「旗竿地が売れないと言われている理由を知りたい」
「将来売るときのことを考えて旗竿地の購入を悩んでいる」
上記のような方に、旗竿地が売れない理由を解説します。結論から言えば、全ての旗竿地が売れないわけではありません。
ただし、通常の土地と比べて旗竿地を売却するハードルは高い傾向にあるため、しっかりポイントを押さえて売却する必要があります。
そこで本記事では、旗竿地が売れない理由や売却のコツ、注意点などを解説します。旗竿地の買い手が見つからない場合の対応策も紹介しているので、既に旗竿地を売りに出している方もぜひ参考にしてください。
旗竿地とは

旗竿地(はたざおち)とは、道路から家に繋がる路地の部分が細く続き、路地奥のほうに建物を建てる敷地が広がっている土地を指します。
旗竿地が発生する理由は、相続や開発時に行われた広い土地の分筆によるものです。
広い土地をそのまま分割すると、道路に接しない敷地が発生する場合があります。ところが建築基準法では、「建物を建てられる土地は、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接しなければならない」と定められています。
そのため、建物を建てられる土地にするには、敷地が2メートル以上道路と接していなくてはならず、結果として旗竿地が発生するのです。
なお、正方形や長方形などのきれいな四角形の土地を整形地と呼ぶのに対して、旗竿地のように特殊な形の土地を不整形地と呼びます。
参照:建築基準法 | e-Gov法令検索
旗竿地が「売れない」と言われる7つの理由

旗竿地が「売れない」と言われる7つの理由は、以下の通りです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.建て替えられないことがある
道路に接している間口が狭い旗竿地は、法律上家を建てられないため、買い手がつきにくい場合があります。
建築基準法では、竿部分の間口は2メートル以上必要と定めていますが、この法律は昭和25年に制定されたものです。
制定前に建てられた旗竿地の家の中には、間口の幅が不足しているものもあります。間口の幅が足りない土地は再建築不可のため、そのまま家を解体するだけでは新たに家を建てられません。
間口を広げるために地形を変える解決法がありますが、コスト加算によって建築プランが制限されたり工事の手間が増えたりするおそれがあります。
2.日当たりの悪い場合がある
旗竿地は、家の周囲を囲んでいる建物に光が遮られるケースが多く、買い手がつかない場合があります。
家の配置や土地の方位によっては日照時間が限られ、居住後の快適性や光熱費に影響を与えるためです。
日当たりの悪さが気になる場合は、吹き抜け・天窓・高窓・地窓などを取り入れる、リビングを2階にするなどの工夫が必要です。
建売は既に間取りが決まっているため、リフォーム時に上記の間取りを取り入れることも検討しましょう。
3.解体・リフォームにコストがかかる

解体・リフォームのコストがかかる点も、旗竿地が売れない理由のひとつです。整形地よりも増える可能性があります。
これは、解体・リフォーム時に廃材や機材を運ぶ大型車両が入れないほど狭い間口の旗竿地に当てはまります。
旗竿地は竿部分しか搬入経路がありません。トラックや重機が入れない場合は、以下のような人力の手配や手作業が求められます
- 機材を個別で運搬してから現場で組み立てる
- 近隣の駐車場に停めてから資材を人が運ぶ。
工数が増えると人員が必要になり、その分人件費が加算されます。
そのため、解体・リフォーム費用の総額が整形地よりもかかるおそれがあり、予算の関係上、成約に至らない場合も考えられるでしょう。
4.家までに私道がある
旗竿地の竿部分が隣人の所有している私道の場合、売れにくい可能性があります。
旗竿地の竿部分は複数人で共有するケースがほとんどですが、旗竿地に私道の権利持ち分がなくても、売却や建て替えはできます。
ただし、以下のようなケースはその都度私道の持ち主全員の合意と許可が必要です。
