4LDKのマンションはほかの間取りと比べ成約件数がかなり少ないため、売れないと言われることがあります。
しかし、必ずしも売れないわけではありません。
4LDKでも売却は可能であり、条件のよいマンションであれば売れる可能性は十分あります。
この記事では4LDKのマンションが売れないと言われる理由や、売るためのコツなどについて解説します。
4LDKのマンションで人気の間取りも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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4LDKのマンションが売れないと言われる理由
レインズマーケットインフォメーションのデータによると、1年以内に東京都の5区で成約した物件は2K/DK/LDKで1,435件、3K/DK/LDKで593件。一方、4LDKは14件のみでした(2023年7月12日時点)。
成約件数だけを見ると、4LDKはほかの間取りよりも極端に売却例が少ないことがわかります。
4LDKのマンションは元々の数が少ないという点はありますが、面積が大きく売却価格が高いほど売り手が見つかりにくいことは事実と言えるでしょう。
そのほかにも、次の3つの理由で4LDKのマンションは売却が難しいと言われます。
子育て世帯が減少しているから
子育て世帯が減少しており、4LDKのマンションの需要が低下しています。
4LDKはファミリー層を主なターゲットにした間取りです。
しかし、厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2022年の調査で初めて子育て世帯が全体の20%を切りました。
出生率も2022年に最低数を記録し、1975年の第二次ベビーブームの半数以下です。
今後も出生率は下がると予測されており、子育て世帯も減少していくと考えられます。
価格が高いから
価格が高くなりがちであることも4LDKのマンションが売れにくい理由の1つです。
国土交通省の土地総合情報システムで調査したところ、東京都の全市区町村におけるマンションの成約価格(2022年度第四四半期)は次のとおりでした。
- 2DK・2LDKの平均取引価格:約5,640万円
- 3DK・3LDKの平均取引価格:約5,980万円
- 4DK・4LDKの平均取引価格:約6,280万円
上記のとおり、4LDKのマンションの価格はほかの間取りより数百万円高くなります。
少子化の需要減も影響し、広いマンションは物件探しの際の選択肢から外されてしまうケースが多いでしょう。
一戸建てと競合するから
4LDKのマンションは、一戸建てと競合することも売却の難易度が高い理由と言えます。
セキュリティの高さや管理の楽さなどを考えてマンションを選ぶ場合もありますが、似たような広さであれば一戸建てを選ぶ人もいるでしょう。
4LDKのマンションはもちろん売れる例もある!
4LDKのマンションには売れにくい要素があるものの、実際には不動産売買が行われています。
「売却は難しいのではないか」「購入すると後悔するのではないか」と心配されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、4LDKのマンションの購入を検討されている人や、すでに住んでいる人にとって心強いデータがあります。
この章では、4LDKのマンション売却に関するデータを紹介します。
成約数は10年で大きく変化していない
4LDKのマンションの成約数は、ここ10年で大きく変化していません。
少子化により子育て世帯は減少していますが、それ以外の世帯が購入しているのが要因と考えられます。
たとえば、近年のコロナ禍によりリモートワークが増加し、仕事部屋を設置しなければいけなくなった共働き世帯が該当するでしょう。
ほかにも、都心回帰により郊外の一戸建てから都心のマンションに移り住んだが、部屋のサイズを維持したい夫婦世帯などが考えられます。
4LDKのマンションをとりまく事情は変動していますが、一定の需要があり成約件数は大きく変わっていません。
中部や近畿は比較的成約の割合が高い
4LDKのマンションは中部・近畿で比較的成約の割合が高いというデータがあります。
2021年首都圏の中古マンション成約件数のうち、4DK・4LDKが占める割合は6%です。
しかし、中部の4DK・4LDKの成約件数は約20%、近畿では11%と、ほかの地域では割合が高い傾向にあります。
国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、2020年時点の単身世帯の割合は東京が50.2%と突出して高い数値です。
愛知は36.3%、大阪は41.8%です。
このような理由もあり、首都圏よりも中部、近畿では4LDKのマンションが売れやすくなっているといえます。
4LDKのマンションの売却ターゲット
4LDKのマンションを売るには、ターゲットを絞るのが売却への第一歩です。
売却するときの主なターゲットは、次のとおりです。
ファミリー層・子育て世帯
ファミリー層・子育て世帯は4LDKのマンションのターゲットになります。同様に、これから子どもが生まれる可能性がある夫婦にも需要があるでしょう。
単身世帯や高齢夫婦世帯の場合4LDKは広すぎて、購入のターゲットになりません。
