都心直通で相鉄線の注目度アップ。不動産価格上昇への期待は?
今回、お話を伺ったエージェント
相鉄不動産販売株式会社 加藤 学(かとう まなぶ)さん
- 一戸建てに強い
- 土地に強い
- 物件買取も得意
- 仲介実績300件以上
エージェント紹介:
今回、お話を伺ったエージェント:相鉄不動産販売株式会社 加藤学(かとうまなぶ)さん
新築マンション販売を経て、1994年相鉄不動産株式会社入社。以来30年にわたり相鉄線沿線の店舗で不動産売買に従事。現在は鶴ヶ峰店勤務。売主様の希望を把握し、最適な提案を行うことを重視。資金計画や売却に伴う税金のアドバイスなども精力的に取り組む。
お話を聞いてみて、豊富な知識と経験を持つベテランならではの落ち着きを感じました。売主として、安心して仲介をお願いできそうです。
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売却のプロを選ぶ相鉄線(相模鉄道)は横浜駅から海老名駅を結ぶ本線と、二俣川駅から分かれて藤沢市湘南台まで伸びるいずみ野線で構成される路線です。他社線と相互乗り入れをせず、神奈川県内のみで運行していましたが、2019年からJR線との直通運転を開始。2023年には東急東横線・目黒線と接続するなど利便性が大幅に向上しています。これまで横浜駅で働く人のベッドタウンという印象が強かったものの、近年はエリア外からも注目が高まっているようです。今回は相鉄線沿線で30年の不動産取り扱い経験を持つ相鉄不動産販売株式会社の加藤学さんに、相鉄線の今とこれからの展望を伺いました。
本日は相鉄線沿線の魅力や、不動産取引の状況についてお話を伺いたいと思います。まず、相鉄線沿線の特徴を教えてください。
相鉄線は横浜駅と郊外を結ぶ路線であり、沿線は他路線と比べ地価が安いこともあってベッドタウンとして発展してきました。特に、二俣川ー海老名を結ぶ本線沿線は高層マンションを建てるにはまとまった土地がないため、取り扱う物件は8割程度が一戸建てです。単身・DINKS向けの間取りが、売り出しとして少ないこともあり、ファミリー層が多く住み、落ち着いた雰囲気があります。一方でいずみ野線は駅前の再開発によってマンションが多く建っています。緑園都市店勤務時代の取り扱いは半々ぐらいでした。
相鉄線の駅周辺には、相鉄ローゼン(相鉄グループのスーパーマーケット)を始めとし、スーパーマーケットや商店街、飲食店など生活利便施設が整っています。住宅地として成熟している一方、いわゆる繁華街は少ないため、子育て環境を重視される方、落ち着いた生活を希望される方の人気が高いですね。私が勤務する鶴ヶ峰は「本当に住みやすい街大賞2023」で10位にランクインしました。住んでいる方の満足度も高いのだと実感しています。
周辺環境は落ち着いているものの、横浜駅に行けば何でもそろう利便性も魅力ですね。JRや東急線への乗り入れで利便性が向上したと思いますが、購入ニーズの変化はありましたか?
これまで相鉄線沿線内での住み替えニーズが高かったのですが、エリア外からの問い合わせが増えてきたと感じます。コロナで在宅勤務が増えたこともあり、横浜駅より東、川崎や都内にお住まいの方が購入されるケースが出てきました。相鉄・東急新横浜線が開通後、私も電車で新横浜駅まで移動してみて、とても便利になったなと感じています。まだ目に見えて大きな変化はありませんが、相鉄線の便利さに気付く方が増え、住もうと考える方も増えていくのではないでしょうか。
新線開通に先立ち、2019年11月に羽沢横浜国大駅が開業しましたよね。買い手の関心は高まっていますか?また、駅周辺に物件をお持ちの方に動きはあるのでしょうか。
タワーマンションや商業施設など開発計画が発表されていますので、問い合わせは出てきています。ただ開業前で足元の利便性は今ひとつのため、もう少し待とうと考える方が多いです。売却に向けた動きも鈍いように思います。今後の相場上昇を期待して待っているのではないでしょうか。2024年から駅前がにぎやかになっていきますので、将来の期待は高いです。
相鉄線は二俣川駅の再開発も進んでいますし、鶴ヶ峰駅の地下化によって渋滞が減少するなど沿線全体の発展が見込めます。
今、売却の相談にいらっしゃる方はどんな動機が多いのでしょうか?
