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ビルは人間より早く年を取る!?築30年までに老朽化対策が必要!

2020.09.04

住宅やビルなど、あらゆる建物は老朽化を避けることはできない。特にオフィスビルでは、建物そのものの老朽化にとどまらず、オフィスに求められる環境の変化によって設備の陳腐化など、収益性の悪化を招く可能性が高い。

老朽化するオフィスビルが抱える問題点とは?

ビルは人間より早く年を取る。もちろん、適切なメンテナンスを実施することでその寿命を延ばすこともできるが、ビルの価値が新築時を上回ることはない。あくまでもイメージの話だが、築30年のビルは、人間で言えば60歳くらいにあたると思ってもらうとわかりやすい。加えて、ビジネス環境の変化、社会環境の変化で、オフィスビルに求められるものも変わってきている。近年のビルでは、ネットワーク環境を意識したOAフロア、高度なセキュリティ設備、BCP、フリーアドレスに対応した設備を備えているものも多いが、90年代のビルではそういった設備はほとんど備えられていない。

古くスペックに劣るオフィスビルとなると賃料を下げざるを得ず、空室リスクも高まり、収益性が悪化する。また、メンテナンスコストが増大することも収益性の悪化を加速する。
この変化は避けることが難しい。だからこそ、「まだ築浅だと思える時期」から、計画的に管理し、将来の本格的な老朽化対策への備えをしておくべきだと言える。

老朽化するオフィスビル 3つの対策

定期的なメンテナンスだけでは、オフィスビルの老朽化への抜本的な対策とはならない。根本的な対策とは次の3つになる。

建て替え 売却 リノベーション
メリット

・現存ビルのスペックには関係なく最新のスペックを持つビルとして、高い収益性が期待できる

・オフィスの設計次第で現存ビル以上に規模を大きくできる可能性がある

・売却益(キャピタルゲイン)が得られる

・売却益によって資産の組み換えを行うことができる

・比較的コストを抑えて対策を取ることができる

・建物の構造上、許される範囲で最新設備を導入できる

・比較的短期間で実施できる

・立ち退きリスクが小さい

デメリット

・多額の費用がかかる

・時間がかかる

・立ち退きリスクが発生する

・希望通りの金額で売却できるとは限らない

・売却先が現れない可能性がある

・売却時の税負担が発生する

・建て替えほどではないが、一定以上の費用が必要

・建物の構造上の制限によって、導入できない設備がある

まず、最も抜本的な対策と言えるのが、「建て替え」になる。老朽化したビルを取り壊し、新たにビルを建てるため、老朽化による課題からは完全に開放される。しかし、ビルの解体、新築工事には多額の費用がかかる。また、一定以上の時間もかかり、その間、事業用不動産としての収益はなくなることになる。さらに、立ち退きリスクを無視することはできない。一般的に建て替えは立ち退きの「正当な事由」にあたらないとされているため、多額の立ち退き料が発生する可能性がある。

次に「売却」も老朽化対策としてあげることができる。売却益を得ることができるメリットはもちろんのこと、その売却益を活用して新たな不動産の取得など、資産の組み換えを行えるメリットも大きい。しかし、老朽化したビルに望む価格で買い手が現れるかという課題、売却時の税負担が大きい点は懸念材料となる。信頼できる不動産会社に依頼する、「入札」などを利用して売却先を広く募るなどの工夫が必要だろう。

最後の「リノベーション」だが、「建て替え」よりも費用負担が少なく、工期も短く設定できること、立ち退きリスクが小さいことなどがメリットとなる。しかしもともとの建物の構造上、最新の設備が入れられないケースが考えられることに留意すべきだ。

プロパティマネジメントの活用などで、早期から老朽化対策を

3つの対策のどれが望ましいかは、ビルの状況によって異なる。好立地のビルならば、リノベーションによって収益性の改善が見込める可能性が高いだろうし、売却先も見つかりやすいだろう。一方、条件が悪い物件ならば選択肢は狭まる。さらに新築時から用途地域が変更されていれば、同条件での建て替えができないこともあり得る。こういった判断には不動産の専門家の目が欠かせない。

この3つのビル老朽化対策だが、どれも一朝一夕で準備できるものではない。ビル老朽化対策で最大のポイントは、「老朽化する前から、計画的に準備しておくこと」にある。そもそも、長期修繕計画を含め、「ビルの機能維持」を目的として日頃のメンテナンス計画の策定と実行は、ビルの老朽化を遅らせることはできる。しかし、老朽化を止めることはできない。ビルの収益性の悪化、資産価値の下落が深刻になる前から、メンテナンスだけではなく、「将来の老朽化対策」を見据えたビル管理を行わなければならない。こういった計画的な不動産管理を含めて、自社で全て管理するのではなく、プロパティマネジメントサービス、マスターリースなどの仕組みを活用し、不動産の専門家の助力を得ておくことも、オフィスビルの老朽化対策の一つと言えるかもしれない。

三菱地所リアルエステートサービスでは、『ビルの老朽化対策』を含めた総合的な企業不動産運用・管理について、豊富な経験とノウハウを元に総合的なサービスを提供しています。さらに売却プロパティマネジメント、そして空室保証型マスターリースと初期費用ゼロの改修サービスを合わせたビルプラスなど豊富なサービスをご用意しております。
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