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不動産売却の必要書類と取得方法|売却までの流れに沿って取得タイミングも紹介

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不動産売却の必要書類と取得方法|売却までの流れに沿って取得タイミングも紹介

不動産を売却する方法は複雑で必要な書類も多種多様なため、「何を準備したらいいんだろう?」と悩むケースも多いです。

そこでこの記事では、不動産売却に必要な書類を一式紹介します。
事前に必要書類を用意して、スムーズに不動産売却を行いましょう。

この記事を読むと分かること
  1. 不動産売却に必要な書類一式
  2. 必要な書類の用途や取得方法

不動産売却の書類は早めに準備しておく

不動産売却の書類は、早めに準備しておく事が大切です。
全部で10種類以上の書類が必要になるため、計画的に取得しておかないと手続きが滞り、いつまで経っても不動産が売却できない可能性もあります。

書類の中には手続きに時間がかかったり、平日しか入手できなかったりするものもあるので、事前確認が何よりも重要です。

また、不動産は売る時期によって価格が変動するので、あまりにも手続きが進まないと不動産価値に影響を及ぼす場合もあります。

一般的に、物件価格は特に月日が経つごとに価格が下がるため、早めに書類を揃えてスムーズに手続きを済ませることが必要です。

不動産売却に必要な書類の一覧

不動産売却の必要書類一覧は下記の通りです。

書類名 取得方法 取得にかかる期間
物件の図面・間取り図 ・不動産取得時に施工会社や仲介会社より発行
・手元にない場合は再発行を依頼
・古民家などで発行自体されていない場合は、作成が必要
・再発行の場合:1週間~1ヶ月程度
・作成する場合:1ヶ月程度
建築確認済証 不動産の建築を行う際に自治体や指定の民間検査機関にて発行
検査済証 ・建築物が建築基準関連の規定に違反していないことを証明する書類
・建築の完了時に、完了検査を行って発行
耐震診断報告書 ・建物の登記が以前の耐震基準の場合に新基準を満たしているかを証明する資料
・国土交通省指定の一般財団法人や建築士などに依頼して発行する
1~3ヶ月
アスベスト使用調査報告 アスベストの使用の有無を施工会社や物件状況等報告書、調査会社への調査などから作成 2~3週間
付帯設備表 ・売却不動産に残す設備や家具の状況を示した書類
・売主が作成
1~3ヶ月
告知書 ・雨漏りなどの不動産の状況を記した書面
・売主が作成
1~3ヶ月
登記済権利書 平成18年より以前に不動産所有の場合、所有時に法務局より発行
土地確定測量図 ・隣接地所有者と立ち合いの元、測量会社によって発行
・確定測量図がない場合は、調査・発行が必要
測量が必要な場合、1~4ヶ月程度
境界確認書 ・隣接地との境界を示した書類
・登記簿謄本や土地確定測量図に記載があることが一般的
・記載がない場合は、土地家屋調査士や測量士に依頼する
測量が必要な場合はおおむね3ヶ月
固定資産評価証明書 ・固定資産がある市区町村の窓口や郵送
・自治体によってはマイナンバーカードを使用してコンビニ取得も可
・窓口やコンビニは即日
・郵送は1~2週間程度
住民票 各地方自治体の窓口やコンビニ交付 即日
実印と印鑑証明書 各地方自治体の窓口やコンビニ交付 即日
抵当権抹消書類 ・売却不動産の抵当が抹消されたことを証明する書類
・必要書類を揃えて法務局に申請する
1~2ヶ月

上記のように不動産売却には様々な書類が必要です。
取得までに数ヶ月かかる書類もあるので、早めに準備してスムーズに不動産売却を進められるようにしましょう。

売却までの流れに沿って必要な書類をチェック!

不動産の売却では、必要な書類が多いことからも何かしら不足していると取引が遅滞する可能性があるので、丁寧に確認しておくのがベストです。

不動産売却は以下の流れに沿って進むことが一般的です。

以下では、それぞれのタイミングで必要な書類を解説するので、参考にしてください。

査定時に必要な書類


不動産を売却する際には、まず不動産の価値を確定する査定が行われます。
不動産の査定では、戸建てやマンションを購入した時の「物件の図面」や「間取り図」を中心に進めていきます。

物件の図面・間取り図

不動産を取得した際に施工会社や仲介会社から交付された物件の図面・間取り図には、構造や築年数、間取りから土地の面積や敷地権の持分割合、用途地域など不動産に関するさまざまな情報が記載されています。不動産の査定では、これらの情報が記載されている物件の図面や間取り図を中心に価格を算定します。

そのため、不動産の査定を依頼する前には、まず物件の図面・間取り図を保管しているか確認しましょう。万一、紛失してしまった場合には、購入時に契約した不動産会社に連絡して再発行してもらうとよいです。再発行には、約1週間から1ヶ月程度の時間を要するため、早めに確認しておくことが重要です。

