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「シェアリングエコノミー拡大」で注目したい不動産分野のビジネスとは?

2019.01.17

テクノロジーの進歩やエコな環境を求める機運の高まりなどを受けて、シェアリングエコノミーが拡大している。その広がりは、利用者に利便性をもたらすだけではなく、潜在する資本の価値を表面化させ、それぞれのニーズに合わせて活用の場を提供し、資本が有効活用されるまでに至る。その波は不動産市場にも及び、さまざまなサービスが誕生している。その具体的な事例をみていこう。

(写真=PIXTA)

シェアリングエコノミーの市場規模は全世界で3兆7,600億円まで拡大

シェアリングエコノミーの概念は複数存在するが、一般的には「インターネットなどの技術を駆使し、サービスの利用者と提供者を繋ぐプラットフォームを通じて両者が結びつき、経済活動を展開すること」である。

サービスの提供者と利用者がマッチングすることで、新たな需要を喚起できるほか、利用者は直接、サービスの提供者と取引ができるため、コストを抑えて利用することが期待できるのがメリットとして挙げられる。

インターネットの浸透とともに、シェアリングエコノミーの規模も右肩上がりで伸びている。「2017年版中小企業白書」によると、国内のシェアリングエコノミーの市場規模は、2014年度は約233億円だったが、2018年度には462億円とおおよそ2倍に拡大する見込みだ。この傾向は日本だけにとどまらずグローバルなトレンドであり、2025年までに世界のシェアリングエコノミーの市場規模は約3,350億ドルに達すると見込まれている。

具体的なサービス例 空間や駐車場、農地のシェアなど

具体的なサービスの分野を例に挙げると、空間や駐車場、農地のシェア、車の相乗りなどでシェアリングエコノミーが浸透している。それぞれのサービスの概要については、空間シェアは民泊に代表されるように、使用しないマンションや住居の一室などを旅行者に貸し出すサービスが浸透している。

このほか、店舗の空きスペースや空き地などの遊休資産を活用して商品の出張販売やプロモーション、飲食の移動販売などに利用される空間シェアも広がっている。また、駐車場シェアも同様に、空いた駐車場スペースをアプリなどのプラットフォームを活用して、利用者と貸し手を結び付ける。貸し手は1日単位からでもサービスを提供することが可能で、月極の契約期間に縛られることなく、利用者がいない隙間の期間も有効に活用できる。

農地シェアでは、農家の後継者不足により休耕地が拡大している現状において、こうした土地を家庭菜園など農業に関心を持つ人に貸し出すことができるようになっている。さらに、技術の発展により、同じ方向に向かう人を同乗させる「車の相乗りサービス」もシェアリングエコノミーとして支持を集めている。

これまで価値として認識されていなかった”モノ”が資産になる可能性も

こうしたサービスの登場により、これまでは宝の持ち腐れと化し、有効活用できなかった資産にも光が当たるようになった。もともと活用できなかった資産だったため、割安にサービスが提供されるケースも多い。利用者と提供者が直接結び付くことで中間マージンが発生しないため、利用者は安く、手軽にサービスを利用できるメリットもあり、シェアリングエコノミーの普及を後押ししている。

テクノロジーの進歩によって、シェアリングエコノミーという新たなビジネスモデルが誕生し、ビジネスのあり方そのものにもポジティブな影響を及ぼしている。有効活用できていない資産を保有している場合、シェアリングエコノミーのプラットフォームで商機を見出すことができるかもしれない。あるいは、利用者の立場で手軽に安くサービスを利用したいときには、シェアリングエコノミーの活用を選択肢のひとつに入れることが潮流になっていくだろう。