子育てファミリーの住み替え・住まい探しのコツとは?

今回、お話を伺ったエージェント

住友林業ホームサービス株式会社 河田 麻由(かわだ まゆ)さん

賃貸営業を経て不動産売買部門へ移り、育休・産休を挟み、子育てをしながら、吉祥寺、荻窪等、都内西側エリアを中心に不動産仲介歴20年以上。エリアの特性上、一戸建ての経験が豊富。


家を買うときは「この土地に建てたい家を建てられるか」が大事なので、土地を売るときでも建物とワンセット。住友林業グループの総力を活かし、設計の打ち合わせを設定し、総額見積もりを出した上で、土地購入の話を進めていくことが多いそうです。売って終わりではなく、設計の打ち合わせや挨拶、建物完成時まで顔を出すと伺い、河田さんのようにサポートしてくれる人が担当だったら買主として心強いだろうなと感じました。

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子育てファミリーの住み替えの場合、駅からの距離、価格、広さ、日当たりなど諸条件以外に、子どもを育てやすい環境なのかという点も検討項目に入ってくるでしょう。以前、「相続不動産の売却をスムーズに進める方法」についてお話を伺った住友林業ホームサービス株式会社の河田さんに、今回は子育てファミリーの住み替えについて伺ってみました。ご自身も2児の母である河田さんに、子育てファミリーならではの住み替えのコツや注意点を座談会形式で教えてもらいました!

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子育て中のお母さんである仲介担当者さんに会うことがあまりないので、河田さんに子育てファミリーの住み替えについても聞きてみたいと思っていました。母ならではの視点が住み替えに生きることはあると思うんですがいかがですか。

他社も含め、業界的に子育てをしながら営業をする女性の営業マンは少ないでしょうね。昔に比べると増えた印象もありますが、出産の壁で途切れてしまう方も多いと思います。

そもそも傾向として、女性は物件を選ぶポイントが男性と違います。家事動線や収納力など、実際の生活をイメージして考えるので、より具体的です。一方、男性は、資産性や面積、駅までの距離など、もう少し大枠を気にするイメージです。
私は担当しているお客様の注文住宅の初回の打ち合わせに同席するようにしていますが、女性はそれまでの経験量から具体的に暮らしをイメージできるので、「洗濯はここでして、洗濯物を持って上がって、ここに干す」など、アイデアの引き出しが豊富。一方、男性は、自分の書斎・秘密基地的なスペースとお風呂にこだわりがあり、それさえあればなんでもという方が多いです。設計に関してはほぼ奥様が決めるというご夫婦も多いです。こだわりがなく、設計の打ち合わせに一度も出てこなかった旦那さんもいらっしゃいますね。

また、環境に関するところでも、スーパーマーケットはどこを使うのか、学校や駅までがどんなルートなのかなどを気にされるのは主に女性です。特に、物騒な世の中なので、日々歩くルートは大事だと思いますし、担当営業からそういうワードが少し出るだけでも女性は安心します。ご主人はあまり心配されないこともあるので、私も女性目線、ママ目線で奥様に寄り添ったアドバイスなどができるように心がけています。
例えば、子育てファミリーを案内するときは、学校や駅までのルートについて具体的にお伝えするようにしています。歩道がない道路や、車の抜け道を歩く場合、子どもが車と接触する危険性を感覚的に拾って懸念点があればお伝えします。子どもが小さい頃は、突然飛び出すことを心配しますし、小学校になって子どもだけで歩くようになっても、危ない道は心配です。子どもがどんな道を歩くことになるのかという視点は大事です。

その男女の違い、わかる気がします。本日は、その女性目線、ママ目線でお話を伺っていきたいと思います。まず、子育てファミリーの場合、どういうタイミングでの住み替えや購入が多いのでしょうか?

一概には言えないですけれども、お客様を見ていると、第一子が未就学児の間に小学校入学を見据えて検討されることが多いと思います。保育園や幼稚園に入れる場合、待機児童の問題が出てきますから、親の物理的な大変さはありますが、お子さんにかかる負荷は少ないように感じます。待機児童問題も多少緩和されてきて、23区近郊は以前よりは入りやすくなっている印象です。人間関係が出来上がる前に「新しい保育園に来た、新しいおもちゃある!」という感じで慣れてしまうのが楽と考える方が多いです。
もちろん、仕事上の都合で、子どもの年齢に関係なく引っ越しせざるをえないケースはありますが、小学校に入ってからの転校は、自治体によって学習頻度やスピードが違ったり、同じ区内でも学校によって力を入れてるところが違ったりするので、お子さんには学習面での負担もあります。さらに高学年になってくると、人間関係的な問題も発生しやすく、親の心配事は増えそうです。
たまに同じ学区内で引っ越したいというケースもありますが、範囲が狭い中でタイミングよくいい物件が出てくるかは難しい。ご希望の物件を探すように努力しますが、学区内の不動産探しは、仲介担当者としてはつらいですね。

