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1LDKのマンションが売れない理由と資産価値を下げずに売るコツ

1LDKのマンションが売れない理由と資産価値を下げずに売るコツ

「1LDKのマンションから住み替えたいが、売り出しても買い手がつかず売れない」
「資産価値を下げずに1LDKのマンションを売り切りたい」

1LDKのマンションを所有している方の中には、このような悩みを抱えている方もいるでしょう。

また「1LDKのマンションは売却しづらい」との噂を聞いたことがある方もいるかもしれません。

実際には1LDKのマンションも、他の間取りの物件と同様に工夫次第で売却することは可能です。

本記事では、1LDKのマンションが売れないといわれる理由や、資産価値を下げずに売るコツを解説します。記事の後半では、どうしても売れないときの対処法も紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

1LDKのマンションが売れないのは本当?


1LDKのマンションが売れないと噂されることもありますが、事実は違います。

1LDKのマンションは、2LDK・3LDKに次いで供給量が多い間取りです。平米あたりの単価や、契約戸数は他の間取りと比較して高い水準にあります。

つまり、「1LDKのマンションは売れない」というのは噂に過ぎず、一定の供給量・契約数があることから売買物件としての需要が認められているため、適正価格であれば成約を期待できると考えられます。

1LDKのマンションの供給数

株式会社不動産経済研究所が発表した「首都圏新築分譲マンション市場動向2024年12月」によると、間取り別の新築マンションの供給戸数は、以下の通りです。

間取り 発売戸数 発売戸数の割合
(小数第三位以下切り捨て)
契約戸数 契約率
(小数第三位以下切り捨て)
1R・1K
1DK 10 0.17% 10 100%
1LDK 486 8.35% 385 79.21%
2DK 16 0.27% 16 100%
2LDK 976 16.77% 667 68.34%
3LDK 4,119 70.78% 2,524 61.27%
4LDK 212 3.64% 103 48.58%

※参考:首都圏新築分譲マンション市場動向2024年12月|株式会社不動産経済研究所

上の表を見ると、全発売戸数のうち2LDKが約17%、3LDKが約71%とほとんどを占めています。1LDKが占める割合はおよそ8.35%で、2LDKと3LDKに次いだ発売戸数となっています。

また、1LDKマンションの発売戸数は486戸で、そのうち契約戸数は385戸であり、契約率は約79%であることがわかります。

1LDKは2LDK・3LDKと比較して流通は少ないものの、契約率が高い傾向にあることがわかります。

1LDKのマンションの売買相場

1LDKのマンションの売買相場について、以下の表を見てみましょう。

間取り 件数 割合 ㎡単価
(万円/㎡)
価格
(万円)
専有面積(㎡)
ワンルーム 1,486 4.1% 77.07 1,882 24.41
1DK・1LDK 6,188 16.9% 98.15 3,993 40.68
2DK・2LDK 10,212 27.9% 88.39 5,502 62.25
3DK・3LDK 16,576 45.3% 64.85 4,743 73.14
4DK・4LDK 2,088 5.7% 49.31 4,563 92.56
5DK・5LDK以上 45 0.1% 30.15 3,660 121.42

参考:年報マーケットウォッチ2023年・年度 1.首都圏住宅・土地の売買 2.物件属性 間取り 表17 中古マンション|公益財団法人東日本不動産流通機構

これは、公益財団法人東日本不動産流通機構が発表した、首都圏で成約された中古マンションに関する間取り別の資料です。

2023年のデータでは、成約のあった1DK・1LDKの平均価格は3,993万円です。表からもわかる通り、㎡単価別では1DK・LDKマンションが最も高い水準となっています。

同資料のデータにもあるように1DK・1LDK、2DK・2LDKなどの間取りのマンションについては、東京23区内に集中しており、特に単身者やDINKsのなかでは立地の良い都心の物件が人気を集めています。

1LDKのマンションは誰が買う?売却物件としての需要

1LDKのマンションは、主に30代以上の独身世帯やDINKs(Double Income No Kids:共働きで子供をもたない夫婦)がメインの購入者となっています。

