。

不動産の相続手続きは、遺言書の有無を確認することから始まります。相続人の確定や遺産分割協議など手続きは多岐にわたるため、流れを正確に把握しておくことが大切です。

本記事では、不動産の相続手続きの流れやかかる税金について解説します。

この記事を読むと分かること
  1. 不動産の相続手続きの流れ
  2. 不動産相続でかかる税金
  3. 不動産相続における評価額の計算方法

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不動産の相続手続きの流れ

不動産の相続手続きの流れ

不動産の相続手続きは、以下の流れで進めます。

  1. 遺言書を残しているか確認する
  2. 相続人と相続財産を確定する
  3. 遺産分割協議を行う
  4. 不動産の相続登記を行う
  5. 相続税の申告・納付をする

それぞれの手順を解説します。

1.遺言書を残しているか確認する

不動産の相続が発生した際には、まず被相続人が遺言書を残しているか確認します。遺言書が見つかれば、その内容に従って相続が行われるからです。

遺言書には以下の3種類があります。

遺言書の種類

概要

自筆証書遺言

遺言者が自ら書いて作成する遺言書

公正証書遺言

公証人が遺言者から聴き取った内容をもとに作成する遺言書

秘密証書遺言

遺言内容は確認されていないが、公証役場で存在を証明された遺言書

自筆証書遺言か秘密証書遺言が見つかった場合は、検認が必要になります。検認とは遺言書の偽造や変造を防止するために、家庭裁判所で遺言書の開封と記録を行う手続きです。検認をする前に、遺言書を開封すると5万円以下の過料になるため注意しましょう(※1)。

複数の遺言書が残されていた場合、内容に矛盾があれば最新の日付が記載された遺言書が優先されます(※2)。

(※1)「民法第1005条」(デジタル庁)
(※2)「遺言・遺言書」(東京弁護士会)

2.相続人と相続財産を確定する

相続人と相続財産を確定する

遺言書の内容から相続人を確定しましょう。遺言書が見つからない場合は、民法で定められた法定相続人が財産を相続します。

法定相続人は、被相続人からみた続柄によって相続順位が以下のように決められています。

  • 常に相続人となる:配偶者
  • 第1順位:子(すでに死亡しているときは孫)
  • 第2順位:父母(すでに死亡しているときは祖父母)
  • 第3順位:兄弟姉妹(すでに死亡しているときは甥、姪)

参考:「相続人の範囲と法定相続分」(国税庁)

被相続人の配偶者は必ず相続人になります。第1順位の相続人がいる場合、第2順位以降は相続人になりません。

たとえば、被相続人に配偶者、子2人、兄2人がいる場合、法定相続人は配偶者と子2人になります。遺言書が残されている場合は、遺言内容に従って相続人が決まります。

相続人の調査を進めながら、相続財産も確定しましょう。被相続人が所有していた不動産に関する情報は、市区町村から送られてくる固定資産税納税通知書に記載されています。

相続財産は土地や預貯金だけでなく、住宅ローン残債や借金などの負債も含まれます。相続放棄をするかの判断材料になるため、早めに調査を始めましょう。

3.遺産分割協議を行う

相続人と相続財産が確定したら、相続人全員で遺産分割協議を行います。各相続人が相続する財産を決めて、遺産分割協議書を作成しましょう。

分割内容の合意を得られた場合は、遺産分割協議書に相続人全員が署名と捺印をします。有効な遺言書がある場合は原則、遺産分割協議書の作成は不要です。遺言書とは異なる遺産分割を行う場合や、遺言書に書かれていない相続財産がある場合は、遺産分割協議書を作成します。

4.不動産の相続登記を行う

不動産を相続する場合は、相続登記を行う必要があります。相続登記とは、被相続人が所有していた不動産の名義を相続人に変更する手続きです。

不動産がある地域を管轄する法務局に相続登記の申請をします。登記管轄区域は、法務局のホームページで確認できます。

相続登記を行う際には、以下の書類が必要です。

  • 登記申請書
  • 遺言書または遺産分割協議書
  • 被相続人の出生から死亡まですべての戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票、または被相続人の戸籍の附票
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の固定資産課税明細書(固定資産評価証明書)
  • 相続人の住民票
  • 相続人の印鑑証明書(遺産分割協議書を提出する場合)