最近は相続した家を売りたいという方が増えていますね。相鉄線は昭和30〜40年から分譲が始まり、相続しても住み続けるには古いケースが大半のため、家を継ぐよりも売る選択をされるケースが多いです。他にも、高齢になったのでマンションや老人ホームへ住み替えたいですとか、ご家庭の事情で売却される方もいらっしゃいます。
売主様によって状況は様々ですよね。売却にあたり希望の優先順位も異なると思いますが、仲介担当者として、どのようにコミュニケーションを取られていますか?
売主様によって事情や優先準備が異なりますので、お話をお聞きして最適なご提案をすることを重視しています。たとえば、売却する物件への思い入れにも差があります。築年数が古い場合、建物を壊して土地として売却するケースが多いですが、「長く住み愛着があるので、更地にはせず家を使ってくれる人に売りたいです」というお客様もいらっしゃいます。逆に、相続し、家自体に思い入れがなければ、早く高く売ることを重視されます。
売却のご相談から、売却活動を始めるまで3年かかったお客様もいらっしゃいました。高齢になり、一戸建てを売却し、マンション住まいをする方が楽だとは思いつつも踏ん切りがつかなかったのです。売主様は時間がかかっていることを恐縮してくださいましたが、こちらとしては、全く違和感はなく、大事なことなので当然だと思っていました。売却と並行して住み替えのお手伝いもしていましたが、いきなり住み替えるマンションを買うのはハードルが高いので、賃貸で試してはどうですかと提案しました。最終的にマンション生活に納得していただき、お住まいを売却できました。
売主様に寄り添われた対応をされているんですね。物件によっては希望に沿えないこともあるのではと思うのですが、その際はどう対応されていますか?
市況がいいので、売却価格への期待値は上がっていますね。相場が上昇しているため高値成約が増えているものの、物件の特徴によっては相場通りに売れないものです。売却が難航しそうな物件にも高い査定額を付ける会社はありますが、私は現実的な金額を出す方針です。
たとえば、横浜市の土地は山坂が多いため、駅距離だけでなく駅までの道のりも重視されます。物件によっては、擁壁をやり直す必要があり、工事費用がかかるため売却金額が伸びません。売主様はそのような背景をご存知ないことが多いため、データを根拠にご説明しています。
傾斜地や擁壁の問題があるのは、山や坂が多いエリアならではですね。変えようがない条件だと思いますが、売却にあたってどんな工夫をされていますか?
そうですね、当たり前の内容ではありますが、物件の長所をお伝えします。眺望が良ければ「坂と引き換えに見晴らしがいいですよ」とか。価格面でお安くなっている場合は、相場より割安であることをお伝えしたり。あとは伝え方も工夫していて、前向きに言い換えるようにしています。相鉄線沿線では線路が一番低くなっているエリアが多いので、駅から物件までは登り坂です。これは裏を返せば駅までの通勤通学は下り坂になるので、夏場などは駅まで下りの方が良いのではとお伝えしたり。
また最近の傾向としては、業者買取が盛んです。相鉄沿線では新築一戸建てが増えており、土地の需要が高まっています。個人の買い手がつかない条件でも、不動産業者は転売のノウハウがあるので、一般向けと同等か、時にはより高い価格がつくこともあります。物件の条件によっては、業者買取という選択肢もご提案しています。
開発が進むことで注目度があがり、不動産相場も上昇傾向ですか? もう少し売却を待とうかなと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに相場は上昇しましたが、価格の二極化も進んでいるので要注意です。駅から近い、築浅など条件が良ければ高くても買いたい人が多いので売れますが、バス便の上、周辺環境が良くないと需要が低いので、価格は相場より下がります。将来さらに高値で売却できる可能性は否定しませんが、待つことがすべての売主様にとって最善な選択とは言い切れません。価格上昇に期待して売却を先延ばしにするべきかは、売主様の状況にもよるのではないでしょうか。
最後に、相鉄線沿線の展望をお聞かせください。
長らく地元の方がお住まいを求める沿線ではありましたが、都心へのアクセスが良くなったことで、エリア外からの注目が高まっていると感じます。人が増えれば商業もにぎやかになるでしょう。さらに住みやすいエリアになることを期待しています。
本日は、ありがとうございました。
【加藤学さんの担当エリア】
横浜市旭区(仲介)
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