長年住み慣れた我が家に雨漏りが発生してしまい、新しい住居に住み替えるか、修繕して住み続けるか悩まれている方もいらっしゃるでしょう。
ただし、住み替えるにしても雨漏りのある家は売れないのではないかと不安を抱えられる方も多いかと思います。
実際、雨漏りのある家は、一般的な物件と比べて売却が難しいケースが多いです。買主が見つかりにくく、売却価格も下がりやすい傾向にあります。しかし、適切な方法で売却すれば、雨漏りのある家でも売却は可能です。
この記事では、雨漏りした家の売却を検討されている方に向け、売却における課題や、具体的な売却方法、そして売却時の重要な注意点である告知義務について詳しく解説していきます。
- この記事を読むと分かること
-
- 雨漏りしている家の売却の難しさ
- 雨漏りしているの3つの売却方法
- 売却時の告知義務
雨漏りしている家は売りにくい?

雨漏りのある家の売却には、買主が見つかりにくい、売却価格が下がりやすい、修繕の要否判断が難しいなどさまざまな課題があり、通常の物件と比べて売却のハードルが高くなります。
それぞれの課題について詳しく見ていきましょう。
買主が見つかりにくい
中古住宅を購入する際、買主は長く住み続けることを目的としているため、建物の状態が重視されます。
特に雨漏りは、建物にとって重大な不具合の一つです。雨漏りがある家では、木材の腐朽や断熱材の劣化が進行するだけでなく、建物全体の老朽化や他の不具合の存在を疑われやすく、買主から敬遠される傾向にあります。
さらに、湿気を好むシロアリが集まりやすくなり、床下や構造部材への深刻な被害につながる可能性もあります。
このような被害が進行すると、建物の耐久性や耐震性も低下するため、より一層買主が見つかりにくい状況となります。
売却価格が下がりやすい
中古住宅では、物件の状態が売却価格に大きく影響します。特に雨漏りのある家は、建物の修繕費用や調査費用の負担が必要となるため、売却価格が低くなりやすい傾向にあります。
雨漏りの調査には目視点検や散水試験などが必要で、高度な診断には赤外線サーモグラフィーなども使用されるため、数万円から50万円程度の費用が必要になります。
また、雨漏りによる二次被害として、木材の腐食、カビ発生、シロアリ被害、断熱材や配線への影響なども考えられ、これらの修繕範囲が広がると大規模改修が必要になる場合もあります。
このように、調査費用や修繕費用に加えて、建物全体の資産価値低下も考慮されるため、売却価格は通常の物件と比較して大きく下がってしまう可能性があります。
修繕してから売るべき?
雨漏りの修繕を行ってから売却することで、買主の不安を軽減し、より良い条件での売却が期待できます。
しかし、修繕を行うかどうかの判断には慎重な検討が必要です。先述したように、修繕する場合には、まず原因特定の調査費用が数十万円程度必要になります。
また、木材の腐食、カビ発生、シロアリ被害、断熱材や配線への影響など、二次被害の範囲によっては大規模改修が必要になる場合もあります。
一方で、買主の中には自身でリノベーションを行いたい、建て替えを検討しているといったケースもあり、修繕することで必ずしも売却しやすくなるとは限りません。
そのため、修繕を行うかどうかの判断は、必ず不動産の専門家に相談してから検討することをおすすめします。
雨漏りした家の売却方法3選