参考:「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」(法務局)

遺言書の有無で提出する書類が変わります。複数の書類を用意する必要があるため、早めに取得しましょう。

5.相続税の申告・納付をする

相続税がかかる場合は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に税務署に申告と納付が必要です(※1)。申告書は、被相続人の死亡時における住所地を管轄する税務署に提出します。

期限内に相続税を納付しないと、加算税や延滞税が課せられる場合があります。遺産分割が終わっていない場合でも申告・納税期限は変わらないため、必ず期限内に行いましょう(※2)。

(※1)「相続税の申告と納税」(国税庁)
(※2)「相続財産が分割されていないときの申告」(国税庁)

不動産の相続手続きはいつまでに終わらせるべき?

不動産相続の手続きは、被相続人が亡くなってから3年以内に終わらせましょう。不動産の相続登記が2024年4月1日から義務化されたからです。

原則、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を済ませなくてはなりません(※)。正当な理由がなく期限内に相続した不動産の名義変更を行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

遺産分割の際に相続人同士が揉めることもあるため、余裕のある計画を立て手続きを進めていきましょう。

(※)「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(法務省)

不動産を相続する方法

不動産を相続する方法は、以下の4つが挙げられます。

  • 現物分割
  • 共有分割
  • 代償分割
  • 換価分割

それぞれの相続方法を解説します。

現物分割

現物分割とは、不動産を現物のまま相続人に分配する方法です。家や土地をそのまま分けるだけで済むため、手続きが簡単になります。たとえば、相続人4人に対して相続する不動産が4つある場合は、不動産を1つずつ分配すれば完了です。

ただし、すべての不動産の価値が同じではないため、不満を感じる相続人が現れる可能性があります。差額を不動産以外の財産で調整すると揉めにくいでしょう。

共有分割

共有分割とは、複数の相続人の共有名義で不動産を登記する方法です。各相続人の持分割合を決める必要があります。

物理的に分割することが難しい家やマンションなどの不動産を公平に分配できます。ただし、共有名義の不動産は売却する際に名義人全員の同意が必要になるため、将来の手続きが煩雑になる点に注意しましょう。

相続が繰り返されると名義人の数が膨大になり、手続きが行えなくなるリスクもあります。他の方法で分割するのが難しい場合に検討しましょう。

代償分割

代償分割とは、不動産を相続した特定の相続人が相続割合に応じた金額を、他の相続人に対して支払う方法です。

たとえば、1,000万円の不動産一つを相続人2人で相続する場合は、不動産を単独で相続した相続人が、もう一人に対して500万円の代償金を支払います。

原則、現金で支払うことになりますが、双方の同意があれば現金以外の財産を渡しても問題ありません

換価分割

換価分割とは、不動産を売却して得られた代金を相続人で分配する方法です。相続した不動産を現金化することで、均等に分配できます

ただし、不動産を売却するには相続人全員の合意が必要になります。反対する相続人がいる場合、換価分割は行えません。相続人全員が不動産を相続することに前向きでない場合に利用するのがおすすめです。

不動産相続でかかる税金

不動産の相続でかかる税金は、以下のとおりです。

  • 登録免許税
  • 相続税

それぞれの内容を解説します。

登録免許税

不動産を相続登記する際には、登録免許税がかかります。相続登記における登録免許税は以下のとおりです。

登録免許税=不動産の価額×0.004

参考:「登録免許税の税額表」(国税庁)

市区町村で管理されている固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)が、不動産の価額として使われます。登録がない場合は、法務局の登記官が価額を認定します。

登録免許税は不動産1件ごとに納付しなくてはなりません。土地と建物を相続した場合は、それぞれの価額から計算された税金を相続登記する際に納付します。

相続税

相続税は、相続人へ財産が相続された場合に、財産の価値に応じてかかる税金です。相続財産の総額が基礎控除額を下回っている場合は、納付する必要はありません

基礎控除額は、以下の計算式で算出します。

相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数(相続放棄した者も含む)

