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冬の室温設定は何度がいい?夏は28度で大丈夫?快適なオフィスの空調環境とは

2018.01.11

一日の大半を過ごすオフィスの空調環境は、仕事の能率などにも影響することがある。業務に集中し、効率的に成果を上げるためには暑さや寒さを意識することなく快適に過ごせる環境が理想であろう。
2005年に「WARM BIZ(ウォームビズ)」「COOL BIZ(クールビズ)」が誕生した。当初はどれほど浸透するか懐疑的な見方をする人も多かったが、特にクールビズについては意外なほど認知されている。ウォームビズはどうだろうか。クールビズに比べ馴染みの薄い人も多いかもしれないが、近年では民間企業の取り組みや働きかけも後押しし認知度は上昇している。
では、ウォームビズやクールビズで環境省が推奨する室内温度はご存知だろうか。オフィスの快適さについて、空調設備だけではなく推奨室温やビジネスパーソンの装いも併せて検証する。

(写真=PIXTA)

冬は何度が望ましい?環境省の推奨室温

冬場の快適な室温は賛否分かれることがある。環境省が掲げる「WARM BIZ(ウォームビズ)」は、暖房時の室温を20度にするというものだ。しかしオフィスの空調設備の多くは天井付近に設置されているため冬場は室温を一定に保つことが難しい。特に膝から下、とりわけ足元が冷えるという話をよく聞く。扉の開閉の頻度によって外の冷気が入り、室温の維持が難しいこともある。平均的に20度をキープしようとするなら、空調の設定温度は22度から24度程度にしなければ、安定した室温は保てないだろう。扇風機やサーキュレーターを使用して空調やエアコンから送られてくる温かい空気を循環させることが効果的ともいわれている。

また、そもそも20度という室温は、決して暖かすぎる温度とはいえないだろう。この取り組みは設定温度で快適な環境の実現を目指す訳ではなく、機能性下着や靴下などの素材を意識して体幹を温めることや、ひざ掛けやストールなど衣服での調整を推奨している。

夏の推奨温度は28度?クールビズの効果

一方、環境省が始めたクールビズの取り組みは、冷房時の推奨室温を28度にというものである。この「28度」という数値は、実は科学的な知見によって決めたわけではなく、法令で定められた室温設定の範囲(17度以上28度以下)の上限「室温28度」に基づき環境省が呼び掛けているのだ。

真夏の冷房時において、28度という室温は、エコロジーを好む人であっても「とても快適な涼しさ」とは言いがたいだろう。そもそもクールビズでは上着を脱ぎ、ノーネクタイの軽装スタイルを推奨しているが、そうすることで、「体感温度」が2度下がると言われている。つまり通常のビジネススタイルでは28度は不快と感じる可能性が高いのだ。

季節や天候による温度の高低だけではなく、オフィス特有の熱源問題も快適な環境を阻害する要因の一つだ。一人1台の所有がスタンダードとなったパソコンやモバイル機器、そのほかプリンターなどのOA機器から発生する放射熱は、室温の上昇にも影響を及ぼしている。したがって、このような要素を考慮しながら、適宜設定温度を下げることも必要だろう。
環境省が呼びかける室温28度はあくまでも目安であり、冷房の設定温度ではないということに注意が必要だ。

オフィスの快適な温度は環境で異なる

このように、室温や体感温度はオフィスの快適性に大きな影響を与えているが、性別・年齢・体温・好みなど、快適な室温や体感温度の基準は一人ひとりに差がある。一日中オフィスで仕事をする人、営業で外出が多い人、来客などが感じる快適な室温も違い、ひとくくりにして決めることは難しい。また、快適さは個人の感覚、建物のスペック、空調設備などさまざまな要因にも左右される。一番重視されるべきポイントは、そこで過ごす多くの人がいかに快適かと感じるかどうかだろう。
そこで近年ヨーロッパで急速に広がっている新しい空調システムとして「輻射(放射)空調」がある。
輻射空調は、日本で普及している天井埋め込みカセット式等の対流式空調と異なり、天井に設置する放射パネルに冷温水を循環させ室内の温度を調節するため、温度の偏り、ほこり、送風音など対流式空調の問題を解決する空調として、日本でも注目されている。省エネ効果もあり、新築ビルへの導入や築年数の古いビルの空調リニューアルでの導入が増えてきている。

また、「働き方改革」の一環で、オフィスのフリーアドレスを採用する企業が増えているが、このフリーアドレスの大きなメリットの一つが、自分にとって快適な環境で仕事ができる事であり、このオフィスの空調問題の解決策の一つであるとも言われている。

快適に過ごせる環境を提供し仕事の能率を上げるために、日ごろから不満を感じることが多いオフィスの室温について、現在のオフィス環境を確認してみてはどうだろうか。

 当社三菱地所リアルエステートサービスでは、快適なオフィス空間の設計と管理について多くのアドバイスをご提供している実績があります。オフィス環境の見直しが社員のやる気と満足度を高め、それが業績へとつながります。オフィス移転やオフィス環境の見直しでお悩みの際にはお気軽にご相談ください。