不動産の収益安定化のためにビル・賃貸マンションにできることとは

2021.03.01

コロナ禍の影響もあり、景気の不透明感は増している。そこで注目されているのが、不動産投資による企業収益の安定化だ。既存の不動産の活用、リノベーションにとどまらず、新たなニーズに対応した新規不動産の購入や新規事業化、既存事業とのシナジーも視野に入ってくる。その不動産による収益安定化のポイントを紹介する。

中小企業で求められる収益の安定化。そのために不動産投資も重要なポイントになる

コロナ禍の影響もあり、景気の不透明感は増している。2021年に入って、再度の緊急事態宣言も発令され、収束の見通しにも不透明な部分が多く、その影響は飲食業や旅行業にとどまらず、小売業をはじめ、関連する企業にも広がっている。

そんななかで、景気の影響を受けにくい不動産投資に注目が集まっている。不動産を活用することで収益の安定化を狙ったものだ。そもそも不動産による収益には2種類ある。家賃収入が主となるインカムゲインと不動産売却による利益であるキャピタルゲインだ。不動産による収益の安定化を目指す場合、インカムゲインによるものが中心となる。キャピタルゲインは不動産の市場動向を見極める視点が欠かせず、こちらも景気の動向に左右される点が大きい。

不動産賃貸では、住居用の賃貸の場合多くは2年契約が結ばれており、住居は生活に欠かせないものである為、景気動向に左右されにくい。オフィスの賃貸の場合は景気の影響はあるものの、賃料総額が大きくなる傾向があり、より多額のインカムゲインが期待できる。適切に不動産を運用できれば、どちらも安定した収益源となり得る。

不動産で安定的な収益を上げるためのポイントとは?

不動産で収益を上げると言っても、すべての不動産で高収益が上げられるわけではない。不動産による収益を安定化させるポイントは次のようなものになる。

  • 1. 賃貸借ニーズが高い物件である
  • 2. 物件の管理が適切にできている
  • 3. 万が一の出費に備えて自己資金をプールしている
  • 4. 不動産投資のリスクを把握し、その回避策を講じている
  • 5. 身の丈にあった運用プランを行っている

まず、賃貸借ニーズがないと空室率が上がり、収益を見込めないことになる。大きな要素としては立地がある。立地が良い物件の場合、少々、建物が古くても空室率は下がりにくいが、新築物件でも立地が悪いと入居者が集まりにくい。さらに古い物件をリノベーションして空室率を下げることもできる※1。駅チカの物件の場合、コロナ禍でリモートワークが増えている今、空室の住居物件をリノベーションしてサテライトオフィスとして活用することも可能だ。また、リモートワークが増え、余裕ができたオフィスの一部を改装してサテライトオフィスとして他社に賃貸することもできるので、近隣の状況を見極めた運用がポイントになるだろう。

※1 リノベーションを活用した不動産のバリューアップについてはこちらのページもご覧ください。

次の「適切な物件管理」は物件そのものの価値を高めてくれるが、これには専門の管理業者と契約することが重要だ※2。自主管理も可能だが、物件のハード面の管理はもちろんのこと、ソフト部分である入居者の管理、将来の修繕のための資金管理など管理すべき内容は多岐にわたる。プロへ管理を委託することで不備不足を減らすことができるだろう。

※2 不動産管理の最適化、プロパティマネジメントについてはこちらの記事もご覧ください。

3つ目の万が一の出費への備えだが、災害だけでなく事故による物件の損害も起こり得る。その際に素早く対応できる資金はプールしておかなければ、破損したままの物件となり、物件の価値が下がってしまう。

4つ目の不動産リスクへの備えだが、この場合のリスクは3つに大別できる。「空室リスク」「家賃下落リスク」「災害リスク」だ。空室リスクについては、そもそも空室率が上がらないような管理はもちろん、家賃滞納があってもある程度被害が小さくなるように家賃保証会社の活用、不動産会社との契約時に空室保証契約を結ぶといった対策が取れる。家賃下落リスクもある程度家賃が下がっても運用できる収支計画にしておけば、対応可能だ。災害リスクについては、ハザードマップの確認や専門家による診断※3も有効だ。

※3  地盤や自然災害リスク評価も含めた多彩なサポートについてはこちらのページもご覧ください。

最後に「身の丈にあった運用プラン」だが、新たな不動産を購入する場合、リノベーションを行う場合など、不動産運用には一定の資金が必要になる。その際に、適切な運用計画、収支計画を立て、リスクを織り込んでおかなければならない。利回りを大きく見積もっていると想定外の事態に対応できないこともあり得る。無理がない範囲での資金投入が不動産運用の基本だと言える。

不動産で安定収入を上げ続けるためにできる工夫

上記のポイント以外にも、不動産の収入を向上させる手段はいくつかある。大別すると「条件面での差別化」と「用途転換」だ。

条件面の差別化では、フリーレントといった一定期間家賃を減免する、敷金礼金・更新料を見直すといった金銭的な条件設定もある。ほかにも、ペット可、楽器可といった入居条件の見直しも視野に入ってくる。また、入居者への差別化だけではなく、管理会社に対して賃貸実績にあわせて賃料が支払われる実績連動型でより高い収益性を追求するのか、前述の空室の有無に関係なく一定額の収入となる安定した空室保証型にするのかなど契約条件で様々な活用が可能だ。

次の用途転換だが、住居用の物件をリノベーションでオフィスに変更する、物流アクセスに難があった工場をシェアオフィスなどに転換するといったことで、収益が安定化するケースも多い。特に、コロナ禍でリモートワークが増えている今、駅チカの好立地な物件にサテライトオフィスの需要が高まっている。大規模なオフィスを小分けにすることで、入居しやすくすることもできる。さらに、住居としては不便な立地でも工場や物流施設としてならば適しているケースもある。視野を広く持って、どういう活用がその不動産で収益を上げる最適な手段なのかを見極めなければならない。

こういった不動産の活用、用途の転換などには、不動産に関する深い知識と経験が求められる。信頼できるパートナー企業との連携が必須だと言えるだろう。

これまで述べたような賃貸オフィスビルの収入安定や資産価値最大化を目指すためには「経営視点」、「テナント視点」、「社会的視点」の三つの視点と知見から次世代を見据えた賃貸経営をする必要がある。賃貸オフィスビルの収入安定化させる専門ソリューションの詳細についてはこちらから