参考:「相続税の計算」(国税庁)

たとえば、相続人が配偶者と子2人の場合は基礎控除額が4,800万円になります。相続する遺産総額が4,800万円を超える部分に相続税がかかります。

相続税が発生する際の計算方法は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

▼関連記事
不動産相続税の基礎知識|計算方法と節税のコツ、関連費用を解説
土地の相続税はいくらかかる?計算方法や評価額の調べ方、使える控除を紹介

不動産の相続でかかるその他の費用

不動産の相続の際には、税金以外にも以下のような費用がかかります。

  • 各種書類の取得費用
  • 士業への依頼料

相続登記に必要な住民票や印鑑証明書などの書類を自治体で取得する際には、手数料がかかります。各種書類の手数料は、以下のとおりです。

書類

取得費用

戸籍謄本

450円

除籍謄本

750円

住民票、住民票除票

300円前後

固定資産課税証明書(固定資産評価証明書)

300円前後

印鑑証明書

300円前後

住民票や固定資産課税証明書、印鑑証明書は、各自治体の条例で手数料を定めているため、発行する自治体によって取得費用が変わります。マイナンバーカードを利用してコンビニで取得すると費用が安くなる自治体もあります。

相続に関わる手続きを司法書士や税理士に依頼する場合は、依頼料の支払いも必要です。依頼料は5〜15万円程度で、依頼する内容・範囲によって費用が異なります。

不動産相続における評価額

相続税の計算や遺産分割の際には、不動産の評価額を算出する必要があります。手続きをスムーズに進めるためにも、土地と家屋の評価額の計算方法を把握しておきましょう。

土地の評価額

土地の評価額は、路線価方式もしくは倍率方式で評価します。それぞれの概要は以下のとおりです。

評価方法

概要

路線価方式

土地が面する道路に設定された1㎡あたりの価額(路線価)にもとづいて計算する方法

倍率方式

固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて計算する方法

土地が面する道路に路線価が設定されている場合は、路線価方式を使って計算するのが一般的です。路線価は国税庁の「路線価図・評価倍率表」で確認できます。

路線価が設定されていない場合は、倍率方式を利用しましょう。固定資産税評価額は固定資産税納税通知書や固定資産課税証明書に記載されています。掛ける倍率も路線価と同じように「路線価図・評価倍率表」で調べられます。

家屋の評価額

戸建てを相続する場合は、固定資産税評価額がそのまま評価額になります。区分所有財産であるマンションの場合は、以下の計算式で評価額を算出します。

・評価額=区分所有権の価額+敷地利用権の価額

・区分所有権の価額=家屋の固定資産税評価額×1.0×区分所有補正率

・敷地利用権の価額=敷地全体の価額×敷地権の割合(共有持分の割合)

参考:「居住用の区分所有財産の評価」(国税庁)

区分所有補正率とは、建物の築年数や総階数などからマンションの市場価格と相続税評価額の差を調整するために用いられる補正率です。

国税庁の「居住用の区分所有財産の評価に係る区分所有補正率の計算明細書」を利用すると計算の手間を減らせます。

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落合 晃
三菱地所リアルエステートサービス 新事業推進部  「不動産売却マスター」編集長 【保有資格】宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、衛生管理者、ファイナンシャルプランナー3級 2008年入社。人事部門で福利厚生制度などの企画運営、住宅賃貸部門でタワーマンション営業所長、高級賃貸マンション企画などを経て、2018年より経営企画部で主に事業開発を担当し、複数の新規事業立上げに従事。2020年度三菱マーケティング研究会ビジネスプランコンテスト最優秀賞受賞。「TAQSIE」では初期構想から推進役を担い、現在もプロジェクト全般に関わっている。 「不動産の売却に特化した情報を発信する『不動産売却マスター』編集部です。不動産の売却や買取をスムーズに進めるポイントや、税金、費用などをわかりやすく解説します」
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