今回、お話を伺ったエージェント
三菱地所ハウスネット株式会社肥田 雄太(ひだ ゆうた)さん
- 一戸建てに強い
- マンションに強い
- 土地に強い
- 対応スピードの早さに自信
大学卒業後、分譲住宅の建築会社に勤務。うち5年間は一戸建販売業務に従事し、2年半ほど不動産取引のための土地・建物の用地仕入れ業務を経験。
その後、大手の仲介会社を経て、3社目となる三菱地所ハウスネット株式会社でも仲介業務を担当している。
相続案件のマンション売却で、年配のお客様が遠方にお住まいだったこともあり、本来は司法書士に依頼する登記の申請なども肥田さんが作業したこともあるそうです。
急ぎの案件だったにも関わらず、ちょうどコロナ時期で主な手続きが郵送になり時間がかかっていたという事情があったとのことですが、顧客のために力を尽くしてくれる人柄が伝わってきました。
本音や人には言いづらい相談事も話しやすい雰囲気を醸し出されていらっしゃって、ほんわかとインタビューさせていただきました。
不動産売却には仲介と買取の2種類がありますが、仲介はさらに一般媒介、専任媒介に分けることができます。
専任媒介契約とは?
不動産の売却を特定の不動産会社のみに依頼をする契約形態を指します。この場合、自分で取引相手を探すことは可能(専属専任媒介を除く)ですが、他の不動産会社に仲介を依頼することはできなくなります。
関連記事:媒介契約の3種類とは?特徴を比較解説|不動産取引の基礎知識
一般媒介とは、複数の不動産会社に売却の仲介を依頼することで、専任媒介とは、専任媒介とは、1つの不動産会社にのみ売却の仲介を依頼することです。
この話を聞くと
「一般媒介、専任媒介の違いはなんだろう・・・」
「物件を売る際にはどちらがいいのかわからない」
このように思う方もいるのではないでしょうか。
そこで仲介業務を担当している肥田さんにどちらがいいかお話を伺いました。
「専任・専属専任媒介契約には、複数の業者が関わる一般媒介契約に比べて、状況の把握がしやすいというメリットがあります。状況がリアルタイムに把握できているため、販売スケジュールを立てやすく、結果的に、話がスムーズに進みやすいということも。
逆に言うと、情報を全て公開してしまうので、例えば、離婚や親族間の争いごとなど、何かしら事情があり、近隣の方に知られたくない、ネットに載せないで、内々で紹介して欲しいっていう希望の方には向かないです。
一方、一般媒介のメリットは、複数社に依頼することで、情報の透明性があることです。また、ある程度、複数の仲介会社を競い合わせることができるので、短期決戦で進めたい場合は、上手くいく事例もあります。ただし、それは、すぐ売却できるような需要が高い物件の場合だと思っていただいた方がいいかもしれません。
すぐ買い手がつく物件以外を一般媒介で進めようとするデメリットとしては、複数社に依頼することで、高く売れる印象を持たれている方もいらっしゃると思うのですが、実際、我々仲介業者側からすると他の業者が一緒に動いていると力を入れづらいというのがあります。
専任の場合、たとえ片手だったとしても、契約が決まれば仲介手数料をいただけるので、広告費用はある程度回収ができますが、一般の場合、折込広告やインターネット広告などに費用をかけても、他社さんで決まるとその費用が回収できません。事業として考えたときに、会社としてはなかなか広告費をかけづらく、担当者が広告費をかけたくてもできない場合も出てきます。
複数社で担当する一般に比べ、専任や専属で契約をいただいている場合は、我々が売り切るという責任もありますので、どうしてもそちらが優先になってしまう面はあります。」
専任・専属専任契約では、一つの不動産会社が責任を持って物件を扱います。
そのため、一般媒介に比べて売主は常に最新の状況を把握することができ、お問い合わせが何件あったのか、内覧の予定は入っているのかなど、詳しい情報も確認できる点が大きなメリットとなります。また、専任・専属専任契約では他社が入らないため、広告費を積極的に投資し、熱心な営業活動を展開することも可能ですので、その結果、一般媒介契約と比べて、はるかに本気度の高い売却活動を期待できるのです。
一般媒介では、レインズに登録することが義務付けられていません。そのため、売りに出していることを知り合いに知られたくないなど何かしらの理由で売却を公にしたくない場合か複数の不動産会社に販売をお願いしたい時に一般媒介契約を結ぶことが多いです。
以上のことから、レインズに登録せずに売却を公にしたくない場合や、複数の不動産会社に依頼した方が安心という方は一般媒介、1つの会社に物件の販売にコミットして欲しいと考えている方は専任・専属専任契約がおすすめです。
レインズ(REINS)とは?
