家の建て替えを検討するにあたって、どれくらいの費用がかかるのか知りたい方もいるでしょう。
家の建て替え時には、建築費用だけでなく電気・ガス工事費や地盤調査費なども発生します。思いがけない費用が生じて困らないためにも、必要となる費用の種類や相場を把握しておくことが重要です。
本記事では、家の建て替えにかかる費用の相場について解説します。
- この記事を読むと分かること
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- 家の建て替えにかかる費用の内訳・相場
- 家の建て替え時に活用できる補助金
- 家の建て替えをする前に確認すべきポイント
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家の建て替えにかかる費用の内訳・相場

家を建て替える際には、以下のような費用がかかります。
- 本体工事費
- 付帯工事費
- 家の解体費
- 地盤調査費・地盤改良費
- 諸費用
それぞれの費用相場を把握しておきましょう。
本体工事費
本体工事費とは、建物本体の建築費用です。国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査」によると、家の建て替え(本体工事費・付帯工事費・諸経費の合計)にかかる平均費用は5,745万円です(※)です。
本体工事費は、建て替え費用全体の7割が目安とされていることから、本体工事費の相場は約4,000万円と考えられます。
また、同調査によると、家の建て替え時の平均延床面積は約41坪(136.3㎡)です。そのため、一坪あたりの相場は98万円程度と考えられます。
上記の坪単価をもとに計算した場合、20坪・30坪・40坪それぞれの本体工事費の目安は以下のとおりです。
坪数 | 本体工事費 |
---|
20坪 | 約1,960万円 |
30坪 | 約2,940万円 |
40坪 | 約3,920万円 |
本体工事費は、使用する建材や導入する設備の変更によって調整できる場合もあります。
(※)「令和5年度住宅市場動向調査」(国土交通省)
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付帯工事費
付帯工事費とは、電気やガス、給排水などの工事にかかる費用です。建物本体以外の工事にかかる費用です。
付帯工事費は、家の建て替え費用全体の2割が目安とされています。家の建て替えの平均費用が5,745万円(※)であることから、1,150万円程度かかると考えておくとよいでしょう。
(※)「令和5年度住宅市場動向調査」(国土交通省)
家の解体費
現在住んでいる家の解体にも費用がかかります。解体費は、家の構造によって異なります。
家の構造 | 1坪あたりの解体費 |
---|
木造 | 3~5万円 |
鉄骨造 | 4~7万円 |
鉄筋コンクリート(RC)造 | 5~8万円 |
解体にかかる費用は、家の構造だけでなく立地によっても変わります。たとえば、隣接する家との距離が近い場合は、隣家の損傷を防ぐための対策をしなければならないため、追加の費用が発生します。
また、解体する家の周辺道路が狭く重機が入れない場合も手間が増えることから、通常より費用が高くなる傾向です。
地盤調査費・地盤改良費
地盤調査費とは、土地の地盤の強さや性質を調べるためにかかる費用です。調査の結果、地盤に問題があった場合は、地盤を強化するための地盤改良工事が必要になり、別途費用が発生します。
地盤調査費の相場は3~5万円です。地盤改良費は、工事の方法によって異なりますが、仮に30坪の土地を改良する場合の費用相場は、100万~200万円程度です。
工事車両が侵入できない場合は、人力で資材を搬入することになり手間がかかるため、費用が高くなります。
諸費用
諸費用には、登記や税金など工事以外にかかる費用が該当します。諸経費の主な内訳と費用の目安額は以下のとおりです。
費用の種類 | 目安額 |
---|
印紙税 | 1万〜3万円 |
登録免許税 | 4万~15万円 (建物の固定資産税評価額・借入額により異なる) |
不動産取得税 | 10万~100万円 (建物の固定資産税評価額により異なる) |
司法書士報酬(登記費用) | 5万~10万円 |
住宅ローン関係費用 | 借入金の2〜3%程度 |
火災保険・地震保険料 | 2万~8万円 |
諸費用の相場は、建て替え費用全体の5~10%程度であることが多い傾向です。建て替えにかかる費用全体の平均が5,745万円(※)であることから、少なくとも300万円程度はかかると考えられます。
(※)「令和5年度住宅市場動向調査」(国土交通省)
家の建て替えとフルリフォームはどちらが安い?

