一戸建ての売却戦略。事前に知っておきたいトラブルの傾向やコツ
今回、お話を伺ったエージェント
ナイス株式会社 清水 省次郎(しみず しょうじろう)さん
- 一戸建てに強い
- マンションに強い
- 土地に強い
- 交渉力
清水さんは、ナイス株式会社で仲介担当者として品川区や横浜市鶴見区で計8年ほど従事されたのち、現在は菊名店の所長職としてマネージメント業務を担当していらっしゃいます。
清水さんをはじめ、ナイス株式会社のベテランの営業職の方は、マンション・一戸建て(建売)・注文住宅、新築・中古、売主相手・買主相手、仲介・代理など、さまざまな営業スタイルを経験している方が多いそう。例えば、新築分譲マンションの販売センターの営業では、他の物件を提案することはできません。そのため物件の魅力を見つけて、しっかりと伝えて「決めきる力」が必要となるとおっしゃっていたのが印象的でした。異なるスタイルの営業経験によって営業力を強めていくことができるのは、複数の物件種別を扱う大手不動産会社ならでは。
清水さんは、自分たちこそ一番高く物件を売却することができると信じているからこそ、メンバーには他社と競合した際に競り負けてほしくないと思っているとのこと。日頃から、最終的に担当者として選んでもらえる熱意や人柄、知識をしっかり身につけてほしいと伝えていらっしゃるそうです。
\信頼できる担当者とマッチングできる! /
売却のプロを選ぶ一戸建てでもマンションでも売却活動のやり方や流れは同じですが、物件の種別ごとに気を付けるべきポイントは違います。売却する際のコツを知るために、一戸建ての売買で起こりがちなトラブルの傾向や注意点をナイス株式会社の清水さんに教えていただきました!
早速ですが、 一戸建て売却の時に注意すべきポイントを教えてください。
まず、確定測量で隣接する土地との境界を確定させることが必要です。測量が不調、つまり隣地の人と折り合いがつかず測量ができないと、買い手が現れても金融機関の融資が通らないことがあります。そのため近隣とのトラブルを避け、境界確認書にハンコをもらう必要があるのです。
境界線がはっきりしていない場合、日頃の隣地とのお付き合いも大事になってくるのですね。マンションの売却時にはなかなか発生しないトラブルですね。
戸建ては、隣地、周辺住民とのトラブルがマンションに比べれば多いでしょうね。
例えば、ガスや水道管が他の家の敷地に越境していないかを確認する必要もあります。調べてみた結果、越境している場合は通行掘削に承諾してもらわないといけません。
また、お隣がゴミ屋敷とか、周辺に明らかに変わった人が住んでいる、近隣に反社会的勢力の施設があるなどの場合は、契約前に買主様にお伝えするようにもしています。
お隣さん問題は難しいですね。周辺に変わったご近所さんがいると言うことも、ちゃんと伝えてもらえれば買主としては、事前に知ることができて納得感が高まると思います。一方で売値にも響いてくるネガティブ要素になりえるため、売主は仲介担当者へ正直に話さないことはないのですか?
買主様は長く住むのが前提なので、当然、周辺にどんな方が住まわれているかは気にされます。それを隠して売却しても、実際に住んでからトラブルになりかねないので、きちんと売主様にヒヤリングし、把握するようにしています。何かあれば、話していただけるように売主様の信頼を得ることも大事です。
あとは、それぞれの自治会にはルールがあるので、例えばゴミ置き場の場所とか、自治会費がいくらとか……。自治会長様の連絡先を伺って、私達からお話を聞くこともあります。
そこまで対応していただけると、買主としては安心ですね!
仲介担当者はトラブルを未然に防ぎ、スムーズに対応するためのなんでも屋だと思っています。家を売却する理由はひとそれぞれですので、売主の事情ごとに最適な手段を提案していきたいです。
確かに、家を売却する理由は人によって全く異なりますよね。中にはネガティブな理由なども……。
おっしゃる通りです。秘密重視な場合や、とにかくスピード重視、相続関係、部屋が片づけられない方の売却など、ケースバイケースですね。
部屋が片づけられない方の売却はどのように対応するのですか?
いろいろ提案はさせていただきますが、最終的には、業者買取ですね。
売却時に売主様にお願いしたいのは、生活感のあるものを置かないことです。洗濯物など日常生活感が出てしまうものは、写真撮影や内見の時には置かないようにお願いしています。お部屋が片づけられない方はどうしても売却に影響が出ます。率直に意見をお伝えしても、手が付けられない場合は、業者買取を提案することもあります。残置物もそのまま売ってしまうという選択肢です。ただ、残置物に大事なものがあったとしても戻ってこないですが……。
住まい売却に相続が絡んでくるケースは、いかにもトラブルが起こりそうですね。
そうですね、トラブルは起こりやすいです。
必要とあれば折衝もやります。そもそもお金がなく、相続するための費用が払えない場合は、借りられるローンを紹介することもあります。
少し話は変わりますが、同じマンション内での売却事例が複数あるマンションと比べ、一戸建ては査定がしにくいのではと思います。価格に納得感を持たせるためにやっていることはありますか?
エリア内や東横沿線で、似たような条件の一戸建てを参考にします。弊社は実績が多く、基本的は相場感があるので、大きくぶれず算出はできます。
物件の立地条件によっては査定時に注意が必要な場合もあります。東横線沿線で言うと、山や坂が多いエリアなので、がけ崩れや雪崩の心配がある土地や、救急車などの緊急車両が通れないような狭い道路に接していて、建築基準法にひっかかる土地などです。土地の造成や擁壁を作る必要が出てくれば別途費用がかかり、査定に影響します。このコストはケースバイケースで変動が大きいので、経験値が豊富な方がより正確に査定できます。エリアでの経験が豊富にあるからこそ、売主様にも納得いただける査定ができていると思います。
一戸建ての場合、建物や設備の老朽化などによるトラブルもあると思います。安心した取引を実現するためにどのようなことを行われていますか? やはり、築年数が古いと売りにくいこともあるのでしょうか?
ケースバイケースですが、築年数が古く建物の老朽化が激しい場合は、土地として売却を目指します。逆に築浅で、そのままで問題がない、築20年くらいの建物。壊す前提にするには惜しい物件の場合は、インスペクションを実施しています。インスペクションにより修繕すべき箇所を特定した上で、リフォーム費用も踏まえた値付けをすれば、買主様にも納得して契約してもらうことができます。
実際、年配の売主様を担当した際、入居中にインスペクションを行い、補修工事をサポートしたことで売却できたケースもあります。ご高齢になり階段が負担で、住み続けるのがつらいことが理由の売却でした。家に多少の不具合はあるけれど、売主様としては直さなくていいと思っていらしたのですが、半年以上経っても売却できなかったので、そこを説得して実施しました。長いお付き合いになったからこそ、「ありがとう」と言っていただけたのがうれしかったです。
一戸建ての売却における注意点を理解することができました!豊富な経験があるからこそ、御社にお願いすれば、最適な提案をいただけそうだと感じました。 本日は、ありがとうございました!
【清水省次郎さんの担当エリア】
横浜市港北区、横浜市緑区(仲介)横浜市緑区(買取)
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