レインズ(REINS)は、不動産流通機構が運営する不動産物件情報交換システムです。宅地建物取引業者間で物件情報を共有し、円滑な不動産取引を実現する目的で設立されました。
不動産業者は物件の売却依頼を受け、仲介契約を結んだ場合、翌日を起算日として5~7営業日以内にレインズへの登録が義務付けられています。そのため、他の不動産業者も物件情報を確認でき、より多くの購入希望者に物件を紹介することが可能となります。
事例2: 不動産買取に向いている売主・ケースとは?
今回、お話を伺ったエージェント
株式会社未来都市開発斎藤 祐弥(さいとう ゆうや)さん
- マンションに強い
- 残置物撤去も可能
- 引渡し猶予も調整可能
- 買取実績200件以上
新卒で株式会社未来都市開発に入社し、一貫して、不動産の買取業務を担当。
「少しでも売主様の希望に近い金額で買取するための調査を怠らないこと」をポリシーとされていて、買取物件を紹介されたら、その物件だけでなく、実際に歩いて周辺環境の調査を行い、プラスの情報を入手するように努めていらっしゃるそうです。
一貫して買取業務を担当されているからこその蓄積されたノウハウでしっかりとした査定を行っていただけるのが魅力だと感じました。
先ほどは仲介についてご紹介しましたが、不動産売却の方法には買取もあります。買取に向いているのはどのようなケースでどのような売主に向いているのか一貫して買取業務を担当されている斉藤さんにお話を伺いました。
「不動産買取に向いているケースとは、住み替え、相続、離婚など、何かしらの事情で早く売りたいケースです。また、あとあとストレスがないというのが買取のメリットなので、売ってスッキリしたい方には向いていると思います。契約不適合免責というのですが、雨漏りや設備の補償の負担も一切なくなるので心配がなくていいですね。早く確実に売りたい方には買取は向いていると思います。
買い取った物件については、グループ会社で提携している内装業者さんに依頼して、新築同様の室内にリノベーションします。例えば、買取時に60㎡台の2LDKの部屋を紹介してもらったとしても、このエリアであれば3LDKの方が需要があると思ったら、3LDKにする想定で購入します。」
買取とは?
売主が不動産会社と直接取引をして物件を購入してもらうことを指します。この方法は、仲介を介さずに行われるため、売却までの時間が短縮され、迅速に現金化できるという利点があります。
関連記事:家を高く、早く売る方法。意外と知らない「買取」による売却という選択肢
仲介では売却までに2〜3ヶ月などの一定期間を要し、売買契約においても購入者の住宅ローンが通らず白紙に戻るケースや、住宅に不具合があった際に責任を負う必要があります。一方、買取では数日間で売却が完了し、後の手続きなども不要です。
そのため、相続や住み替えなどで早く売りたい方やストレスなく売却したい方に向いています。
また買取の場合、不動産会社がリフォームするため、物件の不具合を気にする方にとっても買取は向いていると言えます。
そんな買取ですが、メリット・デメリットがありますので次のパートで詳しく確認していきましょう。
事例3: 不動産買取のメリット・デメリット
今回、お話を伺ったエージェント
株式会社インテリックス佐藤 雄亮(さとう ゆうすけ)さん
- マンションに強い
- リースバックも可能
- 賃貸中(オーナーチェンジ)物件も可能
- 買取実績100件以上
6年半ほど不動産の仲介会社を経験したのち、分譲マンションの管理業務を行う会社へ転職。約5年の間、管理側から不動産業界に携わる。
その後、株式会社インテリックスに入社し、買取業務を担当している。
一貫して、不動産業界に携わってきた佐藤さんは、仲介・管理・買取の3視点から提案ができるプロです。
いろいろな立場を経験されてきたからこその幅広い視点で、売主にとって一番よい方法を提案してくださるところが魅力だと思いました。
優しい話し方で、親身になって自分のことを考えてもらえそうな安心感が印象的でした。
このパートでは買取のメリット、デメリットについて買取業務を担当されている佐藤さんにお話を伺いました。
「不動産買取のデメリットは、普通の仲介、一般エンド様向けに出す金額よりも手残りが少なくなってしまうっていうことぐらいかと思います。もちろん、物件やエリアによりますが、おおよそ8掛けぐらい、20%ぐらい減るというイメージです。
買取のメリットの一つは、売却後の瑕疵に責任を持たなくてよいところです。一般の方に売却した場合、契約不適合責任といって、一定期間は売った家の瑕疵を保証しなくてはいけません。排水管などに問題があると売主様側の負担になります。それが、業者に売る場合には、責任負わなくてよいので手離れが良くなります。
あとは、現金化が早いというのも大きなメリットだと思います。ちょうど、昨年の年末には、仲介会社さんから急ぎで現金化したいというお客様をご紹介いただいて、契約から売主様に現金をお渡しするまでに2週間ぐらいですべて完了した案件がありました。お客様にはとても感謝していただいたのですが、これも買取ならではの良さだと思います。また、買取の場合、希望金額に合いそうな業者がご都合に合わせて伺い、すぐ話を進めることができます。ご近所に知られたくないという方は、こっそりと売れることも買取のメリットでもあるかなと思います。