一般的には、家の建て替えよりもリフォームのほうが費用を抑えられる傾向にあります。家の建て替え・フルリフォームにかかる費用の目安は、以下のとおりです。
項目 | 目安額 |
---|
建て替え | 約5,700万円 |
フルリフォーム | 350万~2,000万円 |
フルリフォームとは、柱や梁(はり)などの家の基礎となる部分だけを残し、その他の部分をすべて改修することです。基礎の部分を流用できる、廃材を少なくできる、などの理由から建て替えよりも費用を抑えられる傾向にあります。
ただし、基礎部分が老朽化している場合は、補修が必要となり追加で費用が発生します。そのため、劣化が激しい場合は、建て替えの費用とさほど変わらないこともあるため注意が必要です。
また、1981年6月以前に施工された家、いわゆる旧耐震基準で施工された家は補修が必要となる可能性が高いので、費用が高額になるかもしれません。
建て替えとフルリフォームのどちらが適しているか判断に迷う場合は、専門業者に相談するとよいでしょう。
家の建て替え時に活用できる補助金

家の建て替えをする際、築年数や導入する設備によっては、補助金や助成金を受けられる可能性があります。後になって使える補助金があったと後悔しないためにも、事前に調べておくことが大切です。
受けられる補助金や助成金の種類は、自治体によって異なりますが、以下のようなものがあります。
名称 | 概要 |
---|
ZEH補助金 | ・太陽光発電や省エネ給湯器など環境に配慮した設備を導入することで受けられる補助金 ・要件を満たすことで最大90万円の補助金を受給できる |
解体費用助成金 | ・老朽化している住宅を取り壊した際に受けられる助成金 ・20万~100万円の助成金を受給できる |
ブロック塀解体補助金 | ・一定の要件を満たすブロック塀を解体する際に受け取れる補助金 ・10万~20万円の補助金を受給できる |
補助金・助成金制度の要件や金額は、自治体ごとに異なります。詳細は各自治体のホームページで確認しましょう。
家の建て替えをする前に確認すべきポイント

家の建て替えをする前には、以下のことを確認しておきましょう。
- 建て替えができる土地か
- 建て替え中の仮住まいの費用はいくらかかるか
それぞれの内容について解説します。
建て替えができる土地か
建て替えを検討する際は、自分の土地が建て替え可能であるのかを確認しましょう。土地によっては、法律の制限により家の建て替えができないケースがあるからです。
建築基準法により、幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地は、再建築が認められていません。(※)。そのため、再建築不可の土地であった場合、家を解体すると新しく家を建てられなくなってしまいます。
自分の土地が再建築不可の場合、リフォームへの切り替えや新たに土地を購入して家を建てるなどの対策が必要になります。
一度家を取り壊してしまうと取り返しがつかないため、自分の土地に接している道路がせまい場合は、建て替えができる土地かどうかを事前に調べておくとよいでしょう。
(※)「建築基準法」(デジタル庁)
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建て替え中の仮住まいの費用はいくらかかるか
建て替え中の仮住まいの費用を把握しておきましょう。仮住まいにかかる費用は、場所や期間によって大きく異なります。仮に、東京で2LDKのマンションに6ヶ月間住んだ場合、150万円程度かかります。
内訳 | 費用の目安 |
---|
家賃 | 90万円(15万円×6ヶ月) |
共益費(家賃の5~10%) | 4.5万円 |
敷金(家賃の1ヶ月分) | 15万円 |
仲介手数料(家賃の1ヶ月分) | 15万円 |
火災保険 | 1万円 |
鍵交換などの諸費用 | 3万円 |
引っ越し費用(2回分) | 20万円 |
合計 | 148.5万円 |
建て替えにかかる平均期間は6~8ヶ月ですが、場合によっては1年を超える場合もあります。そのため、仮住まいの費用を計算する際は、家の建て替えにかかる工期を不動産会社や施工業者に確認しておきましょう。
家の建て替えに必要な費用を把握し無理のない計画を立てよう
家を建て替える際には、建物の施工に関わる費用以外に解体費や地盤調査費など、さまざまな費用がかかります。
国や自治体では、家の新築・解体に関する補助金や助成金の制度を設けています。家の建て替えを計画する際は制度の利用も検討しながら、無理のない計画を立てることが重要です。
家の建て替え費用の負担が大きくなる場合は、現在の家を売却して住み替えるのも選択肢の一つです。家を売却する場合は、専門家に相談するのがおすすめです。「TAQSIE(タクシエ)」では、大手不動産会社84社の中から豊富な売却実績をもつ担当者を3名紹介いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
三菱地所リアルエステートサービス 新事業推進部
「不動産売却マスター」編集長
【保有資格】宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、衛生管理者、ファイナンシャルプランナー3級
2008年入社。人事部門で福利厚生制度などの企画運営、住宅賃貸部門でタワーマンション営業所長、高級賃貸マンション企画などを経て、2018年より経営企画部で主に事業開発を担当し、複数の新規事業立上げに従事。2020年度三菱マーケティング研究会ビジネスプランコンテスト最優秀賞受賞。「TAQSIE」では初期構想から推進役を担い、現在もプロジェクト全般に関わっている。
「不動産の売却に特化した情報を発信する『不動産売却マスター』編集部です。不動産の売却や買取をスムーズに進めるポイントや、税金、費用などをわかりやすく解説します」