子育てファミリーは学区を気にする方が多いでしょうね。

皆さん、学区の評判や規模などは気にされますね。人気な学区というのはインターネットなどでも調べることができますが、実際には、学年ごとに雰囲気が多少違ったりもするので、リアルタイムで通わせている方の情報に勝るものはありません。売主様にお子さんがいるようなら事前に聞いておきますし、売主様がわからないようであれば、近隣の方に聞き込みをすることもあります。このエリアで検討していましてと飛び込みに行って、名刺を渡して、地域のルールや学校の評判を聞いてきます。特に、今まで学校に関してネガティブな経験があって気になる買主様の場合、学区が購入の決定打となる重視ポイントなのであれば、そうやって少し手間をかけることで安心していただけるのかなとも思いますので。

そこまでしてもらえると買主としては安心感ありますね。あとは子どもの習い事なども気になります。子どもがある程度の年齢になったときに自分で通える距離に習いごとが揃っていると便利だなとか。

習い事は意外と盲点で、あとから気づくことが多いですよね。さらにその先に受験塾などの話が出てきます。高学年になったら遅くまで塾に通うことになるが、最寄り駅に塾や予備校が無く、送り迎えが大変とか。でも、いろいろ求めたくなる気持ちはわかるのですが、その家に20年、30年住むというスパンで考えると、気にされていることがその中の数年間だけのことというのも多いんですね。我慢すればいいとは言わないんですけども、できるだけ揃えられるようにしつつ、100%完璧な物件ってお金出したからあるってものではないので、ご家族の優先順位はどこですか?っていうところは伺うようにしています。「何が優先事項か」「何が外せないか」「何が絶対にいやか」を、必ず初回面談でヒヤリングし、絶対にそこはぶれないようにすることを心掛けています。大事にしているポイント、価値観、感覚のすり合わせが大事で、それが出来ていないと、一番的確な物件をご紹介できないですし、せっかく仲介担当者に話してもあんまり通じないなと思われると信頼関係を損なうことになってしまうので、痒い所に手が届く担当者でいたいです。

確かに希望を全部叶えるのは無理ですものね。

なんでも一長一短、表裏一体なんですね。
角地とか南道路の希望が多いですけれども、設計的に言うと、南道路って道路が目の前にあると部屋の中が丸見えなんです。南面に玄関分の面を取られ、窓を1つ潰すことになるというデメリットもあります。
先ほどの歩くルートの話も、表裏一体で、閑静な住宅街というのは、夜は静かですが、真っ黒なところを歩くことになる可能性はあるわけです。最近、物騒ですので、夜道が怖くないかというのも大事で、お子様が高校生や大学生のお年頃になって、夜10時、11時と遅い時間に歩くことを想定に入れないといけない。大きい通りから1本入っただけ、とか意外と抜け道で夜も人通りがあるから大丈夫ですよというちょっとした解決策もお伝えするようにしています。
もちろん、閑静な住宅街が好きな方もいらっしゃいますし、夜道をどう感じるか感覚の差はあると思いますが、それでも気になった場合は「夜はちょっと静かかもしれませんね。」と、一応お伝えします。お客様のお好みなので、正解はないですが、家を買うということは、箱を買うだけではない。周りの環境も含めて買うということなので、リスクヘッジはしておきます。

間取りや部屋数などはどうですか。そもそもマンションか一戸建てかなど…。部屋数を考えると一戸建てがいいと考える方もいらっしゃいますか?

お子さんの性格にもよりますが、子どもが騒ぐ音で近所に迷惑をかけないかが気になって一戸建てにと言われる方も多いです。
一方、マンションの利便性もあって、親が共働きしてる小学生が1人で帰ってきて、留守番するとなるとマンションのセキュリティはメリットになります。これもやっぱりメリットデメリットだと思うんですね。

部屋数は、どんな家族スタイルをイメージするかにもよりますね。個室を将来的に持たせるか?あと、お子さん方の性別ですね。男の子女の子だとこれはある程度の年頃になったらわけてあげた方がいいだろう。とか話が出てきますね。

最近は小学生のうちはダイニングテーブルでお勉強させるケースも多いです。お母さんが夜ご飯の準備をしている脇で宿題をやらせて、疑問点があれば教えてと、コミュニケーションを取りながらやるので、個室が必要になるのは早くても小学校高学年ぐらい。受験するなら、4年生くらいからという感じですね。

よくお子さんに日当たりのいい部屋をと考える方も多いですが、日中ほとんどいないですし。学校が終わったあと、塾で勉強して、帰ってきて、夜寝るだけの部屋にそんな日当たりのいい部屋を与えなくても、ベッドと机が置ければいいっていう考え方もあります。
勉強部屋というか子供の部屋が必要なのって、数年で、そんなに長く使わないんですね。子どものうちは、広い子供部屋をDINOS家具おいて、分けられる。で、独立したら取っ払って広く一部屋にできる、みたいにフレキシブルに使えるのが主流です。