- インフラ整備のために私道部分の水道管を工事するとき
- 私道部分を補修工事するとき
工事する際に合意・許可を得る手間への煩わしさや、私道の所有者と関係が悪くなった際の合意拒否を懸念して、売れないことがあります。
5.銀行の担保評価が低く設定される
旗竿地は、銀行の担保評価が低く設定される傾向にあります。そのため、借入金額が売り出し価格より下回っている場合、自己資金で補填できない限りは購入自体できません。
または予算の不足により希望どおりの家が建てられない点から、購入を見送るケースもあるでしょう。
しかし一般的に、旗竿地の売り出し価格自体は、整形地と比べて安く設定されます。居住エリアや日当たりなどの条件が合えば、コストを抑えて自己資金で家を購入したい人への需要が期待できるでしょう。
加えて、土地の価値が低い分、固定資産税が同じエリアの整形地と比べて安い点も購入者にとってメリットです。
6.利用できる面積が限られる
旗竿地が売れない理由に、実際に利用できる面積が限られる点もあげられます。
竿の部分は土地面積に含まれるものの、経路以外で活用しづらい欠点があります。そのため土地自体の面積が大きくても、竿部分が長くて旗部分が小さい場合、実際に建物を建てられるエリアが限られるでしょう。
利用できる面積が少ないと、下記の問題が生じやすくなります。
- 駐車場・家・庭造りプランが思いどおりにいかない
- 家の増築が難しい
1階スペースを広げたい場合に制限がかかったり、家の増築が難しくなったりすることが懸念されます。
7.旗竿地の隣人による嫌がらせなどのトラブルも
旗竿地が敬遠される理由として上記の他、隣人による嫌がらせやトラブルのリスクを懸念しているケースもあります。
例えば、車を幅寄せして駐車し、後続車の駐車を妨げる、敷地を勝手に通るなどが挙げられます。
話し合いで解決することもありますが、隣人との話し合いで解決できない場合であればトラブルになりやすいです。
買い手からすると、隣人から嫌がらせを受ける可能性がある物件は購入を見送ってしまうでしょう。
隣人と話したことがない、またはすでにトラブルが発生しているようであればこれから解説する対処法を試してみてはいかがでしょうか。
一方で、隣人との関係性が良好で気にする必要がないようでしたら、
「売れる旗竿地と売れない旗竿地の違い」
こちらまでスキップできますので、上記リンクをクリックしてください。
①隣人がどのような人か把握しておく
隣人がどのような人なのかを把握するためにはコミュニケーションが大切です。ですが、いきなり話しかけると不自然だと思われてしまうこともあるでしょう。
そのような時は、近隣の知人に、隣人について聞いてみるのが良いでしょう。
近隣の方であれば、もしかすると面識がある可能性や隣人が過去に起こしたトラブルについて知っている可能性があります。
また、すれ違った時に「こんにちは」など簡単な挨拶をして反応を見てみるのもいいでしょう。短時間であっても実際に言葉を交わすことで、隣人の印象や反応を確かめることができます。
②購入時に仲介した不動産会社・担当者に確認をする
もし、隣人とコミュニケーションをとるのが難しければ、購入時に担当していた不動産会社・担当者に確認をとってみるのもいいでしょう。
隣人が過去に問題行動を起こしていることを知っている場合は、そのことを正直に答えてくれるはずです。
③隣家との境にフェンスを設置する
嫌がらせを受けていたりする場合は、会話で解決することが一番望ましいですが、いくら注意しても改善されない時や、さらにエスカレートするケースもあります。
改善が見込まれない場合は、費用がかかってしまいますがフェンスの設置を検討してみましょう。
フェンスがあれば家の敷地を勝手に歩くなど敷地に侵入するようなことはできなくなります。
万が一、フェンスについてクレームを言われたとしても敷地内に設置しているものなので法律的に問題はありません。
ただし、フェンスを設置したことで駐車スペースがなくなってしまったりすると本末転倒になってしまいます。