雨漏りのある家の売却には、主に3つの方法があります。物件の状態や売主の希望に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
以下で、それぞれの方法のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
修繕してから売却する
仲介での売却を検討している場合、雨漏りがある状態では買主が見つかりにくいため修繕が必要になります。
修繕から売却活動を開始するまでの流れは以下の通りです。
【修繕から売却までの推奨ステップ】
- ホームインスペクション(建物状況調査)の実施
- 雨漏り箇所の特定と原因調査
- 必要な修繕工事の実施
- 売却活動の開始
修繕によって物件の価値は向上しますが、必ずしも調査や修繕にかかった費用を回収できるとは限らないため、慎重な検討が必要です。
特に築年数が古い場合や、他の不具合も見つかった場合は、修繕費用が売却価格に見合わない可能性もあります。
そのため、事前に不動産会社に相談し、対応をどうすべきか確認することをおすすめします。
更地にして売却する
築年数が古く、雨漏り以外にも多くの不具合がある場合は、建物を解体して更地で売却するという選択肢もあります。
更地にして売却する場合のメリット、デメリットは以下の通りです。
【更地にして売却するメリット・デメリット】
メリット |
デメリット |
・建物の不具合を気にせず売却可能
・土地活用の幅が広がる
・立地が良い場合、売却金額が高くなる可能性がある |
・解体費用が必要
・固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなる
・再建築不可の土地では売却が困難になる可能性がある |
特に、雨漏りが発生している場合には、建物全体で老朽化が進行している可能性が高く、 解体してから売却した方が良いケースもあります。
しかし、解体には高額な費用がかかることに加え、住宅用地の固定資産税軽減措置が適用されなくなるため、売却できなければ逆に経済的負担が重たくなってしまう可能性も高いです。
そのため、解体を決断する前に、必ず不動産会社に相談するようにしましょう。
買取業者に依頼する
早期売却を希望する場合や、修繕・解体の費用負担が難しい場合は、買取業者へ売却するのが良いでしょう。
買取では、現状のままで売却できるため、修繕費用が不要です。売却完了までの期間は業者によって異なりますが、最短で1週間から1ヶ月程度と短期間であるのが特徴です。
ただし、買取価格は一般的な仲介売却の約7〜8割程度(仲介での売却金額より20〜30%程度低い)となることが多いため、売却方法は慎重に検討しましょう。
複数の買取業者から査定を受けて条件を比較検討することはもちろん、最後まで仲介で売却するという選択肢も残しておくことをおすすめします。
また、仲介で売りに出し、買主が見つからなければ不動産会社に買い取ってもらえる買取保証サービスも検討してみるとよいでしょう。
雨漏りした家の売却時には買主への告知義務がある

雨漏りは「物理的瑕疵」に該当し、雨漏りのある不動産を売却する際には買主への告知義務があります。
「物理的瑕疵」とは、雨漏り以外にもシロアリや耐震強度の不足など、取引物件自体に存在する物理的な欠陥や不具合を指し、宅地建物取引業法第35条によって告知義務が定められています。
雨漏りを修繕して不具合がなくなった場合でも告知義務の存在はなくなりません。もし告知を怠ると、法的な問題に発展する可能性があります。
二次被害がある場合も告知義務がある
雨漏りの合った家は建物の内部に雨水が侵入し、腐食やカビの発生、シロアリやゴキブリなどの害虫の発生などの二次被害が発生している可能性があります。
これらの二次被害についても、雨漏りと同様に買主への告知が必要です。
また、これらの被害状況や修繕履歴は、重要事項説明書に明記する必要があります。
告知を怠れば契約不適合責任に問われる
先述したように、売主が雨漏りや二次被害の告知を怠った場合、民法の契約不適合責任が適用される可能性があります。この場合、以下のような責任を負うことになります。
【契約不適合責任による売主の義務】
- 修繕費用の負担、売却金額の値下げ
- 損害賠償金の支払い
- 売買契約の解除対応
- 違約金の支払い
告知義務違反によるトラブルを避けるためにも、不具合の内容は事前に伝え、重要事項説明書にも明記しておくことが重要です。
雨漏りした家の売却は「TAQSIE(タクシエ)」に相談!
雨漏りのある物件を売却する際は、売却方法の選択や物件の評価、売却活動が非常に難しくなるため、経験や実績が豊富な不動産会社・担当者を選ぶことが重要です。
しかし、不動産会社によっては、雨漏りしている物件に対応していなかったり、インターネット上では実績を確認できない場合も多くあるでしょう。
そこでおすすめなのが、最適な不動産会社・担当者を紹介するTAQSIE(タクシエ)です。
物件の状況や希望条件などをもとに、実績が豊富な大手不動産会社70社以上約700名のなかからぴったりの担当者を3名紹介します。
修繕の判断や価格設定など、売却に関する専門的なアドバイスが受けられるでしょう。
また、雨漏りのある物件のように瑕疵がある物件は、買主に敬遠される傾向にあり仲介での売却が難しいケースも多いです。そのような場合には、不動産会社に買取を依頼できる「TAQSIE(タクシエ)スピード売却コース」もおすすめです。
3日以内に不動産会社3社からそれぞれ買取価格が提示され、価格を比較した上で依頼する不動産会社を選択できるので、より希望の条件に近い金額での売却が期待できます。
登録・相談は無料なので、雨漏り物件の売却でお困りの方はお気軽にご利用ください。