不動産売却を検討しているものの、売却までにどのくらいの期間がかかるのか疑問を抱いている方もいるでしょう。
不動産売却にかかる期間を把握するためには、不動産売却の流れと各工程に要する期間を把握しておく必要があります。
この記事では、不動産売却にかかる平均期間について解説します。
- この記事を読むと分かること
-
- 不動産売却の平均期間
- 不動産売却の流れ
- 不動産を短期間で売却するために考慮すべきこと
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不動産売却にかかる平均期間

不動産売却の平均期間は、仲介・買取のどちらの売却方法を選ぶかによって異なります。
売却方法 | 売却完了までにかかる平均期間 |
---|
仲介 | 3ヶ月〜半年程度 |
買取 | 1ヶ月程度 |
仲介とは、不動産会社が売却物件の広告宣伝活動をして買主を探す売却方法です。仲介の場合は内覧や価格交渉などを実施するため、買取と比べて売却期間は長くなります。
買取とは、不動産会社が買主となり物件を買い取る売却方法です。買取の場合は販売活動をして買主を探す必要がないため、短期間での売却を実現できます。
株式会社NEXERとTAQSIE(タクシエ)による調査では、不動産売却を経験した半数の方が、売却活動を始めてから半年以内に売却できています。

出典:「【築年数、駅距離、物件種別で紹介!】相続した不動産、売却成立までの期間に関する調査」(PR TIMES)
ただし、利便性が低い立地にある、築年数が30年以上経過しているなど、立地や物件の状態によって売却期間は左右されます。あくまでも目安として参考にしましょう。
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不動産売却の流れと各工程に要する目安期間

不動産売却の流れと各工程に要する目安期間は、以下のとおりです。
- 必要書類の準備(1〜2週間程度)
- 不動産会社に査定を依頼(1週間程度)
- 【仲介の場合】不動産会社と媒介契約を締結(1週間程度)
- 【仲介の場合】売却活動を開始(3ヶ月程度)
- 売買契約を締結(2週間〜1ヶ月程度)
- 決済・物件引渡し(1週間〜1ヶ月程度)
各工程について解説します。
必要書類の準備(1〜2週間程度)
まず不動産売却の査定前に、必要書類を準備しておく必要があります。売却する不動産の情報が多いほど、精度の高い査定結果を得られるからです。
査定時に必要となる一般的な書類は、以下のとおりです。
- 本人確認書類
- 売買契約書
- 印鑑証明書
- 登記済権利証
- 土地の測量図
- 建物の図面
- 公図
- 固定資産税納税通知書
- 住宅ローン残高証明書
上記の書類以外にリフォームや修繕の記録が確認できる書類やマンションの管理規約・管理費が記載された書類を求められる場合もあります。事前に不動産会社に問い合わせて、準備すべき書類について確認しておきましょう。
不動産会社に査定を依頼(1週間程度)
必要書類を揃えたら、不動産会社に査定を依頼します。不動産会社が行う主な査定方法は、以下の2種類があります。
査定の種類 | 査定方法 |
---|
机上査定 | 物件情報や類似物件の成約価格など、データをもとに査定額を算出する方法 |
訪問査定 | 不動産会社の担当者が現地を訪問し、土地や建物の状態、周辺環境などを調査したうえで査定額を算出する方法 |
机上査定は1〜3日程度、訪問査定は1週間程度かかります。机上査定は現地調査を行わないため、短期間で査定結果がわかりますが、あくまでもデータ上の概算価格です。精度の高い査定額を得たい場合は、訪問査定の依頼がおすすめです。
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【仲介の場合】不動産会社と媒介契約を締結(1週間程度)
不動産会社から提示された査定額や査定の根拠に納得できたら、媒介契約を締結します。媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があります。
媒介契約 | 主な契約内容 |
---|
一般媒介契約 | ・不動産の売却を複数社に依頼できる ・売主が買主を探した場合、直接取引できる |
専任媒介契約 | ・不動産の売却を依頼できるのは、1社のみに限定されている ・売主が買主を探した場合、直接取引できる |
専属専任媒介契約 | ・不動産の売却を依頼できるのは、1社のみに限定されている ・売主が買主を探した場合でも、不動産会社を介して取引する必要がある |
媒介契約の種類によってそれぞれ契約内容が異なるため、どの媒介契約を締結すべきか悩む場合は、不動産会社へ相談しましょう。
3種類の媒介契約の特徴については、以下の関連記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
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媒介契約の3種類とは?特徴を比較解説|不動産取引の基礎知識
【仲介の場合】売却活動を開始(3ヶ月程度)
媒介契約を締結したら、不動産会社が自社サイトや不動産ポータルサイトなどに物件情報を掲載し売却活動を開始します。
売却活動後、すぐに内覧希望の問い合わせが入る可能性もあるため、室内の掃除や不用品の処分をしておきましょう。室内をきれいな状態に保つことで買主に良い印象をもってもらいやすくなり、早期の売却が期待できます。
自力で除去できない染みついた壁の汚れや室内の臭いがある場合は、ハウスクリーニングの利用を検討するとよいでしょう。
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売買契約を締結(2週間〜1ヶ月程度)
不動産の売却が決定したら、仲介の場合は買主と、買取の場合は不動産会社と売買契約を締結します。仲介での売買契約締結時は、売主と買主の両者立ち会いのもと、不動産会社で重要事項説明を受け、売買契約書の内容を確認し署名と捺印します。
買取の場合は、不動産会社で重要事項説明や売買契約書の内容説明を受けて、問題なければ署名と捺印して完了です。売買契約を締結後は、売却金額の5〜10%の手付金を受け取るのが一般的です。
決済・物件引渡し(1週間〜1ヶ月程度)
仲介の場合は、買主のローン審査通過後に決済・物件の引き渡しを行います。決済は買主がローン申請した金融機関にて、売主・買主・不動産会社の担当者・司法書士が立ち会いのもと行われます。
買取の場合は、物件の引き渡しと同時に決済するのが一般的です。司法書士の立ち会いのもと、金融機関や司法書士事務所で行われます。
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不動産売却に長期間かかる要因