30代〜40代になると、家賃を払い続けながら住み続けるのではなく、将来的なことも考え資産として不動産を所有することを検討する方が増加します。

DINKsのように夫婦だけの生活の場合には、部屋の広さよりも通勤等への利便性の良さを重視される方も多く、都市部の1LDKを選択される方が多くなっているのです。

また、子育てが落ち着いたシニア世帯にとっても1LDKマンションの需要が一定数あり、これまで住んでいたマイホームを売却し、都市部のバリアフリーに対応した物件や周囲に医療施設や生活必需品を購入できる商業施設が充実している利便性の高い物件を購入するケースもあります。

さらに、1LDKは賃貸の人気が高いことから、投資目的でも購入されています。投資用マンションに多いワンルームや1Kでは、メインの入居者が就職や結婚、転勤を機に引っ越しする可能性が高い学生や若い世代となりますが、1LDKの物件では金銭的に余裕のある単身者や共働き世帯がメインとなるため、賃貸物件として貸し出した時に入居者が長期間住み続けてくれることが期待できます。安定して家賃収入が得られやすい上、退去時に必要なハウスクリーニング、新たな入居者探しにかかるコストが軽減できるというメリットがあります。

特に首都圏では、貸し出しをすると契約に結びつきやすいため、資産形成をしたい投資家からの成約も見込めます。

1LDKのマンションが売れないといわれる3つの理由


一定の需要と供給があるにも関わらず、なぜ1LDKのマンションは売れないといわれるのでしょうか。3つの理由を見てみましょう。

それぞれの理由を解説します。

1.ファミリー層・40代夫婦のニーズに合わないため

マンション購入者の多くを占めるファミリー層や40代夫婦のニーズに合っていないことが、1LDKのマンションが売れないといわれる原因の一つとして挙げられます。

国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査」によると、2020年4月から2021年3月にマンションを購入した世代は、分譲マンションでは30~40代が多く平均年齢は44.3歳でした。

中古マンションでも30~40代が多く平均年齢は46.4歳で、いずれも平均年齢は40代となっています。この年齢になると、子育て中のファミリー世帯やミドル世帯の夫婦が多くの割合を占めます。

参考:令和3年度住宅市場動向調査報告書|国土交通省
しかし1LDKは、ファミリーで住む、あるいはミドル世帯が悠々と暮らすにはやや狭く、広さの面で候補に挙がらないことが多いのでしょう。

ファミリー世帯や40代の夫婦には、育児をしやすい間取りや、暮らしに余裕がもてる2LDKや3LDの間取りに人気が集まりやすいことから、1LDKマンションは売れないというイメージにつながったと考えられます。

2.20代夫婦・若い単身者は賃貸派も多いため

年齢が上がるにつれて、徐々に広い部屋へ住み替えていくのが一般的です。先述の通り、40代以降の世帯になれば、2LDK以上のような広い間取りを選ぶようになっていきます。

一方で、1DKや1LDKに住むのは20代夫婦や若い単身者が多くなります。こうした層では、マンションを購入する資金の余裕がなかったり、ライフスタイルが変わりやすかったりする理由から、持ち家よりも賃貸を選びがちです。

つまり、持ち家として所有を望むケースは限られていることが、1LDKは売れないといわれる由縁であるとも考えられるでしょう。

全国宅地建物取引業協会連合会の「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」によれば、2020年度の調査結果で持ち家派が74.5%、賃貸派は25.5%となっています。

ところが20代に限定すると、持ち家派が53.3%、賃貸派は46.7%となり、賃貸派の人気が高いことが示されています。

参考:9月23日は不動産の日「不動産の日アンケート」住居の居住志向及び購買等に関する意識調査|全国宅地建物取引業協会連合会

3.売却しづらいイメージをもつ人もいるため

マンション購入者や購入検討者の声を見てみると「1LDKマンション=売却しづらい」とイメージを持つ人も一定数いるようです。

<1LDKに対する世間の声>

  • 購入してまで住む人は少ない、購入するなら2LDK以上が良い
  • 結婚して夫婦で住むとなったときに狭くなる
  • 売りたくても売りづらい
  • ニーズが限られている上に、ターゲット層は財力不足