また、不動産会社から発行された資料を用意できない場合には、法務局で取得可能な建物図面を準備するとよいでしょう。建物図面には、不動産査定時に参考となる、建物の構造や設備、間取り、敷地との位置関係について詳しく記載されています。

取得する際は、法務局の窓口、郵送、インターネットのいずれかで請求でき、1通あたり450円(インターネットの場合は430円)で入手できます。


媒介契約時に必要な書類


不動産の査定が終わったあとは、不動産会社と媒介契約を行います。
媒介契約を行う際は、次の書類が必要です。

ここでは、媒介契約に必要な書類を詳しく解説します。

建築確認済証および検査済証

媒介契約時には、まず建築確認済証または、検査済証を準備します。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
建築確認済証 建築計画が法令に適合されたうえで行われていることを証明する書類 不動産の建築を行う際に自治体や指定の民間検査機関にて着工前に発行
検査済証 建築物が建築基準関連の規定に違反していないことを証明する書類 建築の完了時に、完了検査を行って発行

これらの書類は売却される不動産が、法令に則って建築されたことを証明する重要な書類です。
建築物の安全性や信頼性を担保する重要な書類なので、必ず提出してください。
建築確認済証または検査証は、紛失した場合に再発行ができません。
万が一紛失した場合は、以下2つのいずれかの方法で別の書類を取得して代用します。

    建築確認済証または検査証を紛失した場合

  • 建築計画概要書を取得
  • 台帳記載事項証明書を取得

建築確認済証または検査証を紛失した場合は、建築計画概要書を取得しましょう。
建築計画概要書は竣工前に建築確認申請書と同時に自治体に提出する書類です。
建築に関わる検査の履歴や建築確認番号や検査済番号などが記載されているので、建築の安全性を担保する書類として代用できます。

また、台帳記載事項証明書を取得する方法もあります。
台帳記載事項証明書には、建築確認済証と検査証の両方が記載されているので書類として代用可能です。
ただし、作成された当時の記載方法によって必要項目が書かれていない等の場合は、また別途書類作成が必要になります

耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書

より不動産としての価値を高めたい場合は、耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書の準備もおすすめです。
これらの書類は必須ではありませんが、用意しておくことで建物の安全性がさらに担保でき、売却に向けた大きなアピールポイントになります。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
耐震診断報告書 建物の登記が以前の耐震基準の場合に新基準を満たしているかを証明する資料 国土交通省指定の一般財団法人や建築士などに依頼して発行する 約1ヶ月~3ヶ月
アスベスト使用調査報告書 アスベストの使用の有無を検査した報告書 施工会社や物件状況等報告書、調査会社への調査などから作成 2週間~3週間

費用に関しては、耐震調査で60万~100万円、アスベストの調査では20万~50万円程度かかることが一般的です。

非常に高額ではあるものの、古い建築物などの場合は特に安全性を心配する買主が多いのも実情です。
築浅などでない限りはなるべくこれらの書類を揃えて、安全性をアピールできた方が売却しやすくなるでしょう。

売買契約時に必要な書類


不動産の売買契約時には、付帯設備表や告知書が必要です。
以下で書類の概要や取得方法、期間について解説します。

付帯設備表や告知書

物件の売買契約を行う際には、付帯設備表や告知書など物件の状態に関する情報を記載した書類が必要です。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
付帯設備表 売却不動産に残す設備や家具の状況を示した書類 売主が作成 約1ヶ月~3ヶ月
告知書 雨漏りなどの不動産の状況を記した書類 売主が作成 約1ヶ月~3ヶ月

付帯設備表とは、売却する不動産に残す設備や家具などを記載した書類を指します。
置いていくモノの数や状態、不具合などを全て記載します。

また、告知書は買主を守るためにあらかじめ伝えておくべきことが記載された書類です。
具体的には、以下のような点について記載します。

    告知書に記載する具体例

  • 雨漏りなど居住そのものに影響を与える事項
  • 周辺の下水処理場などの嫌悪施設の有無
  • ガスや電気の供給について
  • 損害賠償や違約金、免責事項について

これらは媒介する不動産会社の書式に合わせて売主が作成するのが一般的です。
はじめて作成する場合は時間がかかる恐れもあるので、1ヶ月~2ヶ月程度の余裕を持って準備することが大切です。

引き渡し時に必要な書類


最後に不動産の引き渡し時に必要な書類を紹介します。

それぞれの入手方法など、詳しく解説します。

登記済権利書(登記識別情報)

不動産の引き渡し時には、まず登記済権利書または登記識別情報が必要です。
不動産の所有者であることを証明するための重要な書類であり、不動産を引き渡し時の所有権移転登記を行う際に法務局へ提出します。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
登記済権利書 平成18年よりも以前に不動産の所有権の移転登記をした場合に発行される不動産の権利書 所有権取得の登記完了時に法務局より発行
登記識別情報 平成19年以降に不動産の所有権の移転登記をした場合に発行される書類 売主が作成

