アパートの売却を検討されている方に向けて、成功のための重要なポイントと具体的な手順をご紹介します。 アパート売却では、築年数や入居率、周辺環境の変化など、物件の価値に影響を考慮する要素を総合的に判断することが重要です。
また、正しい売却タイミングの見極め方から、具体的な売却手順、必要な費用まで、アパート売却に関する実践的な情報を詳しく解説していきます。
- この記事を読むと分かること
-
- 売却に適したタイミング
- 売却の流れ
- 売却時にかかる費用の目安
売却に適したタイミングはいつ?

アパートの売却タイミングは、収益性と市場状況を考慮して慎重に判断する必要があります。以下のポイントを確認することで、最適な売却タイミングを見極めることができます。
【アパート売却タイミングの判断目安】
- 周辺環境の変化
- 築年数
- アパートの入居率
- 家を購入してからの所有期間
これらの要素を総合的に判断することで、ベストなタイミングでの売却が可能となります。特に、不動産市況が上昇傾向にある時期や、大規模修繕の前などは、売却を検討する良いタイミングといえるでしょう。
周辺環境の変化を捉える
アパートの資産価値に影響を与える周辺環境の変化を的確に捉えることは、売却タイミングを判断する上で重要な要素となります。
【周辺環境の変化チェックリスト】
- 新駅の開発計画
- 大型商業施設の出店
- 道路拡張工事
- 企業の進出・撤退
- 学校の新設・統廃合
- 再開発事業の計画
- 人口動態の変化
これらの環境変化は、物件価値に大きな影響を与えることがあります。特に、利便性が向上する開発計画がある場合は、売却を少し待つことで価値上昇を見込める可能性もあるでしょう。
また、反対に過疎化が進んでいる場合には資産価値が落ちる可能性があるため、空室の状況や過去数年の傾向を確認して売却の検討をするといいでしょう。
築20年以内の物件は需要が高い
築年数は買主の判断基準として非常に重要な要素となります。特に築20年を境に、需要や売却価格に大きな差が出る傾向があります。

このように、築20年〜25年を超えると売却件数が減少傾向にあることがわかります。そのため、大規模修繕のタイミングと合わせて、築20年前後までの売却を検討することをお勧めします。
アパートが高稼働の時は売却がしやすい
満室で稼働しているアパートであれば、買い手は全入居者から家賃収入が得られる状態で引き渡されるため買い手にとって大変魅力的です。
また、過去数年の空室状況なども確認されることがあるかと思いますが、入居率が高い状態を維持できていれば、収益物件としての評価も高まる傾向にあります。
高稼働で順調な時に売却というのは悩まれるケースが多いですが、築年数や物件の状態などを考慮してタイミングを探ってみてはいかがでしょうか。
所有から5年以内の売却時のデメリット
不動産の短期売却には税制面で大きなデメリットがあります。特に所有期間が5年以内の場合、譲渡所得に対する税率が上がり、売却益が大きく目減りする可能性があります。
【所有期間による税金の違い】
区分 |
税率 |
所得税 |
住民税 |
復興特別
所得税 |
短期譲渡所得 5年以内 |
39.63% |
30% |
9% |
0.63% |
長期譲渡所得 5年超 |
20.315% |
15% |
5% |
0.315% |
例えば、1,000万円の売却益が出た場合、5年以内の売却では約396万円の税金が発生しますが、5年超の売却では約203万円となり、約193万円もの差が生じます。
約20%ほどの税率が変わるため売却タイミングとしては5年を超えてからがいいでしょう。
売却の流れ5ステップ

アパートの売却は、準備から完了まで通常2~6ヶ月程度かかります。スムーズな売却のために、以下の流れを把握しておくことが重要です。
【アパート売却の基本ステップ】
- 査定依頼を出す
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 物件を売り出す
- 売買契約を結ぶ
- 決済と引き渡しを実施
1. 査定依頼を出す