1LDKのマンションは、賃貸収入を目的とした投資物件として、投資家から人気があることから、他の間取りと同等の契約率で売却が成立しています。

しかし、「マンションの購入=居住のため」との印象が、一般消費者には強くあります。ライフステージによって住み替えの可能性が高くなる1LDKは売却しづらいというイメージにつながるのでしょう。

また、契約率は同等であっても、2LDKや3LDKと比べて1LDKの需要と供給の全体数はどうしても少なくなります。

周囲で2LDKや3LDKのマンションを購入する人は多くても、1LDKを購入する人は少ないことから、1LDKは売れない印象を抱かれやすいと予想されます。

1LDKのマンションの資産価値を下げずに売るコツ5つ


1LDKのマンションの資産価値を下げずに売るコツを解説します。売却の対策として、以下5つのポイントを押さえて工夫してみましょう。

それぞれのポイントを解説します。

1.ハウスクリーニングをおこなう

販売活動中には、購入希望者が内覧に来ることがあります。

できれば、内覧の前にハウスクリーニングをおこないましょう。ハウスクリーニングで見た目が綺麗になれば、物件の印象アップにつながります。好印象を与えられると売却に成功する可能性も上がります。

クリーニング費用の相場は以下の通りです。

クリーニング場所 相場の目安
キッチン 1.5万円〜2万円程度
レンジフード 1.5万円〜2万円程度
浴室 1.5万円〜2万円程度
洗面所 1万円程度
トイレ 1万円程度

1LDKは2LDKや3LDKほど広さがなく、クリーニングにかかる料金もさほど高額になりません。積極的に検討してみましょう。

また、部屋全体まで手を加えなくても、水回りやトイレなど、気になる箇所のみクリーニングを依頼してみても良いでしょう。

2.ターゲット設定を見直す

1LDKが売れない場合、ターゲット層を見誤っている可能性があります。

先述の通り、1LDK購入のメインターゲットとなるのは単身者や二人暮らしのカップル・夫婦、投資家などです。このような層が求めているニーズを考え、売却活動に活かしましょう。

例えば、単身者や二人暮らしのカップル・夫婦であれば、アクセスの良さやショッピング施設、飲食店などの住環境の充実がアピールにつながります

不動産投資家向けの物件として売り出す場合は、エリアを絞らず広範囲に向けて売り出すことで買い手がつくかもしれません。

所有する物件が投資向きであれば、収益性や周辺エリアの家賃相場とあわせて価格を出すことで、購入者の購買意欲を掻き立てられるでしょう。

3.部屋が広く見えるように工夫する


購入検討者の中には、「1LDKは狭いのではないか」「2LDKにしたほうが良いのではないか」と懸念する人もいるかもしれません。

こういった不安を払拭するために、内覧の際は部屋を広く見せる工夫もしましょう。特に自身が住み続けながら売却活動をおこなう場合は、家具などをすっきりさせることで広々とした印象になります。

空間を広く演出するには、できるだけ背の低い家具や、シンプルなインテリアでレイアウトを整えるのがポイントです。

部屋に物が多い場合は、トランクルームなどの収納サービスを利用するのもおすすめです。

4.丁寧に内覧・問い合わせの対応をする

1LDKは、2LDKや3LDKほど頻繁に取引がおこなわれるわけではありません。相対的に見て購入希望者数も少ないため、内覧や問い合わせの対応には丁寧に接するようにしましょう。

スケジュール調整や内覧当日の対応に配慮するのはもちろんのこと、購入希望者が不安を抱えている場合は、売主が直接対応することで些細な懸念も解消されやすく、印象が良くなるかもしれません。

最近ではオンライン内覧やVR内覧も注目を集めているので、積極的に取り入れてみることを推奨します。

このように、内覧希望者の要望にはできるだけ応えるように心がけしましょう。場合によっては値引きを求められることもあるため、あらかじめ許容範囲を設定しておくのも一つです。

