売却したいタイミングで方法は変わるのか。想定期間別に聞いてみた

今回、お話を伺ったエージェント

大和ハウスリアルエステート株式会社 茨木 良和(いばらき よしかず)さん

  • 相続案件も得意
  • 住み替えも得意
  • 仲介実務年数20年以上
  • 仲介実績200件以上

1社目は、法律事務所にて刑事事件、債務整理、離婚、相続などの案件に携わる。その中で「(さまざまな相談ごとは)最終的に不動産に辿り着く」と感じ、金額の大きい買い物となる不動産に関心を持つ。地元東北の不動産会社に入社し、賃貸・売買・請負などに従事したのち、平成17年に大和ハウスリアルエステート株式会社に入社。仲介担当者として東北、関西、関東のさまざまなエリアを担当。現在は、同社の東京中央営業所に所属。

法律事務所に勤務していた際に学んだヒアリング力や、お客様の信頼を得る力が仲介担当者としても生かすことができているとおっしゃっていました。信頼されて、親子代々、世代を超えて担当することも多く、リピートやご紹介の度に「この仕事をやっててよかったな」と感じるそうです。

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売却のプロを選ぶ

不動産を売る理由やきっかけは人それぞれ。事情によって売却までの期日も変わってきます。売却したいタイミングによって、販売戦略が変わってくるのか。最短で売却したいケースや、とくに急いでいない売却のケース、それぞれについて大和ハウスリアルエステートの茨木さんに伺いました!

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本日はよろしくお願いします。まず、不動産を最短で売却するとしたら、売却活動を開始してからどれくらいの期間で契約できますか。期間を優先する際にはやはり買取になるのでしょうか?

最短で考えると契約まで2週間です。それは、業者買取でも一般取引でも大きくは変わりません。
一般の場合、引き渡しは大体1か月後になることが多いので、トータルで約1か月半後には取引が完了するイメージです。つまり、売主様にお金が入るのは1か月半後ですね。

買取の場合は、契約から支払いまでおおよそ2週間で可能です。今ちょうど弊社で担当している案件では、契約してから1週間後に支払いのスケジュールで進めています。
支払いをとにかく急いでいる、周囲に知られず売却したいなど、事情によっては買取を勧めることもありますが、買取価格は一般に比べてどうしても安くなります。

では、逆のパターン、たとえば、新築マンションを購入し、1年半後が入居なので、それまでに売りたいという時間があるケースの場合は、どうすればいいですか?

1年半後の引き渡しを前提に、いますぐに売り出しましょうという提案はしません。できれば引き渡し日の半年前、早めにするとしても7〜8か月前から売りに出す提案をします。不動産は、情報の鮮度が大事ですので、最初の2〜3週間が勝負。そこで反響がない場合、販売が長期化する可能性が高いです。買主様は新鮮な情報を常に集めているので、ダラダラと出していてもよいことはありません。一般的に買主様もすぐ住みたいという方が多いので、取引を終えて半年後に引き渡しの契約はできたとしても、それ以上待ってくださいというのはなかなか難しいです。

一般媒介契約で、他社さんから1年半後の売却に向けて早めに売り出したほうがいいと言われたと聞いた場合には、「まだやらないほうがいいと思いますよ」とアドバイスすることもあります。本当にその物件を売りたい業者さんもいますが、その物件を引き合いにして反響を取り、別の物件を売りたい業者さんもいます。会社さんによってそこは戦略でもありますね。

つまり、半年後の引き渡しだと「今すぐ住みたい」という買主のニーズにはマッチしないということですよね。それは価格を安くしたりすることになりますか?

値段交渉の材料になり得なくはないですが…、今の市場は値上がりの傾向が見えますので、買主様のなかには今のうちにいい不動産を押さえておきたいというマインドの方もいらっしゃいます。これが、1年も1年半も待てるかというと、そこまでは待てないという方も多いかと思うので、せいぜい半年ぐらいかなという感覚です。

引き渡しが先の物件で言うと、たとえば1年半後の引き渡しで、まだ売り出していない場合でも、弊社が担当している買主様で条件が合致するお客様がいらっしゃる場合は、水面下で案内することもあります。外に出ていない情報を好まれる方もいますので、市場に出ていない情報だからこそ条件面として1年半後の引渡しになるという提示はしやすいですね。

もうひとつ、売却までの期間が長いケースについて伺わせてください。売主のなかには、まだ売却すると決めていないが、とりあえず査定はしてみたいという方もいらっしゃると思います。その場合はどのように対応されていますか?

ちょうど最近、査定のご依頼をいただいてから、売るまで1年3か月かかったお客様がいらっしゃいます。その方は相続の関係があり、すぐに売り出すことができなかったのですが、まずは、査定金額を知りたいと早めに動いていた方でした。
他にも、「売ろうかな」と悩み始めてから、実際に売り出しを決意するまで時間がかかる方もいらっしゃいますね。
すぐ売却活動にならないケースでも、その間、寄り添いながら必要な情報を定期的にご連絡させていただいて、一緒にタイミングを図るようにしています。

さきほどの相続の関係があり、売りに出していなかったお客様から、最終的に売却をお任せいただけたのは、最初の提案資料が印象に残っていたからではないかと思っています。
市況や周辺の事例がわかりやすいように、実際のライバル物件を地図上に落した査定資料を作成しました。この売主様の場合、スタートできる時期が決まっていたので、市況を見越して1年前から少し強気の査定を出していました。実際、1年3か月後に、最初の査定とほとんど変わらない金額で売りに出して、すぐに契約が決まりましたね。

販売を開始するタイミングには、他社さんよりも早く、最初にアポイントメントを取りました。ご連絡するタイミングは、早すぎても遅すぎてもダメです。しつこいフォローをしても嫌がられる方だと思ったので、よいタイミングでご連絡することを心掛けました。
タイミングはいつも成功するわけではないですが、経験がものをいうものかもしれません。

お話を伺っていると、急いでいても、急いでいなくても「情報の鮮度を大事にする」という売却戦略は大きく変わらないのかなと感じました。情報の鮮度を上げるためにどんな工夫をしていますか?