アパートの売却を決めたら、まずは不動産会社に査定を依頼し、「査定額」を出してもらいましょう。査定額とは、「いくらくらいで売却できそうなのか」を予想した価格のことです。1社だけではなく、複数の不動産会社に査定を依頼して査定額を比較することで、アパートの売却相場が見えやすくなります。
そのため、査定は1社だけでなく、複数の不動産会社に依頼することをおすすめします。
不動産会社による査定は通常無料で行われ、オンラインでも依頼できます。査定時には、建物の築年数、立地条件、設備の状態、賃貸状況など、さまざまな要素が考慮されます。また、近隣の取引事例や市場動向なども査定額に影響を与える重要な要素となります。
査定を依頼する際は、大手不動産会社だけでなく、地域密着型の不動産会社にも依頼することをおすすめします。地域密着型の不動産会社は、その地域の不動産市場に詳しく、より正確な査定額を提示できる可能性があります。また、実際の売却時にも地域特有の事情を踏まえた適切なアドバイスをもらえることが多いでしょう。
なお、査定額は不動産会社によって異なることがありますが、これは各社の持つ情報や経験、営業方針などの違いによるものです。最終的な売却価格を決める際の参考として、これらの査定額を総合的に判断することが重要です。
2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
安心して売却を任せられる不動産会社が決まったら、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約とは、仲介を依頼する不動産会社と売主の間で結ぶ契約のことです。この媒介契約によって、不動産会社は売主に対して「売却成立に向けて努力して活動すること」、売主は不動産会社に対して「売却が成立したら報酬を支払うこと」を約束します。
不動産会社に仲介を依頼して売却するには、媒介契約が必須です。媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。どの媒介契約でも支払う仲介手数料は一定ですが、契約の内容はそれぞれ異なるので契約時にメリット・デメリットを把握しておきましょう。
それぞれの媒介契約には特徴があり、売主の希望や物件の状況に応じて最適な契約を選択することが重要です。一般媒介契約は、複数の不動産会社に依頼できる、最も自由度の高い契約形態です。
一方、専任媒介契約と専属専任媒介契約は、一社のみに売却を依頼する契約です。ただし、不動産会社は指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられているため、広く販売活動を行うことができます。
また、不動産会社から定期的に売却活動の報告を受けることができるため、売却状況を把握しやすいというメリットもあります。
なお、媒介契約の契約期間は通常3ヶ月です。必要に応じて更新することも可能です。契約期間中に売却が成立しなかった場合でも、仲介手数料は発生しません。
3. 物件を売り出す
不動産会社と媒介契約を結んだら、実際にアパートを売り出すために売却活動を行います。
インターネットやチラシなどでの広告・宣伝 問い合わせの対応、買主の内覧対応、売却活動は基本的に不動産会社に任せることになりますが、事前にアパートのアピールポイントをまとめて不動産会社に伝えておいたり、空室や共有部分をきれいに掃除しておくと、買主へ良い印象を与えられる可能性もあります。
また、売却活動時に不動産会社とのコミュニケーションをしっかりとることが重要でしょう。例えば、内覧の希望があった際の連絡方法や、立ち合いの要否について事前に取り決めておくと、スムーズに対応することができます。
4. 売買契約を結ぶ
売却活動を経て買主が見つかったら、売主と買主の間で「売買契約」を締結します。
売買契約では、「買主が売主に購入代金を支払うこと」「売主が買主に物件の所有権を移転すること」を約束します。売買契約では、買主から売主へ手付金が支払われます。手付金の金額は、一般的に売却価格の5~20%で、契約解除や契約不履行に対する賠償金としての役割を持ちます。
