住環境ニーズの多様化をとらえ、賃貸マンション運営の視点からご提案する“商品企画”

 マーケットの動向をきめ細かく把握したうえでオーナーの皆様のニーズを見据え、多様に変化しつつある入居者ニーズも的確に捉えた資産価値の高い商品企画を提案。三菱地所リアルエステートサービスは、ワンルームから賃料100万円を超えるような高級マンションまでの幅広い層を対象とした賃貸マンション運営の豊富な実績を基に、オーナー様のご意向に沿ったオーダーメイドなソリューションを提案します。賃貸マンション運営に関する様々な提案を行う住宅受託営業部の、現場からの声をお届けします。

住宅受託営業部の成り立ちと事業内容
坂井

役員補佐(賃貸事業グループ)住宅受託営業部長 兼務  坂井 康太

 私たち住宅受託営業部は賃貸事業グループに所属し、賃貸マンションの運営受託を行っています。
 賃貸マンションに関する事業は1987年にスタートしています。当初は三菱地所が等価交換事業で開発した分譲マンションで、地権者が持分取得した住戸を自らが使用しないため賃貸したいという要望から、我々が借り上げて賃貸するところから始まりました。1990年代からオーナー様の資産の有効活用として、賃貸マンションを企画・運営し一括借り上げして転貸する事業が本格化しました。以降オーナー様の賃貸運営のお手伝いを長きにわたりさせていただいております。当社の流通仲介事業からの派生としてではなく、あくまでも賃貸事業を当社のCREコンサルティングのコア事業ととらえて、商品企画の段階から賃貸運営管理まで一気通貫でそのノウハウを醸成しオーナー様の期待に応えて参りました。
 現在約6,000戸の住戸を管理しており、都心5区を中心にワンルームから1LDKのシングル・コンパクトタイプ、賃料100万円を超えるような高級マンションまで幅広いバリエーションを対象とした賃貸マンションの運営を展開しています。

新しい生活スタイルによって大きく変化した住環境ニーズの多様化

古賀
 賃貸マンションに求められるニーズの傾向としては、これまでも働き方改革の一環として在宅勤務を取り入れる企業が少しずつ増えていましたが、コロナ禍の緊急事態宣言発令によって在宅勤務が日常化し、住宅にも仕事をする場としての役割がより一層求められるようになってきました。
 オンラインで打ち合わせをする際に背景画面に生活感が見えてしまうなどの物理的な課題や、仕事と生活のオンオフが切替えられず気分転換が出来ないという心理的な課題が生じたために、例えばワンルームの企画を1DKに変更することで、住宅の中で働く場所と生活する場所の住み分けをするというニーズが増加しています。
 共用部設備のニーズとしても、ワークスペースや、ウェブ会議やウェブセミナーの配信ができる防音設備対応の個室を用意したマンションが出てきている点など、ここでも在宅勤務の対応に関する需要の高まりが感じられます。
 またファミリー向けのマンションでは、コロナ禍で外出が難しいなかお子様を遊ばせる場所として、キッズスペースの需要が高まっています。分譲マンションの場合、キッズスペースはお子様の成長に伴い不要となるケースも多く、入居者の入れ替わりが多い賃貸マンションにこそ求められるニーズと言えます。

生活スタイルの変化に対応した間取りの変更例

髙橋
 長い自粛生活の中で、生活スタイルが変わったことで、住まいのあり方が多様化しています。
 コロナ禍以前の都心の一般的な単身者の生活スタイルは仕事が中心で、住宅は寝るための場所という考え方が主流でした。そのため、マンション選びは「職場から近い25㎡のワンルーム」という立地重視のセオリーが成り立っていましたが、例えばコロナ禍で在宅勤務が増えたことによって、職場からの距離よりも部屋の広さや共用施設・サービスを優先するなど、入居者によって選択肢の優先度が変わってきています。
 また、プライベートの時間を都心のターミナル駅付近で過ごすことを目的として周辺に住んでいた人が、自宅で過ごす時間が増えたため、検討エリアが分散する傾向もあります。
 このように在宅時間が長くなり、一日の過ごし方も変わったことで、住環境へのこだわりも高まるなど、生活空間として住宅に求めるものが変化しています。
古賀
 入居者のニーズの多様化に拍車が掛かったことで、マーケットの中で、コロナ禍以前の固定観念が崩れつつあります。
 例えば、駅前のワンルームであれば賃料が高く、高稼働も維持できていましたが、その従来のセオリーが当てはまらないケースも散見されつつあります。
 計画地にはどのような生活スタイルでどのようなマンションに住みたい人が多いのかといった要件を設定することがマンション経営に必須です。
坂井
 また以前は、賃貸マンションは住宅購入までの一時期を過ごす場所という考え方が多く見られました。しかし現在は引越しがカジュアル化しており、我々が退去時に実施しているアンケートでも、退去する理由に気分を変えたいという意見もあるなど、賃貸マンションを渡り歩く人も見られるように変化していることから、賃貸マンションこそ住空間としての快適性も求められています。
 我々は、このように変化しつつあるターゲットを明確化し、そのニーズに合った企画及び運営の提案をすることが重要と考えています。
賃貸マンション運営の視点による提案
古賀

