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『不動産投資』のポイント。リスクを抑えてリターンを獲得する方法は?

2019.07.19

現在、投資家が検討できる投資商品の種類は多岐にわたる。一般的には株や債券、投資信託などの金融商品が頭に浮かぶことが多いが、不動産も立派な投資対象になる。では、不動産投資は他の金融商品と一体何が違うのだろうか。また、不動産投資といっても、ワンルームマンションから一棟マンション、商業ビルやホテルなど、物件の種類は様々だ。大切なのは、物件ごとの長所や短所を見極めることだ。今回は、不動産投資のメリットやデメリットを解説する。

株式、債券、投資信託、FX、商品先物取引と不動産。それぞれの投資の違いとは?

 投資を考える場合、まずは投資対象を選ぶ必要がある。多くの人が興味を持つのが、株式や債券、投資信託、FX、商品先物取引などの金融投資、そして不動産などの物的投資だ。それぞれの違いを確認しておこう。

 株式投資は、企業の株式を購入し配当を受ける、また売却益(キャピタルゲイン)を得る投資のことだ。
 次に債券は国や企業等が資金借り入れのために発行する有価証券で、 満期には額面金額が投資家に払い戻され、最終的に当初投資した債券の額面金額と期中利子の両方を得られる。
 そして投資信託とは投資家から集めたお金を大きな資金としてまとめ、専門家が株式や債券等に投資・運用する商品で、その運用成果が投資額に応じて分配される仕組みの金融商品だ。
 またFXとは通貨を売買し利益を得る投資手法で、通貨は為替市場で交換レートが変動しているので、安く購入し高く売ることで利益を得ることが可能だ。少額でも始められるが、手元の資金(取引保証金)を担保に、何倍もの金額の外貨を取引するレバレッジを利用することもできる反面、失敗すればその分リスクも膨れ上がるため、注意も必要だ。
 商品先物取引は金や銀、大豆やコーンなど、身近な商品に対する投資だ。商品先物取引では将来の特定の期日に商品を受け渡すことを取り決め、その際の価格を事前に取り決める。約束した期日が到来する前に、反対売買(買い手は転売、売り手は買い戻し)をすることで、その差額の利益を得ることができるのだ。

 これらの金融投資は少額で取引ができるというメリットがある。また、金融商品は経済状況や社会情勢も含めた様々な要因で、日々価格が変動する。そのため短期的に利益を生むことができる。ただし同様に短期間で大きな損失を生むリスクもはらんでいる。

 これらの金融投資に対して、不動産という“現物”への投資といえるのが、不動産投資だ。賃貸物件を所有して賃料収入を得るインカムゲインを狙う不動産投資が最近では一般的になっている。さらに、購入価格よりも高く物件を売却することができれば、購入価格と売却価格との差額を受け取ることができる。
 不動産投資のポイントの一つは、投資金額の大きさだ。不動産は高額であり、購入するにはまとまった自己資金が必要なのだ。この点が金融投資と異なる。しかし、少額から投資が可能な不動産投資商品も存在する。「REIT」という不動産投資だ。REITは複数の投資家が投資金額を出し合い、ファンドで物件を取得する。ファンドがテナントから受け取る賃料収入を投資家に分配することで成立する投資商品だ。REITは数万円から開始できるため、まとまった自己資金がない投資家でも投資に参加できる。

投資対象 特徴
株式投資 世界情勢の変化などの影響を受ける。
短期売買によって利益を得る方法以外に、配当を得るなど、長期保有によるメリットもある。元本は保証されない。
債券 株式に比べて、値動きは緩やかで安定性がある。
債券に記載された期日には、利息と共に元本が償還される。
金利変動リスク、債券発行元の破綻などがあれば元本は保証されない。
投資信託 資金の運用はプロのファンドマネージャーが行う。
海外の株式や債券を対象としたもの、特定の業界、業種に絞ったものなど、様々なタイプの投資信託があり、自分にあった商品を選ぶことができる。
少額で始められる、分散投資によるリスクヘッジができているなど、メリットは多い。
管理手数料など、経費がかかる場合が多い。
元本は保証されない。
FX 短期間で大きい利益を得ることができる。
レバレッジをかけて少ない資金で大きな取引をすることもできる。
元本保証はなく、さらに元本以上に損をする可能性がある。
商品先物取引 少額でも取引できる。
価格変動幅の大きい商品では短期間に大きく利益を出すことも可能。
リスクも大きく、元本が保証されない。
不動産投資 家賃収入など、継続的な収入源となる。
大きな価格変動が少ない。
不動産そのものに価値がある為、価値がゼロになることがほとんどない。
投資金額が大きく、換金性が低い。
空室により利回りの低下の可能性がある。
REIT
(Real Estate
Investment Trust)
少額から投資でき、比較的安定した配当が期待できる。
他の金融商品と同様に換金可能。
運用はプロのファンドマネージャーが行う。
様々な用途の不動産(REIT)へ分散投資が可能。
元本は保証されない。

