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東京再開発 「新駅」の経済効果や不動産への影響は?

2018.02.13

2020年、「東京2020オリンピック・パラリンピック」に合わせてJR山手線と京浜東北線の品川―田町駅間に新駅「品川新駅(仮称)」が暫定開業する。 山手線では1971年に西日暮里駅ができて以来の新設で、30駅目となる。 
また現在、東京メトロ銀座線が通る虎ノ門駅の近くに、日比谷線「虎ノ門新駅(仮称)」の設置が検討されているが、こちらの開設目標も2020年だ。2014年に開業した虎ノ門ヒルズを中心に一帯の再開発がさらに進むことが予想される。駅ができれば人の乗り降りが発生し、新しい店やオフィス、住宅などができる。新駅開業に伴う経済効果や不動産への影響はどのようなものなのだろうか。

(写真=PIXTA)

品川新駅創設と街づくりが及ぼす経済効果

山手線の新駅はJRがメインの事業体となり、初めて駅とあわせて街づくりも手がけるプロジェクトだ。品川付近の車両基地で設備を見直したり、移設したりしてできた13ヘクタールを活用する。六本木ヒルズの11.6ヘクタールや東京ミッドタウンの10.2ヘクタールと比べても規模の大きさがうかがえる。開発地には合計8棟の超高層ビルを建て、JRはここを新たな東京の顔、国際的なビジネスの拠点としたい考えだ。

2020年の新駅暫定開設、4年後の2024年の開発事業完了を目標にしていることから、JRの意欲の高さを感じる。造成開発と違って転換地開発では短期間に事業完了させることが成功へのカギの一つといえるからだ。

新駅隣りの品川駅では2027年に、リニア中央新幹線が乗り入れることを予定している。その品川・高輪エリアの再開発とあわせた大規模プロジェクトである。さらには品川駅初の地下乗り入れについても構想に含まれており、その事業計画が着々と進んでいる。

今回の新駅と周辺街づくりで見込まれている経済効果は1兆4,000億円という試算がある。新駅創設が決まったあとは、大手ゼネコン各社や関連企業の株価が上昇した。市場、投資家の期待は大きい。

ビルを建てて床を売るだけでなく、新駅と街を一体化させて発展させるという計画が投資家たちの好感を得ているポイントにもなっているのだろう。実際に不動産物件サイトが実施した「地価が値上がりしそうな街ランキング」でもJR品川駅が2015年から2年連続で3位に位置している。品川駅にほど近い地価公示の上昇率は商業地10.2%、住宅地3.9%である。

当社独自の調査によるオフィスの空室率の状況を見てみると、2013年12月時点で8.75%の空室率を抱えていた品川エリアだが、2017年12月現在では2.13%に改善されている。賃料が大きく変化していないにもかかわらず空室率が大幅に改善されているということは、新駅開発を意識した事業所の入居が増加していると見てもいいだろう。

虎ノ門にも新駅の設置計画

冒頭でも触れたが、東京・虎ノ門エリアでも新駅の設置が検討されている。東京メトロ銀座線の虎ノ門駅から400メートル弱離れたところに虎ノ門ヒルズが2014年に開業したのだが、そのすぐ脇に東京メトロ日比谷線の虎ノ門新駅(仮称)をつくるという計画だ。

東京都の構想では、ここを職住近接のエリアとし、外国人を呼び込みたい考えである。港区には外資系企業が785社(都内の3分の1)あり、外国の大使館も82ヵ国(日本の過半数)あることから、外資系を含む優良企業を誘致し、経済成長へつなげたいのだ。オフィスビルや住戸、インターナショナルスクールや多言語対応できる医療施設、羽田空港への直行バスが発着するバスターミナルを整備する計画だ。

虎ノ門ヒルズ開業前から、虎ノ門新駅については取りざたされていた。虎ノ門新駅予定地にほど近い地価公示を見ると、その上昇率は2017年が前年比約15%、2016年は17%の上昇率だった。2017年は前年より少し落ち着きを見せた上昇率だが、特区として、国際的職住近接エリアとして成功する見通しが立てば、海外マネーによる土地購入も活発になる可能性がある。

2020年を目前に控え、2018年は開発地周辺のエリアを中心に取引が活性化しそうだ。それぞれのエリア再開発の事業詳細は、要注目といえるだろう。