三菱地所リアルエステートサービス株式会社

RECRUIT 2021

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Project Report 02

杉山 天康

アドバイザリー部
2009年入社

債権回収のための依頼

不動産流通ビジネスのなかには、弁護士や税理士、会計士からの紹介をきっかけに、企業の破産や民事再生に伴う不動産処理を行うケースもある。杉山が所属するアドバイザリー部はまさにその専門集団だ。ある日、杉山のもとに届いたのは都内にある会社の破産に関する話だった。保有していた不動産は7つ、これを債権回収のため売却したいという。与えられた期間は3カ月余り。連絡してきたのは債権者である銀行からで、破産管財人である弁護士を紹介された。杉山は、件数の多さからサポートとして2名の若手をチームに加え、すぐに調査に乗り出した。

※破産者の財産の管理や処分を行う権利を有する者で、裁判所から選任される

7物件の迅速な売却が任務

情報を得たのち、杉山はまず弁護士から売却担当者として指名される必要があった。「弁護士事務所には他にも馴染みの不動産会社がある中、この件を任せていただくために、物件ごとに最善の売却方法を提案する必要がありました」と杉山は振り返る。7物件は、本社ビル、工場、駐車場、マンション、戸建、別荘などで、東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県にまたがる。地元の不動産会社には手に余る規模だった。迅速な対応が功を奏し、弁護士は杉山を売却の窓口に選任。できるだけ高値で売りたい債権者・銀行と、スピーディに売却を終えたい破産管財人・弁護士。両者の要望に応える挑戦が始まった。

より高い入札を狙うために

7物件は、いずれも入札により売却することとした。ただし、待っているだけでは購入希望者は集まらない。杉山は若手2人と分担し、7物件ごとに、地元の金融機関、不動産業者、一般法人などに対し、訪問営業やDM、電話で紹介活動を実施。一方で、物件の付加価値を高めるために、現地や役所での調査、測量を徹底し、時には国会図書館で古い土地利用図も調べ、土壌汚染などのリスクがないことを確認した。マンション等の開発用地としての購入が予想される物件は、建物プランの図面も作って開示。建てられる建物の例を示すことで購入検討者を増やし、より高い入札を得られるよう細かく気を配った。

地道な活動が成果を呼ぶ

思いがけない事態も起こった。都内にある倉庫の入札期間中に、敷地の隣にある会社が倒産した。隣地と一体の土地になれば活用方法が広がり、開発用地としての価値が一気に高まる。杉山はすぐさま隣の会社の破産管財人を訪問し、隣の土地の売却窓口にもなることができた。「隣地の売却時には、一体開発も視野に入れた検討者も出てきたため、より高く売却することにつなげられたと思います」と杉山。隣地の破産管財人の弁護士は、別の案件で三菱地所リアルエステートサービスと組んだことがあり、会社に寄せる信頼感もあった。すべて、日頃の地道な活動が呼びこんだものだった。

関係者みんなの幸せを実現

気がかりだったのは経営者一族のことだ。売却物件のなかには経営者の家族の住まいも含まれた。「破産という負の出来事から始まる以上、売却に不安を抱える関係者もいます。その精神的な負担を軽減しつつ、より高く、スピーディに不良債権を処理し、関係者みんなの幸せを実現することが私たちの役目だと思うのです」と杉山は語る。その言葉の通り、杉山は親身になって経営者一族の転居先探しの相談にも対応。結果として順調に新たな住まいが見つかり、与えられた期限内で、想定を上回る価格での売却を終え、破産管財人と債権者の信頼も勝ち得た。心がけていた「みんなの幸せ」を実現できたのだ。

若手社員の成長という収穫

収穫はもう一点あった。チームを組んだ若手社員の成長だ。「不動産の種類によって、課題や懸念などが全く異なります。この経験を通じて彼らは、物件ごとに異なる購入希望者を意識しながら、売却へのアプローチを考えられるようになりました」と、杉山は言う。経験豊富な先輩に見守られながら、若手も裁量を持って仕事をするのは、三菱地所リアルエステートサービスの社風でもある。売却の成功とノウハウの蓄積、若手の成長、そして関係者から得た信頼。案件を通じて、未来につながるさまざまな成果が得られた。

Sugiyama’s Profile

プロジェクトを振り返って

個々の物件自体はそう売却が困難なものではありませんでしたが、地域をまたがる7物件を3カ月でという条件が難易度を上げた案件でした。スケジュールが厳しいからこそ、効率的に動けるようチームワークや情報共有の大切さが問われました。後輩2名とは気になることがあればすぐに報告・相談をできる関係づくりを大事にし、それが成功につながったと思います。

※取材は2018年11月時点の内容です。