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不動産売却には必須? 媒介契約とは?

2019.11.28

媒介契約とは不動産の売却において、不動産会社が仲介するための契約だ。不動産売却には売買契約はもちろん、そこに至る買主探しなど様々な業務が発生するため、この業務を不動産会社に委託することが一般的であり、その内容を定めたものが媒介契約なのだ。今回は不動産売却に欠かせない媒介契約の種類や、契約時のポイント、不動産会社の見極め方などを解説する。

不動産を売却する場合には、媒介契約が欠かせない?

不動産の売却において、不動産会社を通さずに売却するというケースはほとんど聞いたことがないだろう。実際、市場のほとんどの不動産取引では不動産会社が取引に関わっている。それだけ専門的な業務であり、売却先探しなどにも不動産会社のネットワーク、経験が重要だということだ。
不動産売却において、不動産会社が介在することは「媒介契約」に基づいて行われている。これは不動産を実際に売買する契約(売買契約)とは違い、不動産の売主と不動産会社が結ぶ契約で、不動産売却の上では非常に重要なものとなっている。

媒介契約とは、売却の仲介を不動産会社に依頼する契約で、所有している不動産の売却活動の条件や売却した際の成果報酬などを定めている。この契約に基づいて不動産会社は物件の売却活動を行ない、売主の代わりに買主を探すのだ。

この媒介契約で、不動産会社に不動産売却の上でどのような活動をしてもらうのか、仲介手数料をいくらにするのかなどを事前に確定することで、不動産会社の仲介業務がスムーズに進む。
なお媒介と仲介は、意味的にほとんど差はない。ただ不動産売却の契約においては「媒介」という言葉を使う。

3種類ある媒介契約、そのポイントは?

不動産売却において媒介契約は取引をスムーズに進めるために非常に重要である。不動産売却における媒介契約には3つの種類がある。それぞれ解説しよう。

一般媒介契約
一般媒介契約は3つの媒介契約の中でも売主の自由度が非常に高い契約だ。複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができ、売主が自分で買主を見つけた場合は不動産会社を売買契約に介在させる必要はない。
また契約期間に制限がないことも、他の2つの契約とは異なる部分だ。ただし行政指導に従って、契約期間は最長3ヵ月と定めるのが一般的である。
不動産会社は物件の情報を共有する不動産流通機構(レインズ)への登録義務もなく、売却のための活動(販売情報)を売主に報告する義務もない。

専任媒介契約
専任媒介契約は不動産会社1社としか契約を結べないという制限がある。ただし売主が自力で買い主を見つけた場合、不動産会社を介在させずに売買契約を結ぶことができる。ただし、専任媒介契約は不動産業者より媒介活動に関する実費の請求をされる可能性がある。
専任媒介契約は契約期間が最長3ヵ月間と決められており、不動産流通機構(レインズ)への登録も義務づけられている。契約締結から7日以内に、売却物件の情報を不動産会社は登録しなければいけない。
また売主への販売状況の報告を14日に1回以上行う必要がある。

専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は「専属」という言葉が指す通り、不動産会社1社としか媒介契約を結べない。この点は専任媒介契約と同じだ。ただ専属専任媒介契約の場合は売主が自力で買主を見つけたとしても、不動産会社を仲介として介在させて売買契約を結ばなければいけない。
不動産会社は契約から5日以内に不動産流通機構(レインズ)に登録し、販売状況を7日に1回以上、売主に報告することが定められており、もっとも高頻度で販売状況を把握できる。

ここまで一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3つを説明したが、不動産会社は確実に仲介手数料を得られる専属専任媒介契約をすすめるケースが多い。
売主の視点から見ると、仲介手数料が必ず発生する点でデメリットを感じるかも知れないが、不動産会社は専属専任媒介契約に基づいて、良い条件の買主探しにも力が入るはずだ。
また不動産流通機構への登録も5日以内と最も早く、売却物件の情報が早く市場に流れる点でも売主にはメリットが大きいと言える。

一般媒介契約は販売状況の報告や不動産流通機構への登録義務がないものの、複数の不動産会社と媒介契約を結べるため、売却先を広く探せるというメリットがある。

不動産売却の媒介契約には3つの契約があるが、それぞれメリットやデメリットがあるため、売却物件の特性や自社の状況に応じて契約を使い分けると良いだろう。

3種類の媒介契約のポイント

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の不動産会社
との契約
同時に複数の不動産会社と契約可能 契約は一社のみ 契約は一社のみ
自分で買い手を
見つけた場合
不動産会社の仲介なしで売買可能 不動産会社の仲介なしで売買可能 自社で買い手を見つけた場合でも、契約した不動産会社の仲介が必要
契約期間 規定なし
(行政指導に従って、
3ヶ月が一般的)
最長3ヶ月 最長3ヶ月
不動産流通機構
(レインズ)
への登録義務
登録義務はない 契約から7日以内に登録 契約から5日以内に登録
販売状況報告の頻度 規定なし 14日に1回以上 7日に1回以上

媒介契約を結ぶ際のチェックポイントとは?