不動産を売り出してもなかなか買い手がつかず、不動産売却が長期化する場合は、以下のような要因が考えられます。
- 売り出し価格が相場と比べて高すぎる
- 売却するタイミングが悪い
- 不動産の購入需要が低い地域に物件がある
- 建物や設備の劣化が進んでいる
- 売却実績が少ない不動産会社に依頼している
それぞれの要因について解説します。
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売り出し価格が相場と比べて高すぎる
不動産の売り出し価格が相場よりも高すぎると、売却までの期間が長引く可能性があります。売却予定の不動産の周辺地域に、築年数や建物構造などの条件が同じような物件がある場合、相場より高いと割高に感じて敬遠されやすいためです。
また、相場よりも売り出し価格が高いと、値引き交渉が意味をなさないと判断され、交渉の対象から外れる場合もあります。
売却するタイミングが悪い
不動産取引が盛んになる時期を外してしまうと、売却が長期化する可能性があります。購入希望者が減り、買い手が見つかりにくくなるからです。
公益財団法人東日本不動産流通機構が行なった調査によると、成約件数が低下している時期は例年8月との結果です。

出典:「月例速報MarketWatchサマーレポート2025年3月度」(公益財団法人東日本不動産流通機構)
急ぎで売却する必要がない場合は、夏場の売却は避けたほうが賢明といえるでしょう。
不動産の購入需要が低い地域に物件がある
不動産の購入需要が低い地域に物件がある場合、売却まで長期間かかる可能性があります。不動産の購入希望者が少ない地域の特徴は、以下のとおりです。
- 過疎化が進んでいる
- 物件から駅・バス停までの距離が遠い
- コンビニやスーパー、病院などの生活利便施設が近くにない
- 地盤沈下や浸水などの災害リスクが高い
居住用不動産は、暮らしやすさが購入の決め手になる傾向にあります。そのため、住環境が十分に整っていない地域は、買主が現れるまでに時間を要するでしょう。
建物や設備の劣化が進んでいる
建物や設備の劣化が進んでいると、売却が長期化する可能性があります。購入後に建物のリフォームや設備の修繕が必要だと費用と手間がかかり、買い手に敬遠されやすいからです。
また、築年数が経過していると担保価値が低くなり、住宅ローンで希望する金額の融資を受けられない可能性があります。ローンが組みにくい物件は購入希望者の選択肢から外れやすく、結果として買い手が見つかるまでに時間がかかる傾向にあります。
売却実績が少ない不動産会社に依頼している
売却実績が少ない不動産会社に依頼することも、売却までに時間がかかる要因です。実績が少ないと買主を見つけるための集客力や、市場を踏まえて売却戦略を立てるスキルが不足していると考えられるからです。
物件の特性を踏まえ地域のニーズに合った広告宣伝ができないと買主の関心を集められず、売却の長期化につながります。
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不動産を短期間で売却するために考慮すべきこと