不動産投資を行うのなら、分散投資を検討するべきだ。

 不動産投資は、大きく分けると、現物不動産への投資か、REITに分類される。今回の記事では、現物不動産投資について解説する。不動産投資の魅力の一つは、安定した賃料収入をインカムゲインとして受け取ることができる点だ。入居が見込める物件を取得し、適正な賃料で募集をすれば、継続的な安定収入を確保でき、短期間で価格の変動幅の大きい金融商品と比較すると、安定性も高い。よって、他の金融商品とのポートフォリオの中に組み入れても良いだろう。
 一方で、不動産投資で難しい点はその換金性の低さだ。たとえば、株式投資であれば、株価の上昇や下降をチェックし、すぐに売却することができる。そのため、たとえ株価が下がっても、早期に見切りをつけて売却できれば、損失を最小限に抑えることもできる。その点、不動産は売却するには手間がかかり、すぐに現金化することは簡単ではない。よって実際に不動産市況に変動が起きたときに、売却に向けてすぐに対応できない可能性が高い。このように不動産投資では、投資している物件をすぐに売却したり、別の物件を購入したりと言った、不動産市況に対する流動性の低さが課題となりえる。

 このような不動産投資の特徴を踏まえた上で、更にポートフォリオの中で不動産の安定性を高めていきたいと考えている人は、不動産の中でも分散して投資することをおすすめする。分散投資とは、物件の傾向を一つに絞らず、複数に振り分けることだ。たとえば、ワンルームマンションを既に所有している人は、タイプが異なるファミリーマンションも購入する。または、居住用のみならずオフィスビルや商業店舗に投資先を変更することも効果的な投資戦略だろう。また、エリアによって特徴があることを視野に入れておきたい。

 このように、保有する物件の種別やエリアなどを複数にしておくことが、不動産市況変化に対応するための有効な手段といえる。また物件選びや運用、管理などは素人には難しい。信頼できる不動産会社を探すことが、不動産投資成功のカギとなる。

不動産投資で失敗しないために注意する「金利」の問題

 不動産投資を検討するときに非常に重要になるのが、金融機関から融資を受ける際の「金利」だ。投資用不動産を購入する際、方法は2種類ある。全額をキャッシュで支払うか、金融機関からの融資を利用するかだ。当然、全額をキャッシュで支払えば金融機関への借り入れをしないため、毎月の元本や金利を支払う必要がない。毎月の賃料収入は、必要経費を除けば実質的な手取り収入になるため、高い不労所得が期待できるだろう。しかし、キャッシュで支払うには不動産は高額だ。多くの投資家が、一部または全額を「金融機関からの借り入れ」という方法で資金調達している。借り入れをするメリットは、不動産投資によって資金を全て支出することなく、手元に資金を確保できる点だ。金融機関から借り入れた資金で不動産投資ができれば、自己資金は他の投資に運用することができる。特に低金利の時代といえる今は、金融機関からの借り入れを利用して不動産投資を行うチャンスだと言える。見込まれる収入が、金利を含む諸経費よりも多ければ利益を得ることができるが、借入金が多くなればなるほど、金利は膨らむ。しかし、低金利であればそれを抑えることができる。
 金利条件は金融機関によって様々だ。固定金利か変動金利かによっても条件が異なるし、投資用不動産における融資は、一般的な住宅ローンとは金利の基準も異なることがほとんどだ。そのため、金融機関ごとに金利条件や、貸出期間については最大限調査し、借入先の選定を慎重に吟味する必要がある。不動産投資を検討する際は、将来的な金利の動向、経済や金融の情勢についても十分に調査して把握しておいたほうがいい。難しければ専門家のアドバイスを受けることも一つの手段だと言える。

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