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お得に泊まれるだけが民泊の魅力ではない、富裕層向けの市場を創出

2019.03.08

ホテルや旅館ではなく、自宅や空き家などの住宅を活用することで宿泊サービスを提供する「民泊」。世界的なシェアリングエコノミーの広がりにより、日本においてもさまざまな視点から注目を浴びている。2018年6月には「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行され、日本でのさらなる普及が期待されている。事実、すでに世界中で民泊事業を展開するAirbnb(エアビーアンドビー)だけでなく、日本の大手企業各社も、民泊事業への参入を表明している。たとえば、楽天やKDDIグループ、みずほ銀行などの異業種に加えて、既存の不動産事業とのシナジーを見込むアパマンショップホールディングスや大京、エイブルなどが民泊事業に参入している。
このように将来にわたっての広がりを予見させる民泊事業だが、一方で課題もある。それはこの事業における「順法性」の問題である。個人が住居を提供するケースにおいては、旅館業法下にある一般的なチェックを行き届かせるのが難しいことが想定され、この問題を内包したままでは民泊事業そのものが投資対象から遠ざかることになる。しかし、この順法性の問題を解決できれば、より幅広い層からの投資を得られる分野になり、経済成長に寄与する産業に発展する可能性も高くなってくる。そうなると、民泊の中でも特に、その一形態である「バケーションレンタル」にはより一層の高い期待が集まってくることも考えられる。

(写真=Interior design: Beautiful modern terrace lounge with pergola at sunset/Shutterstock.com)

民泊とバケーションレンタルの違い

民泊もその一つであるシェアリングエコノミーとは、「空いた〇〇」を有効活用して、コストを抑制したり、収益を得たりという性質のもので、もともと投資性というスケールはあまり大きくない。その一方で、バケーションレンタルは、リゾートや観光地の物件を購入し、富裕層向けに特化した宿泊施設(貸別荘)として貸し出すことで、ヨーロッパでは「ホリデーホーム」などと呼ばれることもある。民泊のカテゴリーでありながら高い収益が見込めるため、投資対象としての性格が強いという特徴がある。

バケーションレンタルは米国ではかなり浸透しており、市場の規模は約4兆円。米国人のなかでも30%以上の人が利用した経験があり、利用者は35-54歳の中年層が中心で、家族やグループ旅行の際に利用されるケースが多い。新興というよりはある程度確立された市場であることに加えて、その背景には、米国社会特有の不動産事情もある。米国では、リーマンショックなどの経済危機時を除いて、不動産の価格は緩やかに上昇するという特徴がある。そのため、バケーションレンタルに投資すれば、そのトレンドに乗って物件の資産価値がさらに上がるということが考えられるかもしれない。

日本のバケーションレンタル

最近では日本でも、米国のような普及とまではいかないが、バケーションレンタルを民泊の高級版と捉えている人が多く、今後は米国のように富裕層をターゲットとした物件により活発にシフトしていくことが推測される。

今後は、恩納村や読谷村でホテルの販売が行われ、WEB上でもバケーションレンタルのイメージに近い物件のラインアップが豊富に掲出される沖縄や、2019~2020年にかけてパークハイアットやリッツカールトンが進出し、インバウンドの受け皿として環境整備を一層進展させつつあるニセコエリアが代表的な北海道などを中心に、リゾート開発が活発に進められて地域振興の起爆剤となっていくケースも期待されている。

それに合せて法整備の進捗が伴えば、日本でも本格的なバケーションレンタルへの投資としてのチャンスが高まる可能性は十分にある。素地が整えば、日本には「おもてなし」文化を始めとした豊かなホスピタリティが存在するので、日本独自の投資価値や特性が生まれるという期待も大いにできるだろう。

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