はじめて家を購入する方にとって、「いつが買い時なのか」という判断は非常に悩ましいものです。住宅ローンを組んで家を購入することは、人生で最も大きな買い物の一つとなるからです。
家を買うのに適切なタイミングは、年齢や収入、家族構成など、個人の状況によって大きく異なります。また、金利の動向や不動産市況、様々な支援制度の有無なども、マイホーム購入のタイミングを左右する重要な要素となります。
この記事では、ライフステージ別のおすすめタイミングから、避けるべき時期、必要な費用、活用できる制度まで、家を購入する際に押さえておくべきポイントを詳しく解説します。これらの情報を参考に、あなたにとってのベストなタイミングを見極めていきましょう。
- この記事を読むと分かること
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- 家を買うのにおすすめのタイミング
- 家を買う際に使えるお得な制度
- 購入前に押さえておきたいポイント
家を買うベストタイミングはいつ?

家を購入するタイミングは、人生の重要な転換点と深く関わっています。多くの方が「今が適切な時期なのか」と悩まれますが、実際のベストタイミングは個人の状況によって大きく異なります。年齢や家族構成、資金面など、複数の要素を総合的に判断することが重要です。
一般的な目安として、住宅ローンの返済期間を考慮すると30代までに購入を検討し始めることをおすすめします。このタイミングであれば返済計画を立てやすく、また将来の昇給なども見込みやすいためです。
ただし、これはあくまでも目安であり、個人の状況に応じて柔軟に判断する必要があります。
ライフステージ別のおすすめタイミング
人生の節目には、住宅購入を検討するのに適したタイミングが存在します。それぞれのライフステージには特有のメリットがあり、これらを理解することでより良い購入判断につながります。
以下では、代表的なライフステージごとの特徴とそのタイミングで購入することのメリットを詳しく説明していきます。
結婚した時
結婚を機に住宅購入を考える方は多く、実際にこのタイミングでの購入には以下のような大きなメリットがあります。
- 新生活のスタートに合わせて新居を購入することで、二人の理想の暮らしを実現しやすくなる
- 二人の収入を合わせて住宅ローンを組むことができ、より良い物件を検討できる可能性が広がる
具体的な数字で見ると、共働き世帯の場合、世帯年収600万円以上あれば、3,000万円程度の物件購入も可能であり、結婚時の住宅購入は現実的な選択肢となり得ます。
ただし、将来の支出増加も考慮に入れ、余裕のある返済計画を立てることが重要です。
出産した時
出産を機に住宅購入を検討することには、子育て環境の整備という重要な意味があります。
以下のような項目を念頭に置いて物件を選ぶのが重要です。
- 子どもの成長に合わせた間取りの確保
- 職場・学校へのアクセス
- 周辺施設へのアクセス
子育て世帯向けの住宅支援制度も充実しており、例えば「子育て支援型住宅ローン」では金利の優遇を受けられる場合があります。また、保育園や学校区を考慮した立地選びも、この時期だからこそ適切に判断できるというメリットがあります。
就職等で子供が親元を離れた時
子どもの独立後は、住まいのダウンサイジングを含めた新たな住宅購入の好機となります。
このタイミングでは夫婦二人の生活に適した広さや間取りの物件への住み替えを検討できます。また、子どもの教育費負担が軽減される時期とも重なるため、資金面での余裕も生まれやすくなります。
特に注目したいのは、維持管理の手間やコストを考慮した住宅選びが可能となる点です。例えば、以下のような従来の住居で気になっていた課題を解決する機会となります。
- 広すぎる庭の手入れ
- 不要となった部屋の使い道
- 転倒の原因になりかねない階段の昇降
定年退職した時
定年退職後の住宅購入は、老後の暮らしを見据えた重要な決断となります。
このタイミングの購入では、バリアフリー設計や医療施設へのアクセスなど、将来の生活利便性を重視した選択が可能です。
また退職金を活用することで、住宅ローンの負担を軽減できる可能性もあります。
定年退職時に家を買い替えるメリット
- 年金生活に入る前に住宅ローンを組むことで、将来の固定費を抑えられる
- 子育て期に比べて時間的な余裕があるため、より丁寧な物件探しや検討が可能