フェンスを設置する場合は、あらかじめスペースの確保ができるか確認しましょう。
売れる旗竿地と売れない旗竿地の違い

売れる旗竿地と売れない旗竿地の違いを解説します。
全ての旗竿地が売れないとは限りません。売れる旗竿地と売れない旗竿地には、それぞれ特徴があります。
ご自身の所有している旗竿地と特徴を照らし合わせながら、参考にしてください。
売れる旗竿地
下記の特徴に当てはまる旗竿地の場合、売れる可能性は大いにあります。
- 竿部分の間口が広い
- 日当たりがよい・風通しがよい
- プライバシー保護や防犯対策がされている
重機が入れる程度の広さのある旗竿地は、幅の狭い竿部分よりもリフォームや解体費で人件費が加算される心配はありません。
窓が2方面にあるような、建物の間取り次第では採光の確保は充分可能です。
さらに道路から離れている旗竿地は、洗濯物を干しても近隣の家で隠されるため、通行人や車に見られる心配がありません。
家から出て目の前が道路ではないので、子どもが竿部分で遊んでいても車と衝突するリスクが少なくて済むのもメリットです。
売れにくい旗竿地
売れにくい旗竿地の特徴は下記の通りです。
- 接道義務を満たしていない
- 竿部分の間口が狭い
- 竿部分から旗までの距離が遠い
- 竿部分と私道が離れていない
上記の特徴に当てはまる旗竿地は、再建築の制限や私道の権利に対する買い手の不安などにより、売れないおそれがあります。
そのためしっかりと下記で説明するコツを押さえた上で売却活動しましょう。
売れにくい旗竿地を売却する4つの方法

売れにくい旗竿地を売却する方法は下記の4つです。
詳しく見ていきましょう。
1.隣地の所有者へ売却を検討する
隣地の所有者に、旗竿地を購入しないか声をかけてみましょう。隣地の土地と旗竿地が合わさると、面積が広がり整形地に近づきます。
隣地は旗竿地購入により土地の価値が上がるだけではなく、増築や駐車場スペースの確保など活用しやすくなるメリットがあります。
隣地の所有者に合意を得られれば、お互いにとってよい取引となるでしょう。
なお売買契約を結ぶ際は当事者同士だけで済ませず、不動産会社に売却のサポートを依頼することをおすすめします。
土地の測量と隣地との境界を明確にした確定測量図の作成や所有権移転登記など、専門性のあるやりとりが必要となるためです。
旗竿地の売却で不動産会社を探すなら、三菱地所リアルエステートサービスの「TAQSIE(タクシエ)なっとく提案売却コース(仲介)」をご利用ください。
希望条件に合う買主をプロに見つけてもらえるコースです。エリアと売却理由をもとに、選りすぐりの3名の仲介担当者をご紹介します。
豊富な経験をもつ質の高い仲介担当者とマッチングできます。納得した上で売却を進めたい方にぴったりです。
2.セットバックが必要か確認する
旗竿地を売却する際、セットバックが必要か確認しましょう。セットバックとは、道路に接している部分の敷地を、道路から敷地に向かって後退させ、道路の幅を広げることです。
竿部分と接している道路の幅員が4メートル未満の旗竿地の建て替えをする際には、建築基準法に従って道路幅を修正する必要があります。
道路幅を物理的にすぐ変更するのは難しいため、敷地の一部をセットバックすることにより建物を建てられます。
セットバックが必要か確認するためには道路を自分で計測する方法や、近所の状況から確認する方法もありますが、いずれの方法も確実ではありません。
自治体の役所に問い合わせるか不動産会社に調査依頼して、セットバックの有無を確認しましょう。
3.私道の所有者に交渉する

私道が原因で買い手がつかない場合は、私道の所有者に私道の持ち分の購入か、通行地役権の取得を打診しましょう。
旗竿地の私道部分は、1人が所有権を持っている、もしくは共有して所有しているケースのどちらかです。
1人が所有しているケースの場合、私道の所有者に対する通行料の支払いや、通行許可をもらえないトラブルを懸念して購入に至らない可能性があります。