お子様との関係を、親も完全独立で欧米式みたいに、という方もいらっしゃいますし、〇歳まで家族4人で川の字で寝る、という方もいらっしゃいます。どれがいいとか、どれが正解とも思わないので、イメージされている形に合わせていきます。

家庭のライフスタイルや家族構成によっても重視ポイントは変わってきそうですね。

そうですね。駅から近い、スーパーマーケットに近いという利便性を重視する方や、小学校から急に「〇〇を用意してください」と言われることがあるので、百円均一ショップやコンビニエンスストアが近くにあることがマストという方もあれば、静かで公園があって、落ち着いた住環境を希望する方もいる。駅から多少遠くても、子ども優先で小学校までの距離重視の場合もあります。あと、奥様が割と車で動かれるご家庭だったら駅から離れていてもいいと言われる。

本当にライフスタイル次第で、正解がないですね。
設計の打ち合わせで、いろんなご家族の考え方を聞き「なるほどね。こういう考え方でそれか」と勉強になります。それが自身の経験量とか引き出しの多さになってくると思うので、役得です(笑)。ご家族ごとにスタイルがあって、色んなお客様のいろんな考え方が聞けるのはこの仕事の楽しいところだと思っています。

子育てファミリーが家を売るときの話も聞きたいのですが、小さい子どもがいる家だと、子どもの情報も知られたくないし、何度も内覧があるのは、負担に感じます。なにか解決策はありますか。

不動産は今の住まいの近くで探される方が多いので、下手すると同じ学区内でバッティングしてしまう。家の中を見せるのは嫌ですよね。これは、極端な例ですが、どういう人がどういう目で見てるかわからないっていう怖さがあるということはよく気をつけて、できるだけ個人情報は隠すようにしています。
写真撮影時にはなるべく荷物をダンボールにしまって、モデルハウスみたいにプロのカメラマンを入れて、写真を撮る。その段階で、個人情報がわかるものは、全部外すようにします。
そのまま、ある程度の段ボールに入れた状態で収めていただいて内見に突入していきます。

お住まい中の売却は大変で、空き家にしてから売る方が楽な場合もありますが、資金計画によっては、銀行の条件で売りと買いを同時進行せざるを得ないときもあります。ビジネスライクに言えば、家は一商品なので、見栄えも大事。そして買う方の目線で言えば収納などもどのぐらい量が入るか見たいから、クローゼットも開けて見たい。
難しいんですけど、どうしても良いご条件で、平たく言えば高く売って差しあげるためにも、心を鬼にして「できるだけ片付けてください。」とお願いします。

ただ、いつ内覧があるかわからない中で毎週毎週、そのたびに片づけて、きれいにするというのも奥様もストレスでしょうから、例えば内覧日を「この日とこの日の午前中空けておいてください。」と決めて、そこに向けてご案内のお客様を何組か呼び込む。お子様も、できればご主人様か奥様かどちらかお1人ご在宅いただいて、もうお1人がお子さんを公園に連れていって頂く、あるいは、この日の午前中はスイミングに行ってるから、その間にばばっと見せちゃうとかいう方もいらっしゃいますね。

部屋をきれいにするっていうのも確かに大変ですね。もし、築浅物件なのに子どもが部屋を汚していたら価格に影響がでますか?

程度問題ですが、ペットの汚れや子どもの壁の落書き、ドアや壁に穴が何個も空いているなど、あまりにも汚れていて、印象が悪く、余計な想像を膨らませるようなものは、価格も下がりますし、先にリフォームを提案することもあります。
ただ、「変えられるもの」と「変えられないもの」があると思っていて、リフォームしてクリアできるものであればそのままでいいと私は思っています。買い主様の好みもあるので、できるだけ触りたくない。
汚れたままの場合、リフォームが必要だよねとなれば当然リフォーム代の価格交渉が入ってくる、あるいは、それを想定した売買価格でスタートします。買主様を案内する際には、事前にリフォームの見積もりを用意して、壁紙を変えたらこれくらいかかりますよとお伝えできるようにもしています。

いろいろ教えていただいてありがとうございました。ママ友と話しているみたいで楽しかったです。

実は、ママ友からのご紹介で担当させていただくケースは多いです(笑)。
私自身、子どもがいない期間も長かったのでいろいろなパターンのお客様に寄り添えると思っていますが、子育てに関しては、産んでからではないとわからない部分もありました。
実際に経験すると、説得力や共感力が格段に違う。
今思うと「あのとき、こういうふうにお伝えすればよかったな」と以前の対応を見直すときもあります。
最近はハウスメーカーも「子育てと家」をキーワードにしていたりますので、家族が快適に暮らすためにも、奥様(女性)が積極的に家選びに関わっていった方がいいです。奥様が納得せずに家が決まるということはないかなと思います。

本日はありがとうございました。

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