賃貸事業グループ 住宅受託営業部 次長 三課長 商品企画チーム 兼務 古賀 賢治

 我々は、ゼネコンや設計会社と異なり、マンションを建ててお引き渡しして終了という訳でなく、オーナー様のマンション経営に、賃貸マンションの運営を担うプロパティマネジメント会社として、長期にわたり携わっています。
 建物のデザイン性がどんなに優れていたとしても、トレンドに左右され陳腐化するリスクやコストが掛かり長期的に見て維持管理が難しい要因があれば、オーナー様が適切なご判断を頂けるよう提案します。間取り構成も安定収益を求められるケースでは、1棟にワンルームとファミリータイプを混合させ稼働率の大きな変動を避けた間取構成を提案します。
 また地権者の方は、その地域に貢献をしたいという強い思いを持つ方が多くいらっしゃいます。更にそこで事業展開されている方であれば、本業の事業戦略に関連してマンション経営をされるケースもありますので、オーナー様の思いや企業ブランドのご意向を基本コンセプトに加えます。
 一方、オーナー様のなかには、投資目的で転売したいという方もいらっしゃいます。
 その場合には、早期に満室にして売りやすい物件とすることが最優先となるため、エリアで人気の高い間取りを丁寧にリサーチの上提案します。また売却という選択肢にあたっては当社の流通部門と協力してより効率的な売却プランの提案も可能です。
 こういったオーナー様毎のご意向を踏まえながら、5年後10年後のリーシングまで見据えた提案をします。

徹底したマーケティング・ターゲティング
古賀
 商品企画の第一段階として、人口動態や行政計画等の机上調査に加え、計画地のエリアを隈なく歩き回ることから始めます。その町に何があり、どんな人が住んでいるかなど、あらゆる角度から細部にわたりその土地の特性を徹底的に調査します。
髙橋
 例えば商業施設に店舗を出店する場合は、商圏がある程度明確になっているため、その商圏内でのマーケティング分析が徹底的に行われていると思います。
 一方、都心の賃貸住宅の場合、入居者の転居元が広域に及び、商圏が計画地周辺に限られずに個人個人のライフスタイルや地縁等に左右されるため、人流の特性を分析することが難しく、セオリーが成り立ちにくいと考えます。
 セオリーが成り立ちにくいからこそ、その土地にどんなマンションが適しているのか、一物件毎にオーダーメイドで最適な提案をしています。
古賀
 マーケティングをもとに、どのようなタイプの人が住むのか、ターゲティングを行います。ベースとなるターゲットが明確でないと、どんなに企画を練ってもコストを掛けても、計画に一貫性がなくなり、例えば、建物は豪華だが選ばれにくいといった問題が生じることもあります。またターゲットが絞れていないと、その後のリーシング活動においても、どこに向けてどんな広告を打ち出せばよいのか方向性が曖昧になるといった運営上の課題が出てきます。
 これらに加えて長期的なコストや土地特性、オーナー様の意向を含めたコンセプトメイキングは商品企画に欠かせません。
髙橋
 そのため当社では、ペルソナ(仮想の人物像)を設定して、オーナー様と入居者のイメージを共有できるようにライフスタイルのストーリーを作成します。
古賀
 ターゲットを明確に設定することにより、キッチンや洗面所に必要な広さや仕上げ材や色など、具体性をもった適切な提案をすることが出来ます。
 共用部の設備や仕様については、何がどこにどのくらいの規模が必要なのかを詳細に検討します。例えば、駐輪場は規模だけでなく、セキュリティラインをどこにするか、出入り口に扉が必要か、デザインと利便性・安全性のバランスをどう保つかなど、一般的な設備に関してもより深く検討しています。
 また、実態として利用率が高くないケースも多いフィットネスジムなどの設備でも、常にリーシングを控える賃貸マンションにとって宣伝効果が高いと判断をすれば、設置を提案することもあります。
 オーナー様は、限られた予算の中でどこにコストを掛けるべきか、優先度を決める判断が必要となります。そのためにも的確なターゲティングが必要となります。
髙橋