私道の持ち分の購入が難しい場合は、通行地役権を取得するのも選択肢のひとつです。通行地役権とは私道の所有者に許可をもらうことで得られる通行権利です。
買い手の私道に対する懸念をできる限り解消した上で売却活動をしましょう。
4.売却ノウハウのある不動産会社に任せる
旗竿地がなかなか売れない場合は、売却ノウハウのある不動産会社に依頼することをおすすめします。
旗竿地をはじめ、一般的に条件が悪いとされる物件の売却実績を持つ不動産会社に依頼すれば、経験を駆使して売却に繋がるプランを打ち出してもらえます。
例えば、天窓や高窓を設置して日当たりや風通しの悪さをカバーできるような「建築プランつき」のプランが挙げられます。買い手が懸念するような点を払拭すれば、売りにくさを軽減できるでしょう。
「TAQSIE(タクシエ)なっとく提案売却コース(仲介)」では、大手不動産会社35社・約400名の不動産売却のプロから選び抜かれた、営業担当者のサポートを受けられます。
実績・経験が豊富なプロと実際にやり取りをしてから契約を結べるため、担当者とのミスマッチも防げます。売却ノウハウのある不動産会社・担当者に売却を任せたい方は、ぜひご利用ください
対応エリアは東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県です。
該当エリアで旗竿地の売却を検討している方はぜひご相談ください。
旗竿地を売却するときの注意点

旗竿地を売却するときの注意点は下記の4つです。
これから売り出すときの注意点や、なかなか売れない場合を考慮した注意点も紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
1.解体をせずに戸建てとして売り出す
旗竿地を売り出す際、家を解体せずに戸建てつきのまま売り出しましょう。
建築基準法は「建物の敷地は道路と2メートル以上接していなければならない」と定めています。そのため接道義務を満たさない間口が狭い旗竿地は、再建築不可に該当しかねません。
また更地になると、固定資産税の住宅特例の適用外になり、固定資産税が上がります。住宅用の土地には課税標準の特例措置が設けられています。
例えば東京都の特例措置の場合、200平方メートルまでの部分は、小規模住宅用地として通常の土地と比べて固定資産税が1/6です。
つまり更地になった場合は、解体前と比べて6倍の固定資産税がかかることになります。
間口が2メートル以上あっても、旗竿地の買い手が見つかるまでに時間がかかる可能性があります。売却期間中に特例措置の適用から外れないよう家は残したままにしましょう。
参照:建築基準法43条│e-Gov法令検索
参照:固定資産税・都市計画税|東京都主税局
2.住み替えは買い先行にする
旗竿地を売った後に住み替えをするなら、新居に引っ越してから家を売る買い先行がおすすめです。
家を売った後に新居に引っ越す売り先行では、内覧時に売り主が居住した状態で買い手に見てもらうことになります。
そのため、家具を置いている状態で部屋が狭く見えてしまったり、買い手が遠慮して収納部分の中まで見られなかったりすることがあります。
買い先行なら、家具を全部引っ越し先に移動させ、空き家にすることが可能です。買い手も遠慮せずに収納部分の中や、部屋の隅々まで内覧できるでしょう。
加えて、背の高い棚やカーテンなどの光を遮るものがなくなるため、日当たりの悪さをカバーできる可能性もあります。
関連記事:住み替えで失敗しない2つの方法とは?流れや費用、節税、注意点を解説
3.賃貸も視野に入れる
旗竿地が売れないことを考慮して、賃貸も視野に入れておきましょう。
アクセスがよい、小学校や病院に近いなど立地条件のよい場所にある旗竿地は、賃貸の需要が期待できます。
また、アパート賃貸にはない戸建て特有のメリットを活かせば、借り手のつく可能性があります。
- 個室を複数確保できる
- ペットを飼育できる
- 駐車場を確保できる
- 隣人の騒音を気にしないでいられる
上記に加え、旗竿地は道路から離れた場所に建物があるため、車の騒音や通行人の声が気にならない点も魅力です。