まず、ポータルサイトなど広告に載せる情報には力を入れるようにしています。
売主様に「普段どこで買い物していますか?」「どの病院利用していますか?」「美味しいパン屋さんありますか?」「お子さんの小学校はどうですか?」と、実生活について質問をします。
具体的な生活を訴求することで、買主様にも響く告知をするよう心掛けています。
物件にも周辺環境にも一番詳しいのは売主様ですから、私たちはあくまで売主様と買主様を取り持つ、仲介役。いい取引をするために、売主様にも協力していただくということを大事にしています。

また、ポータルサイトに載せることができる写真は多くても25〜30枚。載せられる写真の数には限界があるので厳選していい写真を選ぶようにしています。もし、写真の撮影時に部屋が汚かったら、私も一緒に片付けます。
今は、邪魔なものは加工で消すという手法もありますが、やりすぎないようにしています。加工しすぎた写真を見て問い合わせしてくださった売主様が、実際の部屋を見たときに感度が落ちてしまうということがあるからです。売主様には「ものはあってもいいから、内見時にはきれいに見えるように片付けておいてください」とお願いしています。

「情報の鮮度」という意味では、最初に売り出す価格も重要になりそうです。

そうですね。売り出し価格を下げていくと売れ残り感が出るので印象は良くないです。不動産のプロとして、成約事例をよく見て、売り出したら2週間~1か月程度で契約が決まるであろう適正な値段を示すことを心掛けています。
もちろん、売主様のなかには、より高く売りたいとお考えの方もいらっしゃいます。お気持ちはわかりますので、その場合は、事前にお客様にカレンダーを見せ、売り出してから最初(1回目)の報告の日程を決めた上で、「ここまでに反響がなければ値下げしましょう」とスケジューリングしていきます。
売り出し後の最初の2週間の問い合わせの数はひとつの目安になります。通常は、2週間もすればいくつか問い合わせはあるものです。上手く取引していくためにも問い合わせの傾向を踏まえてこのままの価格でいくか、下げるかを判断すべきです。

確かに、値段が少しずつ下がっていると売れ残り感ってありますね。

実は、半分冗談で1回価格を上げたこともあります(笑)。
「反響が多過ぎて、一回売りを辞めたのだろうか?」と思わせる作戦でした。
1週間くらい情報を止めて値段をあげてみたのですが、上手くいかず、値段を戻したら、相場で売れました。
そのときは、売り出し後の反響の様子を見て、下げなくても売れるかもという感覚があったことと、遊び心を持っている売主様だったので、提案しました。
もちろんお客様によっては、ふざけた提案だと思われる方もいらっしゃると思います。お客様がどういうニーズ、動機を持っているか、また、どんなお人柄かを最初のヒアリングで見極めるのが大事だと思います。

それは、面白いエピソードですね!

最後は人です。お客様の人となりを理解しているか。どのくらいお客様のことを知ることができるか。不動産に関係ないことまで、話のネタが広げられるといいですね。

お客様の人となりや、真のニーズを理解するために、ヒアリング力が重要だとわかりました。茨木様が売主の事情をヒアリングする際に心掛けていることがあれば教えてください。

法律事務所時代に学んだ「相談の聞き方」を今、活かせていると感じています。
売ろうと思ったきっかけや動機など、事情を話したくない方もなかにはいらっしゃいます。相続や離婚など、個人的な情報でもありますので、お客様の立場で考えると簡単に話すことができないというのは理解できます。
そういうときは、共通点を探していくという作業が大事です。まずは、自己紹介シートなどを用いて自己開示をするようにしています。出身地や趣味など、取引に直接関係ないことも、まず自分について話しながら、少しずつお客様のお話を聞けるようにしていきます。

「話し上手は聞き上手」。話を聞けない人は話をするのも下手だと考えているので、とにかく「聞く」ことを大事にしています。
話の中で「こうしてほしい」と言える方ばかりではないと考えていて、隠れている本音を聞き解きたいので、じっくり時間をかけて聞きます。
また、法律事務所に勤めていたころからやっていることですが、話を聞くときは、必ずメモを取ります。
メモは複写式になっているので、最後にお客様にお渡ししています。お互いに時間を取っているので、その時間の成果を形にして残したいという思いがあります。
後日、見返していただく時間ができるのではないかと思っていて、「あのとき、こう打ち合わせしたよね」と思い出していただけるひとつのツールにもなりますね。事前に用意していく資料ももちろんありますが、それは一方的な内容なので、お客様との会話の中で、新たに発生した宿題や疑問点を明文化し、記録に残すようにしています。

メモ! 売主としても自分の話をここまでしっかり聞いてもらえたんだって感じることができそうですね! 茨木さんのユニークな経歴も合わせて、非常に楽しくお話を聞かせていただきました。ありがとうございました!

【茨木良和さんの担当エリア】
文京区, 千代田区, 中央区, 港区, 新宿区(仲介)

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