売買契約を結ぶ流れは以下のとおりです。
- 買主との条件交渉
- 必要書類の準備
- 重要事項の説明
- 売買契約の締結
- 手付金と仲介手数料の支払い
売買契約を結ぶ前には、必ず重要事項説明書の内容を十分に確認しましょう。重要事項説明書には、物件の法的規制や契約条件、設備の状態など、取引に関する重要な情報が記載されています。
買主は説明を受けた後、内容を理解し、承諾したことを証明する書面に署名及び捺印をする流れになるでしょう。
また、契約時には、売買代金の支払い方法や引き渡し時期、固定資産税などの精算方法についても明確に取り決めておく必要があります。特に、既存の賃貸借契約がある場合は、その取り扱いについても具体的に契約書に記載しておくことが重要です。
売買契約締結後は、残金決済日までの間に、所有権移転登記に必要な書類の準備や、建物の引き渡し準備を進めていきます。
5. 決済と引き渡しを実施
決済・引き渡し当日には、売主・買主双方の代理人である不動産会社や司法書士が立ち会うことがほとんどです。売主は用意するべき書類や持ち物をよく確認して、当日の手続きがスムーズに進行するように準備をしましょう。
また、物件の鍵やセキュリティカード、設備の取扱説明書、管理規約なども引き渡す必要があります。
必要書類と持ち物リスト |
<売主が用意する持ち物一覧>
・ 実印・認印
・ 写真付き本人確認書類
・ アパートの鍵
・ 抵当権抹消にかかる費用
・ 仲介手数料
・ 司法書士への報酬金 |
<売主が用意する必要書類一覧>
・ アパートの登記済権利証または登記識別情報通知
・ 印鑑登録証明書
・ 住民票
・ 固定資産評価証明書
・ 買主からの入金を確認できるもの(通帳のコピーなど)
・ アパートに関する情報が記載されている書類一式 |
決済が終われば、引き渡しも終わり取引が完了します。
決済後は、不動産登記の申請手続きを行います。所有権移転登記が完了すると、買主が所有者として登記簿に記載されますが、固定資産税や管理費の名義変更手続きなども必要になります。
アパートの売却にかかる費用の項目

アパートを売却する際には、様々な費用が発生します。これらの費用を事前に把握し、適切に準備することで、スムーズな売却が可能となります。
【売却時の必要経費】
費用項目 |
概算金額 |
仲介手数料 |
・400万円超
「成約価格(税抜) × 3% + 6万円 」+ 消費税
・200万円超~400万円以下
「成約価格(税抜) × 4% + 2万円」 + 消費税
・200万円以下
「成約価格(税抜) × 5%」 + 消費税 |
抹消登記費用 |
数千円程度 |
印紙代 |
200円〜60万円 |
測量費用 |
目安は30万円〜 |
譲渡所得税 |
短期譲渡所得(5年以内):39.63%
長期譲渡所得(5年超):20.315% |
司法書士への報酬 |
司法書士によって異なる |
これらの費用は物件の状況や取引条件によって変動する可能性があります。特に仲介手数料は最も大きな費用となるため、複数社から見積もりを取得して比較検討することをお勧めします。
アパートの売却を検討しているならTAQSIE(タクシエ)を登録
皆さんアパートを売却する際のイメージはつきましたか?ここまで解説してきた内容の中で重要な点を以下にまとめてみました。
【アパート売却の重要ポイント】
- 売却判断のタイミング
- 費用の事前把握
- 必要書類の準備
- 信頼できる不動産仲介会社・担当者を探す
売却を検討する際は、上記ポイントを抑えて売却をしてみましょう。
また、「信頼できる不動産仲介会社・担当者をこれから探す」という方は、ぜひTAQSIE(タクシエ)に登録をしてみてはいかがでしょうか?
TAQSIE(タクシエ)は、厳選された不動産売却のプロを紹介するマッチングサービスです。一人ひとりが、宅地建物取引士の資格はもちろん豊富な実績がある精鋭たちです。
大きな資産を託す信頼のできる不動産仲介会社・担当者を見つけたい方は、登録・相談は無料なので、お気軽にご利用ください。