築20年のマンションというと「古い」「売り時を過ぎた」と考える人も多いかもしれません。しかし実は、現在の中古マンション市場で買い手のニーズと最も噛み合いやすいのは、築20年前後のマンションにほかなりません。新築価格の高騰と住宅ローン金利の上昇で買い手の予算に限りがあるなか「手が届く価格」かつ「広く、質のいい物件」への需要が高まっているためです。
そこで本記事では、築20年前後のマンションが売り時といえる理由と、売却を有利に進めるための選択肢を解説します。
- この記事を読むと分かること
-
- 新築・築浅の価格高騰と金利上昇で、価格・品質・広さのバランスがとれた築20年前後のマンションに買い手の需要が集まっている
- 相場価格は築25年を境に大きく下落するため、築20年前後は資産価値の面でも売却の分岐点にあたる
- 住み替え前提なら、価格と引き渡し時期が確定する「買取」も有力。仲介と両方の条件を比較して判断したい
家を売りたくなったらタクシエ
その高い査定額、
本当に売れる価格ですか?
査定額と実際の売却価格には、
大きな差が出ることがあります。
登録完了後、
売却前に知っておきたい
「失敗しない家の売り方」ガイドを限定公開しております。
築20年前後のマンションは買い手が求める条件と合致しやすい
新築マンションの価格高騰が続くなか、買い手の予算には金利上昇という制約も加わっています。2025年の首都圏新築分譲マンションは、発売戸数が2万1,962戸と1973年以降の最少を更新する一方、平均価格は9,182万円と過去最高を記録しました。供給が絞られ、価格が上がり続ける新築マンションは、多くの方にとってすでに手の届かない存在になりつつあります。
また、新築に手が届かない層の需要が築浅の中古マンションに向かい、その価格も押し上げられています。2025年の首都圏中古マンションの平均成約価格は、築0〜5年が8,666万円、築6〜10年が8,201万円。築浅の中古マンションもいまや新築に迫る価格水準です。
さらに日銀の利上げに伴い住宅ローン金利は上昇しており、同じ月々の返済額で借りられる金額は以前より縮小しています。こうしたなか買い手が求めているのは「手が届く水準で一定の品質を備えたマンション」です。この条件に当てはまりやすいのが、築20年前後のマンションです。
買い手の手が届きやすい価格水準
不動産経済研究所・東日本不動産流通機構のデータを基に作成
前述のとおり新築マンションの平均価格が9,000万円を超えるなか、首都圏における築16〜20年の中古マンションの平均成約価格は6,709万円、築21〜25年は6,075万円。新築との差は2,000万〜3,000万円にのぼり、買い手の予算と折り合いやすい水準です。
実際、売り出された物件のうちどれだけ成約したかを示す「対新規登録成約率」は、築16〜20年が2024年の26.7%から2025年には32.8%へ、築21〜25年も23.2%から32.1%へと大きく上昇しており、築20年前後のマンションに需要が流れ込んでいることがデータからも読み取れます。
品確法後の竣工。一度目の大規模修繕も完了
築20年前後のマンションは、2000年4月の住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)施行後に竣工したマンションです。新築住宅の売主には10年間の瑕疵担保責任が義務づけられ、住宅性能表示制度も整った後の物件であり、築20年といっても構造や仕様の面で「古さ」を感じさせにくいのが特徴です。
また、大規模修繕工事はおおむね12〜15年周期で実施されるため、築20年前後のマンションの多くは、すでに一度目の大規模修繕を終えています。外壁や共用部が改修され、修繕の実績と履歴が確認できる状態であれば、買い手にとって「管理がきちんとされているマンション」という安心材料になります。
専有面積は全築年帯で最も広い
近年、資材価格や地価の高騰を背景に、分譲マンションの狭小化が進んでいます。2015年まで首都圏新築分譲マンションの平均専有面積は70㎡を超えていましたが、2025年の平均専有面積は66.97㎡にとどまります。
一方で、2000年代はゆとりのあるファミリー向けの間取りも豊富に供給されていた時代です。現に、2025年に成約した中古マンションの平均専有面積は築16〜20年が67.68㎡、築21〜25年が70.56㎡と、全築年帯のなかで最も広くなっています。築0〜5年の60.33㎡と比べると、その差は約10㎡。専有面積は古ければ広いというわけでもないため、築20年前後の「ゆとり」はそれ自体が強力なセールスポイントになります。
