Withコロナ時代に企業が安定収入を確保するには?~不動産戦略を考える

2021.01.29

コロナ禍が叫ばれ出してもう1年が経とうとしている。緊急事態宣言に始まり、自治体ごとに状況が異なるとはいえ、緊急事態宣言、飲食店への営業時間短縮要請、GoToキャンペーンの動向、さまざまな補助金・助成金などによる企業への支援など、企業経営にさまざまな影響を及ぼしている。そんななかで、不動産経営にはどのような変化が生じているのだろうか。

コロナ禍で変化した経営環境。事業用不動産の環境は?

新型コロナウイルスによって、今年、社会、生活、経済環境は大きく変化した。テレワークが広く導入され、働き方に変化が生じた人、会社の収益に大きな影響が出た人も少なくない。経済環境では、飲食、観光業に大きな影響が出ており、GoToキャンペーンなどで回復を図ったものの、感染拡大への懸念もあり、バランスを取るのも難しい状況だ。一方で、通販業界や通信サービス業など、コロナ禍でプラスの影響を受けている業種もある。

経済全体では、2020年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、前年比28.1%(内閣府2020年4-6月期@次速報値※)の落ち込みを示した。これは、リーマン・ショック時の17.8%減を大きく超える、戦後最大の落ち込みになっている。
内閣府 国民経済計算(GDP統計)

リーマン・ショック時も経済への打撃は大きなものだったが、実質GDPの落ち込みだけを見ると、当時を大きく上回る経済環境の悪化になる。しかし、リーマン・ショック時には、もともとアメリカでの住宅バブルの崩壊が原因であり、経営危機に陥った金融機関からの資金調達が困難になったことで、経済に大きな影響を与えた。いわば経済の肝となる「お金の流れが滞った」ことが原因であり、その一点だけを改善すれば経済は回復基調になる。また阪神淡路大震災、東日本大震災のような自然災害を原因とする経済環境の悪化では、復興需要が見込めるため、早期に回復基調に戻ることが多い。しかし、今回の新型コロナウイルスによる経済環境の悪化は、先行きが非常に不透明だ。多くの企業の活動そのものが縮小し、人の流れが減少することでお金が回らなくなっていることが原因と言える。そのため、ワクチンの普及などで劇的な感染抑制のめどが立たない限り、不透明さは変わらないことになる。
一方で、通信サービス業、通販業界、電機業界などは、いわゆる巣ごもり需要があり業績が堅調になっている。

そこで、業績が不安定な業界では、資金調達のために手持ちの不動産を売却する流れが見えてきている。堅調な業界ではそういった不動産を取得し、経営安定化を狙う動きもあり、事業用不動産の市況そのものは堅調だと言える。

変わる経営環境、求められる安定収入

コロナ禍の長期化、拡大に伴って、経営環境は変化を余儀なくされている。これまで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、従来の市場予測、経営への考え方が通用しない企業も増えているだろう。大きく変化した経営環境によって、もともとその企業が内包していた課題が顕在化したというケースも考えられる。「収益性の改善」「生産性向上」「事業基盤の強化・再編 事業ポートフォリオの再構築」など、以前から取り組むべき課題だと意識しつつも、それらの対策を後回しにしてきた企業では、よりダメージが大きく、変化への対応が急がれる。既存事業の収益性向上、生産性の向上はもちろんだが、「事業基盤の強化・再編 事業ポートフォリオの再構築」も一筋縄ではいかない変革だ。

これまで堅調だった事業が、極めて不安定になっている業種も珍しくない。今回の環境変化で、いまは堅調でもいつ環境が悪化するかわからないという不安もある。そういった場合は、収入の多角化、安定化が望まれる。経済環境の急激な変化にあっても、一定の安定した収入源があれば変化に対応できる体力となる。そこで注目されるのが、事業用不動産だ。収益不動産による賃料収入は非常に安定した収入源となる。

コロナ禍でも事業用不動産の市況は堅調だ。東京主要7区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区)のオフィスマーケットは、2020年4月の緊急事態宣言発令後、わずかに空室率の上昇、賃料の下落があるが、動きは緩やかになっている※。一方で、シェアオフィスなどの需要が高まり、郊外のターミナル駅近辺では、空室率、賃料ともに堅調というデータもある。住宅用不動産では、賃料、空室率ともに大きな変化は見られていない。そういった環境を踏まえて、売買の状況も市場の投資意欲は衰えていないようだ。注意点としては、アセットタイプや物件のクオリティーによる選別は厳しくなっており、物件を見定める目利きが重要だと言える。

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経営の安定化のためにも、不動産経営を検討するべき

企業では本業以外に手を伸ばすことに否定的な向きもあるかもしれない。バブル崩壊前は好況に乗って多角化経営を行う企業も増えたが、バブル崩壊時にはそれが「放漫経営」となって企業経営に大きな影を落としたケースもあったようだ。そこでの課題は、どれだけ安定性を重視したかだ、と考えられる。当時は、不動産の売買で得た利益を他の事業に転用していた。その不動産価格の暴落がバブル崩壊であることから、不動産の売却益の悪化とそれをもとにした他の事業の悪化が問題になったのだと言える。

一方、現在、不動産の市況は堅調だ。コロナ禍の影響にとどまらず、今後の経営環境の変化には予想がつかない不透明さが否めない。そこでは現在、空室率、賃料ともに堅調な不動産への事業拡大が、企業経営を安定化させると考えることができる。不動産賃貸業では、住宅用、オフィス用ともに、安定した収益が見込めること、管理業務などをほとんどアウトソーシングできること、本業への影響が小さいことから、「経営の安定化を目指すための事業展開」としては極めて有望な事業だ。実際に打撃を受けながらも余力を残す飲食業、観光業、卸売業、小売業などでは、不動産の売買に積極的な動きが見られる。多くは経営の安定化を目指すためだと考えられる。

景気は常に流動的なものだ。特に現在、先行きの不透明感は否めない。そんななかでは、どれだけ安定した収益源を持っているかが企業経営を左右する。その収益源として事業用不動産は、十分に検討に値する。もちろん、収益が上がる物件と上がらない物件は明らかに存在し、それを見極める目利きは極めて重要だ。事業用不動産運営のノウハウも求められる。だからこそ、信頼できる、目利きの力がある不動産会社、事業用不動産運営をまとめてアウトソーシングできる不動産会社と付き合うことがポイントとなるだろう。

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