媒介契約は不動産売却の上では欠かせない契約である。ここでは媒介契約を締結する際にチェックしておくべきポイントを紹介する。

まず媒介契約の契約内容はほとんど、国土交通省の標準媒介契約約款に準じている。よって確認すべきことは自ずと限られている。

(1)媒介契約の種類
媒介契約は3種類あった。「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」のいずれの契約に該当するのかをチェックし、今回の不動産売却に適した契約かどうか確認する必要がある。

(2)不動産流通機構への登録に関すること
専任媒介契約、専属専任媒介契約では不動産流通機構(レインズ)への登録が義務づけられている。
不動産流通機構(レインズ)とは国から指定された不動産流通機構が運営している不動産の流通情報システムで、会員の不動産会社は物件情報を登録、閲覧(検索)できるようになっている。

(3)売主への業務報告に関すること
業務報告は頻度が規定によって定められており、専任媒介契約では14日に1回以上、専属専任媒介契約では7日に1回以上である。業務報告が形だけのものとならないよう、業務の結果、レインズに登録したことや広告の方法、他の不動産会社との連携などについても確認しておきたい。

(4)契約の有効期間(更新について)
契約期間は規定によって最長3ヵ月だが、3ヵ月経っても買主が見つからない場合、契約の終了又は更新、売却条件の見直し等、媒介契約がどのようになるのか確認しておく必要がある。

(5)報酬に関すること
報酬はいわゆる仲介手数料のことで、不動産会社に支払う手数料額は必ず確認しておかなければいけない。

(6)違約金や媒介契約解除時の実費請求に関すること
媒介契約の不履行など違約金や媒介契約解除時に媒介活動に関する実費の請求などが発生するケースがあるかもしれない。事前に確認しておくべきだ。

3種類ある媒介契約では、報告義務や契約の有効期限などはほとんど規定されている。契約前には上記のチェックポイントと契約する不動産会社の信頼度や経験度(例えば大規模物件を依頼するのであれば、そのような大規模物件の取り扱い経験があるか、また住宅用物件の経験、商業物件の経験があるか、その地域の実績があるかなど)もチェックしておくといいだろう。

仲介手数料はどうなるのか? 違約金についても解説

まず媒介契約は売買契約が成立した時点で、不動産会社に仲介手数料を支払う義務が発生する。つまり成果報酬である。仲介手数料は以下のように上限値が定められている。

売買価格200万円以下の部分:5% 以内
売買価格200万円超〜400万円以下の部分:4% 以内
売買価格400万円超の部分:3% 以内

例えば、300万円で土地を売却した場合、「200万円×5%+(300-200万円)×4%」で、14万円となる。400万円以上の取引の場合には、「売買価格×3%+6万円」の速算式が適用される。ただし、この金額は「上限価格」であるため、媒介契約の内容によって、この価格以下で設定される。また、この金額は消費税の課税対象となり、消費税も加えて支払うこととなる。

専属専任媒介契約を締結する際、気をつけなければいけないのが違約金である。前述した通り、専属専任媒介契約では売主が自力で買主を見つけたとしても、不動産会社を仲介する義務が発生するのだ。
この義務を無視して、不動産会社を仲介せずに不動産の売買契約を行った場合、専属専任媒介契約を結んでいる不動産会社に違約金を支払わなければいけないケースがある。なお違約金の上限金額は仲介手数料と同額である。

不動産売却には媒介契約が欠かせず、多くの場合、仲介手数料を支払うことになる。よって不動産会社を選ぶ際には、様々なソリューションを提供するスキームを持った不動産会社と契約することが望ましいと言える。
どのような顧客層の売買を得意としているか、どの程度の物件規模の買主を見つけ出すネットワークを持っているかなど、媒介契約を締結するにふさわしい不動産会社を見極めることが重要である。

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