登記済権利書と登記識別情報はともに再発行できません。
万一、紛失した場合は売買による名義変更の登記申請の際に、法務局から登記申請に間違いがないか事前通知が届き、発送日から2週間以内に署名押印して返送する必要があります。

紛失しても売買自体は可能ですが、手続きが増えてしまうため注意しましょう。

土地確定測量図・境界確認書

不動産の査定には、土地確定測量図と境界確認書も必要です。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
土地確定測量図 隣接地所有者と立ち合いの元、測量会社によって発行される 確定測量図がない場合は、調査と発行が必要 測量が必要な場合、1ヶ月~4ヶ月程度
境界確認書 ・隣接地との境界を示した書類
・登記簿謄本や土地確定測量図に記載があることが一般的
記載がない場合は、土地家屋調査士や測量士に依頼する 測量が必要な場合はおおむね3ヶ月

土地確定測量図や境界確認書は、どちらも隣接する土地の所有者との境界を証明する書類です。
一般的には不動産の取得などに際して、売主から引き継がれます。

しかし、代々続く土地などの場合は、周りとの境界が曖昧なままのケースもあり、土地確定測量図などが未作成なケースも多くあります。

不動産売却後のトラブルを防止するためにも、土地の売却時には売主に境界明示義務があるため、隣地との境界を買主に示すことが必要です。

境界が未確定の場合は測量士や土地家屋調査士に依頼して、土地確定測量図や境界確認書を作成しなければなりません。

固定資産評価証明書

引き渡しの際に、固定資産評価証明書は固定資産税の精算などを行う目的で求められます。
固定資産税はその年の1月1日に不動産所有者に対して課される税金です。

該当年の途中で所有者が変わった場合は、不動産の売主と買主で契約を取り交わし、精算方法を決めるのが一般的です。

具体的な取得方法などは、以下を参考にしてください。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
固定資産評価証明書 ・不動産にかかる固定資産がわかる書類
・固定資産評価額から物件の価格設定を行う
・固定資産がある市区町村の窓口や郵送
・自治体によってはマイナンバーカードを使用してコンビニ取得も可
・窓口やコンビニは即日
・郵送は1週間~2週間程度

住民票

所有権の移転登記には住民票も必要になるので、以下の方法であらかじめ用意しましょう。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
住民票 所有権移転手続きに必要 各地方自治体の窓口やコンビニ交付 即日

住民票は取得してから3ヶ月以内のものを用意することが必要です。
取得があまりにも早いと正式な書類として手続きできないため、取得時期は適宜調整してください。

なお、住民票の取得手続きは200円~300円の手数料がかかります。

実印と印鑑証明書

土地所有者本人が契約手続きを行った証として、実印と印鑑証明書も必要です。
以下の方法で事前に用意しておきましょう。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
印鑑証明書類 申請者や契約者が土地所有の本人であることを証明するために必要な書類 各地方自治体の窓口やコンビニ交付 即日

一般的には印鑑証明書の発行には、住民票同様200円~300円程度の手数料がかかります。

抵当権抹消書類

ローンが残っている家を売却する際には抵当権抹消書類を用意して、抵当権がない状態で売却することが一般的です。

抵当権とは金融機関が融資する際に土地などの不動産を担保にすることを指し、住宅ローンを組む際に設定されているケースが多くあります。

不動産の売却を行う際は以下の方法で抵当権を抹消し、証拠となる書類の提出が必要です。

書類名 内容 取得方法 取得にかかる期間
抵当権抹消書類 売却不動産の抵当が抹消されたことを証明する書類 必要書類を揃えて法務局に申請する 1ヶ月~2ヶ月

具体的には、以下の書類を借り入れしている金融機関や自分自身で用意して法務局に申請を出します。

    金融機関から受け取る書類

  • 解除証書・放棄証書など
  • 抵当権設定契約書
  • 登記識別情報
  • 委任状(金融機関の印鑑があるもの)

    自分で用意する書類

  • 認印
  • 身分証明書
  • 収入印紙(不動産1つにつき1,000円)

たとえ住宅ローンを完済している物件であっても、抵当権が抹消されていないケースもあるので注意が必要です。
ローンを完済しているので抵当権が行使されることはありませんが、抹消手続きを行わない限り記録としては残り続けるため、忘れずに抹消手続きしましょう。

その他の書類

不動産の引き渡しには、上記の他に以下のような書類の提出を追加で求められるケースもあります。

    引き渡しに必要なその他の書類

  • 物件の管理規約
  • マンションの議事録

また、上記以外にも不動産会社によって必要な書類は変わるものです。
書類を用意する際には、事前に不動産会社に必要書類を確認しておくのが最も確実です。

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