売買を依頼している不動産会社、または地元の賃貸に強い不動産会社に相談して、エリア内で、戸建て賃貸の需要がどのくらいあるか確認しましょう。
4.買取も検討する
売却活動しても買い手が見つからない場合、不動産買取もひとつの手段です。
不動産買取とは、第三者ではなく不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。買い手を探す必要がありません。旗竿地のような条件の悪い不動産でも売却が可能です。
ただしマンション特化、土地のみの売買に強いなど、不動産会社によって得意な不動産のジャンルが異なります。そのため旗竿地の買取実績がある不動産会社がおすすめです。
しかし買取は仲介に比べると不動産会社の数が限られています。その中で、旗竿地に強い不動産会社を自力で探すのは大変です。
そこで「TAQSIE(タクシエ)スピード売却コース(買取)」をおすすめします。3日以内に大手不動産会社3社から買取価格が提示されるので、スピーディに売却を進められます。
最短1ヶ月で売却可能です。次の住む場所が決まっていて旗竿地を早く現金化したい方はご検討ください。
※2024年3月以降、関西(大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀)の一部エリアで拡大予定
旗竿地の評価額を求める3つの計算方法

旗竿地の評価額を求める計算方法は3つあります。
いずれの方法も、路線価を使用して計算します。路線価とは、主要な道路に面した土地の1平方メートルあたりの土地価格です。
国税庁が毎年、その年の1月1日時点の路線価をHPに掲載しているので、確認してみてください。
参照:財産評価基準書|国税庁 (nta.go.jp)
旗竿地の評価方法については以下の記事で詳しく解説しておりますので、気になる方はぜひご覧ください。
関連記事:旗竿地の評価方法がわかる!相続税や固定資産税まで説明
1.道路の奥行き分を割り引いて計算する
旗竿地は、活用できる面積が道路に面した土地よりも少ないため評価が低くなります。土地の評価は竿の長さ(奥行き)の距離に影響され、距離が長いほど土地の価値は下がります。
そのため旗竿地の価格を求める場合は、奥行価格補正率を乗じて計算しなければいけません計算式は下記の通りです。
奥行価格補正率は、竿の長さによって異なります。
奥行の距離 |
奥行長大補正率 |
2~3メートル未満 |
0.98 |
3~4メートル未満 |
0.96 |
4~5メートル未満 |
0.94 |
5~6メートル未満 |
0.92 |
6メートル以上 |
0.90 |
参照:奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外改正) |国税庁 (nta.go.jp)
2.間口と奥の敷地と分けて計算する
間口が狭い土地は、奥行長大補正率に加えて、間口狭小補正率を乗じて計算する必要があります。
計算式は下記の通りです。
評価額=路線価×間口狭小補正率×奥行長大補正率×面積
奥行長大補正率が竿の長さによって異なる場合と同様に、間口狭小補正率は、旗竿地の間口の幅によって異なります。
間口狭小補正率は下記の通りです。
間口の距離 |
間口狭小補正率 |
4メートル未満 |
0.90 |
4~6メートル未満 |
0.94 |
6~8メートル未満 |
0.97 |
8メートル以上 |
1.0 |
参照:間口狭小補正率表|国税庁
3.不整形地として計算する
旗竿地を、一般的な不整形地として割り引く方法です。計算方法は下記の通りです。
旗竿地を道路側にある前面の敷地(かげ地)と合わせ、整形地と想定した価格に不整形地補正率を乗じます。
不整形地補正率は、下記の計算方法のいずれか低い率を採用します。
- 不整形補正率×間口狭小補正率
- 奥行長大補正率×間口狭小補正率
不整形補正率の補正表は下記の通りです。
かげ地の割合 |
地積が500平方メートル未満の不整形補正率 |