賃貸事業グループ 住宅受託営業部 三課 商品企画チーム  副主事 髙橋 千秋

 また、当社は新築の企画だけでなく既存の賃貸マンションの見直しも行っています。築年数が経過している物件に関しても新築と同様に、ターゲットを改めて提案しています。
 過去にはコンパクトな間取りにも関わらず、天井カセット式のエアコンが設置されていたオーバースペックの賃貸マンションを、設備更新のタイミングでコストを考慮して壁掛けエアコンに更新しました。またエアコン工事に伴い天井や壁の工事も発生したため、入居者ニーズを考慮した間取り変更も併せて提案し、コストを可能な限り抑えながら賃料を上昇させて収益性が向上した事例もあります。

常に商品企画を模索し続ける
坂井
 当社の徹底したマーケティング・ターゲティングや賃貸マンション運営のノウハウを裏付けとした商品企画が強みとなり、近年ではデベロッパーやゼネコン・設計会社からも、当社が培った商品企画の知見が求められるケースが増えています。
 私たちはマーケットの変化に適応し、常により良い商品企画を追求し続け、オーナー様に求められる賃貸マンションを提案することを目指しています。

Profile

三菱地所リアルエステートサービス
役員補佐(賃貸事業グループ) 住宅受託営業部長 兼務

坂井 康太

第三セクター系デベロッパーを経て1990年三菱地所住宅販売(現三菱地所リアルエステートサービス)入社。ビル仲介・ビル運営、賃貸住宅運営・新規受託と賃貸事業全般に携り、九州支店勤務を経て、2021年より現職。

三菱地所リアルエステートサービス
賃貸事業グループ 住宅受託営業部 次長 三課長 商品企画チーム 兼務

古賀 賢治

地域密着型プロパティマネジメント会社での勤務を経て、2013年に入社。その後は賃貸マンションの運営に従事。資産価値最大化の為の戦略立案、ハード・ソフト両面における建物管理運営、コールセンター立ち上げを担当する等社内外からの信用も高い。現在は住宅受託営業部に所属、商品企画チームを兼務。

三菱地所リアルエステートサービス
賃貸事業グループ 住宅受託営業部 三課 商品企画チーム 副主事

髙橋 千秋

2015年入社。住宅運営部にて当社管理物件のリーシング業務・運営管理業務を担当。その後、住宅受託営業部三課に配属。住宅運営部での経験も活かし、管理会社目線で入居者にとって使いやすい間取りや、募集時にアピールしやすい企画などを考え、オーナー様に提案を行っている。

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バックナンバー
  1. vol.11
    住環境ニーズの多様化をとらえ、
    賃貸マンション運営の視点からご提案する
    “商品企画”
    (賃貸事業グループ
    住宅受託営業部 商品企画チーム
    坂井 康太 / 古賀 賢治 / 髙橋 千秋)
  2. vol.10
    駐車場から始まる街づくりの未来
    新会社「三菱地所パークス」が描く
    次世代の駐車場事業
    (三菱地所パークス コンサルティング本部
    平川 修一 / 荻田 健之
    三菱地所リアルエステートサービス
    経営企画部 富田 剛史)
  3. vol.09
    経年ビルを効率的にバリューアップ
    ビルが持つ個性を活かした付加価値により
    資産価値を最大化する「ビルプラス」
    (ビル受託営業部  ビルプラス営業課
    近藤一成 / 佐々木亮太 / 佐藤佑樹)
  4. vol.08
    理想のオフィスを実現するために。
    最適なソリューションをご提供する「Office Well」
    (ビル営業一部 カスタマーリレーションチーム  池田 顕治 / 長政 亮 / 東海林 翼)
  5. vol.07
    M&Aで活かす不動産
    投資助言部がご提案する
    M&Aソリューションの新たな活用手法
    (投資助言部 三好 実 / 小原 慎司)
  6. vol.05
    最新のオフィス事情から考える
    借りるニーズの多様性。
    (ビル営業部 蓮山 正志 / 小笠原 啓史 / 柴 理沙子)
  7. vol.04
    CRE戦略の最新事情。
    担当者の声から見えてくる
    企業価値の行方。
    (企業不動産部 大塚 裕一 / 齊藤 嘉久 / 手塚 優子)
  8. vol.03
    路線価から見る不動産動向。
    企業は動くべきか静観するべきか。
    (鑑定部 山中 英明/高垣 勇喜)
  9. vol.02
    働き方改革、働くことの意義や働きやすさを
    考える上で移転は改革推進のエンジンとなる。
    (本社移転プロジェクトメンバー)
  10. vol.01
    リアルな現場キックオフ!
    お客様へのトータルソリューションの体現
    (代表取締役社長 田島 穣)