不動産を短期間で売却するためには、以下の点を考慮しましょう。
- 適正な価格で売り出す
- 購入需要の高い2〜3月を狙って売却する
- 媒介契約を見直す
- 不動産買取を検討する
- 買取保証付きの仲介を検討する
- 売却実績が豊富な不動産会社に依頼する
それぞれの項目について解説します。
適正な価格で売り出す
不動産を短期間で売却するために、適正な価格で売り出しましょう。売り出し価格が相場に近い金額であれば、購入希望者の検討対象に入りやすくなるからです。
適正価格で売り出すためには、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。複数社の査定額を比較することで相場を把握でき、適正な売り出し価格が判断しやすくなります。
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購入需要の高い2〜3月を狙って売却する
不動産の短期売却を目指すなら、物件の購入需要が高い2〜3月を狙って売却しましょう。2〜3月は引越しシーズンであり、新年度に合わせて家探しする方が多く不動産の購入希望者が増えるからです。
4月の入学・就職・転勤を控え「3月中には契約・引き渡しを終えたい」と考える買主が多い傾向にあるため、2〜3月は不動産市場の動きが高まります。
不動産の売却は、不動産会社選びや必要書類の準備などに時間がかかります。そのため、購入需要の高い時期を狙うのであれば、9月から動き出すとよいでしょう。
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媒介契約を見直す
不動産会社との媒介契約を見直すことで、不動産を早期に売却できる可能性があります。媒介契約の内容によって、不動産会社の営業姿勢や売却活動の報告義務が異なるからです。
専任媒介契約や専属専任媒介契約にて売却が滞っている場合は、一般媒介契約に切り替えることで複数社が売却活動を行ってくれるため、買主が見つかる可能性があります。
対して、一般媒介契約で買主が見つからない場合は、専任媒介契約や専属専任媒介契約に変更するとよいでしょう。1社に集中的に任せることで積極的に売却活動をしてくれることが期待できます。
また、専任媒介契約と専属専任媒介契約では、売却活動の報告が義務付けられているため、売主は売り出し価格の見直しなどを早期に判断しやすくなります。売却活動報告をもとに迅速な対応が可能となり、結果的に売却期間を短縮できるでしょう。
不動産買取を検討する
不動産をできるだけ早く売却したい場合は、買取を検討しましょう。不動産会社は買取した物件をリフォームして再販することを前提としているため、築古や設備の劣化など売れにくい条件の物件でも買い取ってもらえる可能性があります。
ただし、買取での売却の場合は、再販にかかる経費が差し引かれるため、買取価格は市場相場の7〜8割程度になるのが一般的です。売却価格よりも短期間での売却を重視したい方は、買取がおすすめです。
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買取保証付きの仲介を検討する
仲介で短期間の売却を目指す場合は、買取保証付きの仲介を検討するとよいでしょう。
買取保証付きの仲介とは、一定期間に買主が見つからなかった場合に、不動産会社が事前に取り決めた金額で買い取る制度です。買取保証付きであれば、高値で売却できるチャンスを残しつつ確実に売却でき、売却期間が長引かずに済みます。
不動産会社によって買取保証付き仲介の利用条件が異なるため、複数社の条件を比較して決めることが大切です。
売却実績が豊富な不動産会社に依頼する
売却実績が豊富な不動産会社に依頼すると、不動産を短期間で売却できる可能性があります。過去の成約データや市場動向などを参考に売り出し価格の設定や売却戦略を立てるため、短期売却を実現しやすい傾向です。
不動産会社によって、一戸建ての買取再販が強い、ファミリー層向けマンションの仲介実績が豊富など不動産会社によって特徴があります。不動産会社のホームページで、売却したい不動産と類似する物件を多く扱っているかを確認しましょう。
不動産の売却期間に関するよくある質問

不動産の売却期間に関するよくある質問もチェックしておきましょう。
Q.不動産は、最短でどれくらいの期間で売却できる?
買取であれば、最短1週間で売却できる可能性があります。スピード買取に対応している不動産会社を選べば、短期間で物件を現金化できます。スピード買取に対応しているか、不動産会社のホームページで確認しておきましょう。
Q.不動産の売却から入金までにかかる期間はどれくらい?
仲介による不動産売却の場合は、入金まで1〜3ヶ月程度かかります。入金されるタイミングは、一般的に「売買契約時」と「物件引き渡し時」の2回です。売買契約の際は手付金として一部入金され、物件引き渡しが完了した際に残額が入金されます。
買取の場合は、物件の引き渡し時に一括入金されるのが一般的です。
最短での不動産売却を目指すならタクシエに相談!
不動産売却にかかる期間は、仲介と買取とで異なります。仲介の場合は、買主を見つけるための販売活動をする必要があるので、買取よりも売却期間は長くなります。一方、買取の場合は、不動産会社が直接買い取るため短期間での売却が可能です。
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三菱地所リアルエステートサービス 新事業推進部
「不動産売却マスター」編集長
【保有資格】宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、衛生管理者、ファイナンシャルプランナー3級
2008年入社。人事部門で福利厚生制度などの企画運営、住宅賃貸部門でタワーマンション営業所長、高級賃貸マンション企画などを経て、2018年より経営企画部で主に事業開発を担当し、複数の新規事業立上げに従事。2020年度三菱マーケティング研究会ビジネスプランコンテスト最優秀賞受賞。「TAQSIE」では初期構想から推進役を担い、現在もプロジェクト全般に関わっている。
「不動産の売却に特化した情報を発信する『不動産売却マスター』編集部です。不動産の売却や買取をスムーズに進めるポイントや、税金、費用などをわかりやすく解説します」