内覧時の対応や事前準備のポイントについては以下の記事で詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

関連記事:家を高く売却したい!準備から内覧当日まで対策のコツを解説

5.信頼できる仲介会社に相談する

マンションの売却結果は、仲介会社の力量によっても大きく変わってきます。

1LDKの中には売却が難しい物件もあるため、ターゲットや売り方を熟知し、しっかりサポートしてくれる会社に依頼するのがおすすめです。

すでに売却中の物件がなかなか売れない場合は、仲介会社を変えてみるのも一つの手段です。口コミや様々な情報を参考に、信頼できる仲介会社や担当者に相談してみましょう。

関連記事:家を売るならどこがいい?不動産会社の選び方とおすすめ業者5選

アドバイスをもらいながらしっかりと物件を売却したい方には、三菱地所リアルエステートサービスが提供する「TAQSIE(タクシエ)じっくり売却コース(仲介)」がおすすめです。

「TAQSIE(タクシエ)じっくり売却コース(仲介)」では、エリアと売却理由をもとに、選りすぐりの3名の仲介担当者をご提案します。豊富な経験をもつ質の高い仲介担当者とマッチングできるので、納得した上で売却を進めたい方にぴったりです。


1LDKのマンションが売れないときの対処法3つ


1LDKのマンションが売れないときの対処法を解説します。

1.売り出し価格を下げる

早期の売却を優先したい場合、売り出し価格を下げることが効果的です。

ただし相場よりも価格を下げすぎてしまうと、かえって安すぎることが原因で「何か問題があるのでは?」と購入検討者の疑念につながる可能性もあります。

値下げをおこなう場合は、近隣エリアの競合物件などをリサーチし、市場を把握した上で適正価格で売り出すことを心がけましょう。

2.売却を止めて賃貸に出す

販売中の1LDKがなかなか売れない場合は、売却を止めて賃貸で収入を得る方法もあります。

1LDKのターゲット層となる若手世代は賃貸派の割合も高いため、賃貸用として貸し出せば居住希望者が現れるかもしれません

独身者や新婚世帯が住んでくれる可能性もあり、売却するよりはハードルが低くなるでしょう。

ただし、住宅ローンの支払いが残っている場合は、不動産投資ローンに切り替える必要があります。不動産投資ローンの金利は2025年1月時点で1%中盤〜2%後半(平均2%前後)で住宅ローンより金利が高いため、資金繰りに問題ないか注意が必要です。

3.買取サービスを利用する

一刻も早く1LDKのマンションを手放してしまいたい場合は、不動産の買取専門サービスで引き取ってもらうのも良いでしょう。

不動産買取サービスとは、リフォームやリノベーション等で付加価値を加えて再販売する不動産会社に、物件を買い取ってもらうサービスのことです。

一般の個人に向けた売却活動をおこなう必要がないため、すぐに買い取ってもらえる点が買取サービスの大きなメリットです。

少しでも早く売りたい場合は、「TAQSIE(タクシエ)スピード売却コース(買取)」をおすすめします。

3日以内に大手不動産会社3社から買取価格が提示されるので、スピーディに売却を進められます。

関連記事:家を高く、早く売る方法。意外と知らない「買取」による売却という選択肢

1LDKのマンションが売れないときは「TAQSIE」に相談しよう

1LDKのマンションは、2LDKや3LDKと比較すると買い手が少なく売りづらいと感じる方もいるかもしれません。

買い手がなかなか見つからない方は、ぜひ一度「TAQSIE(タクシエ)なっとく提案売却コース(仲介)」をご利用ください。条件にマッチした選りすぐりの仲介担当者3名の中から、もっとも良いと感じた提案を選ぶことが可能です。

価格よりも早期売却を優先する場合は、「TAQSIE(タクシエ)スピード売却コース(買取)」をご利用ください。大手不動産会社による迅速な対応のもと、スムーズに売却を進められます。

1LDKのマンションも、売り方や物件価格、仲介会社次第で売却することが可能です。本記事で紹介したポイントを押さえて、できるだけ価値を落とさず売却しましょう。

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