世帯年収別のおすすめタイミング
住宅購入のタイミングを検討する上で、世帯年収は最も重要な判断基準の一つとなります。一般的な目安として、世帯年収の5~6倍程度が適正な住宅購入価格とされています。
住宅ローンを借り入れて購入することを検討する場合、年収や購入する物件の価格別に必要となる自己資金の額が変わってきます。
以下の表では、年収別の物件の購入価格の目安とそれに応じた自己資金の目安を紹介します。ローン返済の負担も考慮し、目安となっている自己資金を用意できたタイミングで住宅を購入するとよいでしょう。
世帯年収 |
購入価格の目安 |
自己資金の目安 |
400万円以下 |
2,000万円程度 |
頭金を25%以上 |
500万円 |
2,500万円程度 |
頭金を15%以上 |
600万円 |
3,000万円程度 |
500万円程度 |
700万円以上 |
3,600万円以上 |
700万円程度(フルローンも可) |
年収に応じた住宅購入では、将来の収入変動も考慮に入れる必要があります。住宅ローンの返済額は手取り収入を逼迫させない程度に抑えることが推奨されています。
また、年収が増加傾向にある場合は、やや余裕のある返済計画を立てることも可能でしょう。
年齢から見るおすすめタイミング
年齢は住宅ローンの組みやすさに直結する重要な要素です。年齢別の借入可能額の傾向をまとめました。
年代 |
借入可能額 |
月々の返済額 |
20代 |
3,850万円 |
11.6万円 |
30代 |
4,800万円 |
14.4万円 |
40代 |
5,800万円 |
17.4万円 |
20代後半から30代前半は、住宅購入の最適期とされています。この時期は、キャリアの上昇期と重なり、収入増加が見込めるため、長期の住宅ローンを組みやすいのです。
また、35歳までに購入することで、退職までにローンを完済できる可能性が高くなります。
40代での購入の場合は、頭金を多めに用意することで返済期間を短縮することができます。ただし、教育費など他の支出との兼ね合いも慎重に検討するのが重要です。
50代以降の購入では、退職金の活用やより多くの頭金の準備が重要となってくるでしょう。
家を買うのに適さないタイミング

住宅購入のタイミングを見極める上で、避けるべき時期を理解することも重要です。
購入のタイミング次第では、将来的な資金繰りの悪化や生活の質の低下につながる可能性があります。
以下では、特に注意が必要なタイミングについて、具体的な理由とともに解説していきます。
家族構成・人数が変化する前
まず家族構成の変化が不明瞭な時期での住宅購入は、慎重に検討する必要があります。
例えば、結婚や出産の予定が定まっていない場合、将来の家族構成に合わない間取りを選んでしまうリスクがあります。特に、子どもの人数が未確定な段階での購入は、後々スペースが不足するなどの問題が発生する可能性があります。
家族の計画をある程度具体化してから購入することをお勧めします。
収入が不安定な時
収入の安定性は、住宅購入の判断において最も重要な要素の一つです。転職を考えている時期や会社の業績が不安定な時期は、住宅購入を避けるべきタイミングとなります。
特に住宅ローンの審査においては、収入の安定性が重視されるため、収入が不安定となっている時期は住宅購入に適していません。
持病がある場合
持病がある場合の住宅購入は、将来の医療費負担と住宅ローンの二重負担のリスクがあるため、金銭的な面での懸念を抱かれてしまうため注意が必要です。
【持病の一例】
部類 |
詳細 |
心臓・血圧 |
高血圧症、不整脈、狭心症、心筋梗塞、心不全など |
脳・精神・神経 |
脳卒中、精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症など |
胃腸 |
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病など |
肝臓・膵臓 |
肝機能障害、肝炎、肝硬変、すい炎など |
腎臓 |
腎炎、ネフローゼ、腎不全、のう胞腎など |
内分泌・代謝異常 |
糖尿病、甲状腺の病気、脂質異常症など |
目 |
緑内障、網膜の病気、角膜の病気など |
がん |
ポリープ、上皮内新生物、がん、肉腫、白血病、腫瘍、悪性リンパ腫など |
その他 |
リウマチ、こうげん病、貧血症、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫など |
