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受付、会議室、執務室をどこに置くか ゾーニングから考える働きやすいオフィス

2018.03.09

働きやすく快適。活発なコミュニケーションが生まれる。来訪者が多くともしっかり情報資産を守ることができる。こうしたオフィスを作るためには、“ゾーニング”の工夫が非常に重要だ。
オフィスゾーニングとは、オフィスを構成する執務室、受付、会議室など役割が異なるゾーンについて、それぞれの特性や関連性などを考慮し、最適な配置を見つけることだ。ゾーニングを適切に行うことによって、オフィス全体の使い勝手が良くなり、業務の効率化を図ることもできる。

(写真=PIXTA)

オフィスゾーニングで考えるべきポイントとは?

オフィスゾーニングで考慮すべきことは多岐に及ぶ。まずは動線だ。受付と打ち合わせコーナー、執務室とコピー機など、関連性の高い機能を近くに置くことで効率的な動線が生まれる。また、コミュニケーションを活性化させるゾーニング計画も重要だろう。同じ業務に関わっている人や関連性の高い部署を近くに配置することにより、コミュニケーションが円滑になり連携もスムーズになる。

空間比率も重要だ。全体の面積から各ゾーンの面積配分を決めていく。たとえば、ワークスペースはオフィス全体の50~60%を占めるといわれている。あれも置きたい、これも入れたいと多くの機能を配置しすぎて配分に余裕がなくなっていくと、オフィスはかえって使いづらくなる。ゆとりがある空間比率を心がけることで、開放的で働きやすいオフィスが生まれるはずだ。

ほかにも、災害時における避難経路を考えた動線計画や、静かな環境が求められる会議室はあえて動線から外すなどの点も考慮しておくべきだろう。ゾーニング計画によって、オフィス内の作業効率や快適度は大きく変わってくるのである。

近年のゾーニングのトレンドとは?

実はこのオフィスゾーニングにもトレンドがある。近年、注目されているのが、「社内コミュニケーションの活性化」を意識したゾーニングである。

オフィスの隅に置かれることが多かった「休憩室」をより中央に近づけるなど、あえて社内の動線上に配置する企業が増えている。偶然会った社員同士が休憩室で会話をし、新しいアイデアが生まれる効果があるという。そのほか、オープンスペースやカフェテリアを広く取ったオフィスも増えている。ゾーニングによって、社員間のコミュニケーションを意図的に生み出しているのである。

また、ゾーンごとに必要なセキュリティレベルを考慮してゾーニング計画を行う、「セキュリティゾーニング」も重視されている。セキュリティゾーニング自体は以前から意識されてきた概念であったが、近年ではよりセキュリティレベルを細分化して考えることがトレンドとなっている。

たとえば、応接室や打ち合わせスペースへ移動するために、執務室を横切らないといけないオフィスもあるが、それでは情報資産の管理上、問題がある。エントランスと執務室ではもちろんセキュリティレベルに差があるし、役員室、サーバー室、ミーティングエリア、来客者用エリア等それぞれのレベルに合わせて配置することが必要だ。

来客者ゾーンと執務ゾーンでフロアを分けているオフィスも多くある。お客様に対して「セキュリティへの取り組み」が伝わるようなオフィス環境づくりが、企業の信頼感にも繋がるだろう。

ゾーニングにこだわる企業

具体的にいくつかの企業のゾーニングの事例を見てみよう。

東京渋谷区に本社を構える企業は本社移転に伴い、執務エリアの中心に多目的スペースを構えた。この多目的スペースがあることで、コーヒーを飲みながら自然と会話をする機会も増え、社内コミュニケーションの活性化に役立っているという。オフタイムのコミュニケーションだけでなく、打合せやミーティングが以前より頻繁に行われるようにもなったそうだ。こうした取り組みは、社員が決まった席を持たないフリーアドレス制によって得られるメリットとも通じる。

楽天は、現在の二子玉川にあるオフィスに移るにあたり、新築ビルを選び、竣工前からゾーニング計画に関わっている。ビルの工事開始前からゾーニング計画に参画することで仕様変更が可能となり、理想のゾーニングを行ったのである。

オフィスゾーニングは、社員の働き方や情報資産管理を考える上で非常に重要だ。現在の自社のゾーニングを見つめ直し、改善点があるようなら変更してみてはいかがだろうか。理想のゾーニングを実現させるためには、現在のオフィスでは難しいケースもある。その場合は、オフィス移転も一つの選択肢となり得るだろう。

 当社三菱地所リアルエステートサービスでは、2018年5月新オフィスへと移転した経験をもとにオフィス移転を検討中のお客さまをワンストップでサポートいたします。オフィスに関するお悩みがございましたらいつでもお気軽にご相談ください。ゾーニングの参考にオフィス見学ツアーも実施中です。