東日本不動産流通機構のデータを基に作成
売主側も築20年前後で「節目」を迎える
築20年前後のマンションが動きやすいのは、買い手のニーズだけが理由ではありません。新築から20年前後は、売主も節目を迎えやすい時期です。
購入から20年も経てば、家族のかたちは変わります。子どもが独立して部屋が余っている。夫婦2人には3LDKや4LDKは広すぎる。それでも、使っていない部屋の分まで住宅ローンを払い続けている……そんな状況に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
住まいそのものも、築20年前後は節目のタイミングです。給湯器やキッチン、浴室、トイレといった住宅設備の寿命は、一般的に15〜20年程度が目安とされます。この時期を境に交換や修繕が重なりやすく、住み続けるなら水回りを中心としたリフォームにまとまった費用がかかるタイミングです。「リフォームにお金をかけて住み続けるか、その費用を住み替えに回すか」を考える機会としても、築20年前後はちょうどよい節目といえます。
設備が古くても、リノベーション前提の買い手や買取再販会社にとっては大きなマイナスになりにくく、売主が事前にリフォームする必要も基本的にありません。20年前に比べて価格水準が大きく上がった今、購入時より高く売れるケースも少なくなく、売却益を住み替えの資金に充てることも十分に考えられます。
資産価値の面でも「築20年前後」は分岐点
東日本不動産流通機構のデータを基に作成
築年数と価格の関係を見ても、築20年前後は売却の分岐点にあたります。
2025年に首都圏で成約した中古マンションの平均価格は、築16〜20年が6,709万円、築21〜25年が6,075万円。築25年までは、5年ごとの価格の下落が1割前後にとどまっています。ところが築26〜30年になると4,286万円と約3割下落し、築31〜35年では2,638万円と、そこからさらに約4割下がります。緩やかだった減価は、築25年を境に一気に急勾配になるのです。
築20年前後は、まさにこの「急な下り坂」の手前の築年帯です。もちろん、築30年、40年のマンションが売れないわけではありません。ただ、価格が大きく下がる前に売却できれば、手元に残る金額も住み替えの選択肢も大きく変わります。「まだ住めるから」と数年先送りするかどうかで、結果が最も分かれやすい築年帯といえるでしょう。
住み替えなら「買取」という選択肢も
マンションの売却方法は、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」のほか、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」があります。住み替えを前提とした売却では、とくに買取が有力な選択肢になり得ます。
仲介での売却は高い金額での成約を狙える一方で「いつ、いくらで売れるか」が確定しません。売り出してから成約までの間は内覧対応が続き、住み替え先の購入時期も決めづらくなります。売ると決めたのになかなか売れず、計画そのものを見直すことになるケースもあります。
買取であれば、価格と引き渡し時期が契約時点で確定します。内覧対応は不要で、仲介手数料もかかりません。買い取られた不動産はリノベーションして再販されるため、買取後の工期等によっては、引き渡しの時期や条件について柔軟に相談できるケースもあります。売却代金を確定させたうえで、落ち着いて住み替え先を探せることは、大きな安心材料になるでしょう。
買取価格は仲介での想定成約価格より低くなるのが一般的ですが、中古マンションへの需要が高まった近年は、買取市場も活性化しています。「買取は安い」という従来のイメージだけで選択肢から外さず、仲介と買取の両方の条件を比較したうえで判断することをおすすめします。
▶「第二の大井町」はどこか。買取再販業者が注目する東京近郊エリア
築20年前後のマンション売却は「今」が好機
新築や築浅に手が届きにくくなった今、品質・広さ・価格のバランスがとれた築20年前後のマンションは、買い手から求められやすい築年帯です。一方で、築25年を境に相場価格は大きく落ちていきます。暮らしの節目と市場の追い風が重なる今は、売却を考え始めるのに適したタイミングだといえるでしょう。
あなたのケースにあった
ご成約者の声を見てみる
絞り込む