特に治療費が高額になる可能性がある疾患の場合、住宅ローンの返済に支障をきたす可能性があり、団体信用生命保険への加入が難しくなる点がネックです。
団体信用生命保険は住宅ローンを組む際に必須となることが多く、加入できない場合はローン自体が組めなくなることもあります。また、加入できたとしても、追加の医療保険料が必要となり、月々の支出が増加する可能性があります。
転勤の可能性がある時
転勤の可能性がある状況での住宅購入も大きなリスクを伴います。
特に、勤務地が変更になった場合、以下のような問題が発生する可能性がネックです。
- 長距離通勤による身体的・経済的負担、物件の売却や賃貸に出す必要性
- 予期せぬ経済的損失など
このような状況を避けるためには、会社の転勤制度をしっかりと確認し、少なくとも5年程度は現在の勤務地で働けることを確認してから購入を検討するのがおすすめです。購入した不動産を5年以内に売却する場合、譲渡所得が発生すれば高い税率が課せられ、税金負担が大きくなってしまうためです。
転勤の可能性が完全に否定できない場合は、将来の売却や賃貸を視野に入れた物件選びが重要となります。
金利が高い時
金利の高騰期は、住宅購入を慎重に検討すべき時期です。住宅ローンは長期にわたる借入となるため、金利の違いが返済総額に大きく影響します。
例えば、3,000万円を35年間借りた場合、金利が1%違うだけでも、返済総額に数百万円以上の差が生じる可能性があります。
家を買う時に必要な費用

住宅購入には、物件価格以外にも様々な費用が必要となります。これらの費用を事前に理解し、適切な資金計画を立てることが、将来の安定した生活につながります。
ここでは、住宅購入時に必要な費用と、購入後に継続的にかかる費用について詳しく解説します。
購入時に必要な費用
住宅購入時には、物件価格の他に様々な初期費用が必要となります。これらの費用は、物件価格の約5~10%程度を見込んでおく必要があります。
主な初期費用には、以下のようなものがあります。
購入時に必要な費用 |
・契約手付金
・仲介手数料
・登記費用
・不動産取得税
・住宅ローン手数料
・火災保険料 |
これらの費用は、物件の種類や地域、取引条件によって変動する可能性があります。特に中古物件の場合は、リフォーム費用なども考慮に入れる必要があります。
購入後に必要となる費用
住宅購入後には、毎月の住宅ローン返済に加えて、様々な維持費用が継続的に発生します。
維持費用の例 |
・外壁・屋根の補修
・庭の手入れ
・水回りの設備更新
・定期点検
・管理費・修繕積立金・修繕一時金(※マンションの場合) |
これらの費用を事前に把握し、月々の支出計画に組み込んでおくことが重要です。
特に戸建ての場合は、外壁塗装や屋根の補修など、メンテナンス費用が数年おきに発生することも考慮に入れる必要があります。また、庭木の手入れや除草なども定期的な支出となります。
家を買う時に使える役立つ制度

住宅購入時には、様々な優遇制度や補助制度を利用することができます。これらの制度を適切に活用することで、購入時の負担を軽減したり、税制面でのメリットを得ることができます。
以下では、主要な制度について詳しく解説していきます。
住宅ローン控除
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に受けられる税制優遇制度です。控除額は、住宅ローン残高の1%を上限として、最長13年間にわたって所得税から控除されます。具体的な控除額は以下のように計算されます。
<年間控除額の計算例>
1. 住宅ローン残高3,000万円の場合
・ 3,000万円 × 1% = 30万円(年間控除上限額)
2. 実際の控除額は所得税額が上限
・ 給与収入600万円の場合の所得税額:約30万円
・ この場合、最大30万円まで控除可能
参考:認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 自己居住用の住宅であること
- 床面積が50㎡以上であること
- 所得制限2,000万円を超えていないこと
- 適切な時期に確定申告を行うこと
国の補助制度
国や地方自治体では、住宅購入を支援するための様々な補助制度を用意しています。これらの制度は、一定の条件を満たすことで、住宅購入時の費用負担を軽減することができます。