そもそもリフォーム前提だから、内覧のために掃除して、きれいに見せる必要もないというメリットになりますね。
不動産買取のデメリットは、仲介による売却に比べて、売却益が20%ほど少なくなってしまうケースもあるということです。そのため、長期のスパンでもいいからより高く物件を売りたい方にとっては仲介がおすすめです。
一方で、不動産買取のメリットは2点あります。
1点目は先ほどもご紹介した通り、現金化が非常にスピーディーというのがメリットとして挙げられます。仲介では数週間〜数ヶ月かかるのに比べて買取は早ければわずか数日で決まります。
また、仲介の場合は内覧のたびに掃除をしたり、立ち会いがあるため、日程調整が必要ですが、買取だとその手間も削減できます。
2点目のメリットは物件を現状のままで手放すことができることです。
先ほどご紹介したように、仲介の場合は内覧のたびに掃除をして綺麗にしないと購入に繋がらないパターンが多いのですが、買取だと不動産会社が物件をリフォームして売り出すため、多少の汚れや老朽化があっても売却することが可能です。
そのため、不動産買取は現金化を急ぎたい場合や、相続物件、築古物件を手間なく売却したい方などに適しています。
事例4: エリア相場よりも少しでも高く不動産を売却することは可能か
今回、お話を伺ったエージェント
小田急不動産株式会社 藤沢店深栖 貴弘(ふかす たかひろ)さん
- 魅力的な物件写真
- 売却戦略提案
- 仲介実績500件以上
- 不動産仲介実務年数20年以上
不動産業界に入り20年以上、小田急不動産に入社してからは大和支店、相模大野支店を経て藤沢支店で9年 の不動産売買経験をお持ちの深栖さん。なかなか仲介担当者から聞くことはできない両手仲介/片手仲介の仕組みについてもお話してくださいました。売却相談に来た方には、同じように業界の内部事情についてもお話しているそうです。深栖さんにお願いすれば、じっくりといい条件で売却できるだろうと感じました。
不動産売却では物件の立地が大きく影響しており、エリア毎におおよその相場が決まっています。その中で少しでも高く不動産を売却することはできるのでしょうか?物件のプロモーションを得意としている担当者の深栖さんにお話を伺いました。
「プロモーションして物件を魅力的に見せられれば、売却価格を上げられる可能性があり、物件を輝かせるために物件の魅力的な写真を撮ることが重要です。物件自体がどんなによくても、買い手候補が見てみたいという気持ちになるかは写真の印象がすべてです。キレイな写真を撮ることは大前提で、物件のもっとも魅力的な瞬間を切り取ることを意識しています。
如何に物件を魅力的にするかを日々考え、良い写真を撮影し、SUUMOなどの情報サイトに掲載したり、他社から担当物件に問い合わせがきたら、その写真をお渡しして、営業に活用していただいたりしています。
他の工夫として、スチール写真だけでなくドローンを飛ばしたり、動画を撮影したりしています。」
来栖さんのお話によると、エリア相場よりも高く売却することは可能とのことでした。
エリア相場よりも高く売却するためには、物件の魅力をしっかり伝えるということが重要です。
具体的には魅力的な写真を掲載する、ドローン撮影をする、動画を掲載するなどさまざまな工夫を凝らしていました。
古い物件や条件の悪いをそのまま紹介するのか、見せ方を工夫してより魅力的な物件にするかは担当者のスキルとアイデア、そして努力次第です。
担当者と相談を重ね、どんな訴求をしていくかを決め、逆転の発想で物件の魅力を伝えることができれば、買い手を見つけることができたり、相場よりも高く売却することが可能になります。
不動産売却のマッチングサービスなら「TAQSIE(タクシエ)」
今回は不動産担当者の体験談をご紹介させていただきました。
TAQSIE(タクシエ)は、物件の購入希望者と不動産のプロをつなげるるマッチングサービスです。
紹介するプロは一人ひとりが宅地建物取引士の資格はもちろん豊富な経験や実績がある精鋭たちなので、希望に近い条件で売却できる可能性が高いでしょう。
不動産売却についてのお悩みの方は、登録無料なので、お気軽にご利用ください。
この記事の編集者
三菱地所リアルエステートサービス 新事業推進部
「不動産売却マスター」編集長
2008年入社。人事部門で福利厚生制度などの企画運営、住宅賃貸部門でタワーマンション営業所長、高級賃貸マンション企画などを経て、2018年より経営企画部で主に事業開発を担当し、複数の新規事業立上げに従事。2020年度三菱マーケティング研究会ビジネスプランコンテスト最優秀賞受賞。「TAQSIE」では初期構想から推進役を担い、現在もプロジェクト全般に関わっている。
「不動産の売却に特化した情報を発信する『不動産売却マスター』編集部です。不動産の売却や買取をスムーズに進めるポイントや、税金、費用などをわかりやすく解説します」