地積が500平方メートル~750平方メートル未満の不整形補正率 |
地積が750平方メートル未満の不整形補正率 |
10%以上 |
0.98 |
0.99 |
0.99 |
15%以上 |
0.96 |
0.98 |
1 |
20 |
0.94 |
0.97 |
0.98 |
25 |
0.92 |
0.95 |
0.97 |
30 |
0.90 |
0.93 |
0.96 |
35 |
0.88 |
0.91 |
0.94 |
40 |
0.85 |
0.88 |
0.92 |
45 |
0.82 |
0.85 |
1 |
50 |
0.79 |
0.82 |
0.87 |
55 |
0.75 |
0.78 |
0.83 |
60 |
0.7 |
0.73 |
0.78 |
65 |
0.6 |
0.65 |
0.7 |
なお、かげ地の割合は(想定整形地の地積-不整形地の地積)+想定整形地の面積で求められます。
参照:不整形地補正率表|国税庁
旗竿地の売却に関するよくある質問

旗竿地の売却に関するよくある質問をまとめました。
旗竿地で起こりうる近隣からの嫌がらせは何ですか
前述したように旗竿地で起こりうる近隣からの嫌がらせの一例は、下記の通りです。
- 隣人が日常的に敷地を勝手に通行する
- 隣人が自動車を駐めて出られなくなる
- 通路部分が隣人の私道で通行料を請求される
近隣からの嫌がらせやトラブルを防ぐためには、隣人をはじめ地域の事情を把握することが欠かせません。
購入前であれば、不動産会社に近隣情報の調査を依頼をしましょう。
ただし、不動産担当者の経験不足やスケジュールの圧迫が原因で、調査結果に疑問が残る場合もあります。
自分でも地域のコミュニティやイベントに参加をして、近隣住民の交流をしながら地域の事情や様子を確認することが大切です。
旗竿地の建売を購入して後悔するのはどんなときですか
旗竿地の建売を購入して後悔するのは、日当たりや風通しが悪いケースです。
日当たりが悪いと、洗濯物が乾きにくかったり部屋の電気や暖房代がかさんだりすることがあります。
日当たりをよくしたい場合は、吹き抜けや窓を多用して採光を取り入れるような工夫が必要です。リビングを1階よりも光が入りやすい2階に設置する間取りにするのもおすすめです。
旗竿地を購入するのは恥ずかしいですか
旗竿地を購入する際、周囲から下記のように思われることが恥ずかしいと感じる方もいるようです。
- 周囲が家で囲まれていて窮屈そう
- 購入した土地が安そう
旗竿地は周辺が家で囲まれています。そのため、周りの景観が制限されたり近隣との距離が近かったりすることで、窮屈そうな印象を抱く方もいます。
また旗竿地の土地としての価値が整形地と比べて低く、旗竿地に対して安いイメージを持たれる場合もあるでしょう。
一方、旗竿地は道路から離れています。静かな環境で暮らしたい方や内装にこだわりたい方にとっては、人目を気にせず暮らせるメリットがあります。また費用を抑えて購入でき、浮いた分を家のリフォーム代や引っ越し代にあてられるでしょう。
旗竿地が売れないなら「TAQSIE(タクシエ)」に相談
旗竿地は土地としての価値が低く活用できる面積が限られるため、売れない可能性があります。
しかし全ての旗竿地が売れないわけではありません。日当たりのよい人気エリアに位置するなど、買い手のニーズに合う条件があれば、売れる可能性は大いにあります。
再建築不可などの理由で買い手が見つからなければ、買取を検討するのも選択肢のひとつです。
しかし、不動産会社によって得意不得意があるため、買取してもらう際は、旗竿地の売却実績がある不動産会社を選ぶのがよいでしょう。
旗竿地の売却でお悩みなら、ぜひ一度「TAQSIE(タクシエ)なっとく提案売却コース(仲介)」をご利用ください。
顔写真やプロフィール、実績が公開されているので、自分に合った仲介担当者を選べます。もっともよいと感じた提案を選ぶことが可能です。
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