主な補助制度
1. すまい給付金
・ 収入に応じて最大50万円の給付
・ 住宅の性能等級に応じた加算あり
2. グリーン住宅ポイント
・ 省エネ性能の高い住宅の購入で最大100万円相当のポイント付与
・ 様々な商品やサービスと交換可能
3. フラット35の金利優遇
・ 省エネ性能や耐震性能が高い住宅の場合
・ 当初5年間の金利が0.25%引き下げ
これらの制度は、年度や地域によって内容が変更される可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。また、複数の制度を組み合わせて利用できる場合もあります。
住居購入前に押さえておきたいポイント

住宅購入を検討する際には、物件の種類や特性を十分に理解することが重要です。
特に、新築と中古、戸建てとマンションでは、それぞれに異なる特徴やメリット・デメリットがあります。
ここでは、選択の際に重要となるポイントを詳しく解説していきます。
新築か中古か
住宅購入において、新築か中古かの選択は非常に重要な決断となります。それぞれの特徴を理解し、自身のニーズや予算に合った選択をすることが大切です。
新築と中古の比較
項目 |
新築 |
中古 |
価格帯 |
高い |
やや高い |
初期費用 |
諸費用のみ |
諸費用+リフォーム費 |
メンテナンス |
当面不要 |
早期に必要な場合も |
間取り |
自由度が高い |
既存の制約あり |
設備 |
最新設備 |
交換が必要な場合も |
新築住宅の最大のメリットは全てが新品で、場合によっては自分好みの間取りや設備を選べることです。省エネ性能も高く、当面の修繕費用も抑えられます。
一方で、価格は中古に比べて割高となり、地盤の安定性や施工品質の確認が重要となります。
中古住宅は、新築に比べて価格が安く、即入居できる点が魅力です。また、街並みや周辺環境が既に確立されているため、生活のイメージが描きやすいメリットもあります。
ただし、リフォーム費用や修繕費用を考慮に入れる必要があります。
戸建てかマンションか
戸建てとマンションは、生活スタイルや将来の暮らし方に大きく影響する選択となります。それぞれの特徴を理解し、長期的な視点で判断することが重要です。
戸建てとマンションの比較
項目 |
戸建て |
マンション |
自由度 |
高い |
制限あり |
維持管理 |
自身で対応 |
管理組合で対応 |
防犯性 |
個別対策必要 |
共同で確保 |
将来性 |
立地やメンテナンス状況による |
立地やメンテナンス状況による |
居住性 |
独立性が高い |
上下階の音に注意 |
戸建ては、敷地や建物を単独で所有するため、改装や増築の自由度が高く、庭付きの物件も選べます。一方で、維持管理は全て自己責任となり、防犯対策も個別に必要です。
マンションは、管理組合による共同管理で、定期的な修繕や防犯対策が計画的に行われます。ただし、管理費や修繕積立金が必要で、上下階や隣室との生活音への配慮も必要となります。
タイミングを見極めれば家はお得に買える
住宅購入のタイミングを適切に見極めることで大きな経済的メリットを得ることができます。重要なのは、自身の生活設計と経済状況を総合的に判断し、慎重に決断することです。
特に、年収や資産状況、家族構成の変化、将来の収入の見通しなどを綿密に検討することが大切です。
また、金利動向や不動産市況、各種支援制度の活用タイミングなども考慮に入れる必要があります。
適切なタイミングでの購入は、将来の資産形成にもつながります。
ただし、急いで判断するのではなく、十分な情報収集と検討を行い、納得のいく選択をすることが何より重要です。住宅購入は人生の大きな決断ですので、専門家のアドバイスも積極的に活用しながら、慎重に進めていくことをお勧めします。
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家を購入する際には、ライフステージの変化に合わせて広い家への住み替えを検討したり、相続した実家から築年数が新しい物件への住み替えを希望するなど、現住居の売却を伴う場合も多いでしょう。
そのような場合、特に住み替えが初めてという方は「何から始めれば良いのか」「どのように手続きを進めれば良いのか」など悩んでしまうことでしょう。
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