仕事部屋・趣味部屋が欲しい人
近年は、リモートワークやおうち時間での趣味の広がりにともなって、仕事部屋・趣味部屋が欲しい人が増えていると考えられます。若者夫婦世帯を中心に4LDKのマンション購入をする人が増えています。
若者夫婦世帯はファミリー層・子育て世帯よりも4LDKのマンションを購入するケースは少ないものの、近年は室内利用の意識変化により購入する方が増えてきています。
このように以前は4LDKのマンション購入を検討しなかった世帯が、ターゲット層に入っています。
和室が欲しい人
4LDKのマンションには、他の広さにはなかなかない和室が付いていることがあります。
株式会社プラネットの調査によると、7割弱が「家に和室が欲しい」と回答しており、和室があることで、ほかの間取りとの差別化を図ることが可能です。
4LDKのマンションを売るためのコツ
4LDKのマンション売却にはコツがあり、コツを理解することがスムーズな売却につながります。
まずは信頼できる不動産会社を選ぶことや、不動産会社と相談して適切な価格設定にすることが非常に大切です。
次のような点もポイントなので、以下で詳しく紹介します。
内覧の前に家をきれいにしておく
中古マンションを売却する際、特に重要となるのが内覧時の印象です。物件の見た目がきれいであることは、売却を円滑に進めるための鍵となります。
特に、浴室や洗面台、トイレ、キッチン、そしてレンジフードなどの水回りは頑固な汚れがこびりつきやすいため、注意が必要です。
清掃が不十分な場合、買い手は物件の価値を疑問視し、値引き交渉を持ちかけられやすくなる可能性があります。
どうしても落ちない汚れがある場合は、ハウスクリーニングの利用を検討すると良いでしょう。
ホームステージングの利用を検討する
内覧時の印象をさらに良くするためには、ホームステージングを利用するのも一つの手です。
ホームステージングとは、プロに室内におしゃれな家具や小物を配置の配置を依頼して、モデルルームのような空間にする手法です。
欧米では中古不動産を売却するときには、必ずと言っていいほど利用されています。
室内がおしゃれに整っていると、内覧者の購入意欲が高まって早期売却につながるでしょう。
また、ホームステージングした写真をホームページに掲載すると、問い合わせが増加するという調査結果が出ています。
日本ホームステージング協会の「ホームステージング白書2022年」によると、実施者の79%が「ホームステージングを実施した物件の問い合わせが増えた」と実感しています。
ホームステージングだけでなく、室内の整理整頓やニオイの除去など、基本的な清掃も欠かさないようにしましょう。
適切な不動産会社を選ぶ
4LDKのマンションの売却には、築年数や物件の状態だけでなく、適切な不動産会社の選択が重要です。また、不動産会社には、担当者によって対応力が異なるため、できるなら実績豊富で誠実な担当者を選ぶことが理想でしょう。
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4LDKのマンションで人気の間取り
4LDKのマンションにおいてどのような間取りが人気なのかを理解し、ターゲットを絞ることも売却のポイントです。
この章では、人気の間取りを紹介していきます。
各部屋に収納スペースがある
各部屋に収納スペースがある4LDKは人気です。
収納スペースが多いほど、スペースの広さで競合する一戸建てとも差別化できます。
近年は玄関横のシューズインクローゼット(SIC)やウォークインクローゼット(WIC)、居室と居室の間にありどちらの部屋からも入れるウォークスルークローゼットが人気です。そのほか、共用部分にトランクスペースを備えたマンションもあります。
キッチンからリビングが見える
キッチンからリビングが見える4LDKは、ファミリー層・子育て世帯に人気があります。
対面キッチンであれば、家事をしながらリビングで遊んでいる子どもの様子を見られます。
同様に、壁に接しておらず島のように配置されたアイランドキッチンも、子育て世帯をターゲットにした4LDKと相性がよいキッチンです。
主寝室と子ども部屋が離れている
主寝室が各居室と離れている4LDKは人気です。
主寝室と各居室が近い場合、就寝中に物音が気になってしまうことがあります。
とくに子ども部屋が主寝室に接していると、走り回る音などがしてしまい寝られないこともあるでしょう。
逆に、主寝室で仕事などをする場合は、子ども部屋に音が聞こえるということも起きかねません。
主寝室と各居室が離れているほうが生活しやすくなる傾向があります。
コミュニケーション重視ならリビングアクセスタイプ
リビングアクセスタイプとは、各部屋に行く際にリビングを通過しなければいけないタイプの間取りです。
リビングアクセスタイプのリビングにいると、各部屋に向かう子どもの顔を必ず確認できます。
顔を合わせれば会話も増え、コミュニケーション重視の人に向いた間取りといえます。
まとめ
4LDKのマンションは成約件数が多くありませんが、決して売れないわけではありません。
売却するためには、まずは信頼できる不動産会社・担当者に仲介を依頼することが必要です。
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