賃貸オフィスエリアレポート 品川・高輪エリア

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目次

複数の再開発事業が同時進行する品川・高輪エリア。
2020年の高輪ゲートウェイ駅の暫定開業をはじめ、品川駅のリニア開業、羽田空港の本格的な国際化など、広域交通結節点として高まる地域のポテンシャルを受け、同エリアでは日本を代表する国際交流拠点の創出に向けた、まちの進化が加速している。

古くから交通・物流を担うまち

古代より多くの商船が行き交う港町を有した品川は、長きにわたって要衝として東国で重きをなした。江戸時代には日本橋を起点とする五街道江戸四宿の中で唯一海に面する宿場町として、陸路と海路の両方から人や物資、情報を集積。幕末には欧米各国の公使館が建ち、高輪の寺院は公使の宿舎に利用された。明治時代になると日本で最初の鉄道駅が開業。全国有数のターミナル駅として成長を遂げる。

東海道五拾三次 品川・日之出
「東海道五拾三次 品川・日之出」
画像提供:品川区立品川歴史館

広域交通拠点としてのポテンシャルを強化

JR在来線や京浜急行電鉄、東海道新幹線が乗り入れる日本有数のターミナル駅・品川駅。羽田空港や成田空港へのアクセスも良好な都心の玄関口で、国内各所はもちろん海外含めた広域交通結節点として知られる。大きな期待を寄せられるリニア中央新幹線の品川~名古屋間の先行開業が2029年以降に控え、東京メトロ南北線の品川~白金高輪間の延伸が予定されるなど、鉄道網の強化は今後も進む。
自動車道では環状第4号線の港南・高輪区間における工事が2019年からスタート。鉄道や第一京浜(国道15号)の上空を東西に走る高架道路が建設される。品川駅周辺の課題だった東西の移動の改善に加え、都内各所へのアクセスもますます良好になる。

品川駅周辺が一つの大きなまちへと進化

交通網の整備事業が進むなか、未来に向けた品川駅周辺のグランドデザインも発表。東京都都市整備局の「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020」では、「これからの日本の成長を牽引する国際交流拠点・品川」が掲げられた。「外国企業の誘致を推進」や「東海道軸にある高度なモノづくり産業・技術と連携・融合」「観光立国・MICEの推進拠点」などを目指し、オフィスビルや複合施設、交流エリアを新たに整備。品川駅の東側(港南口)、西側(高輪口)、北側の各エリアでそれぞれに特性を育んできた駅周辺を、一連の再開発事業で一つに融合させた新しいまちへの生まれ変わりが描かれる。

横浜側から見た品川駅西口駅前広場の機能のイメージ
横浜側から見た品川駅西口駅前広場の機能のイメージ。
画像提供:国土交通省東京国道事務所
※将来必要となる機能をイメージしたものであり、整備内容を決定したものではありません。

各エリアで深まる特性とそれぞれの再開発事業

1990年代から再開発事業が進み、現在は都内有数のオフィス街を形成する駅東側。東海道新幹線の改札口を有する交通利便性の高さから、現在ではNTTグループや日本マイクロソフト、ソニー、東洋水産、大塚ホールディングスなど、業種を問わず全国・海外展開する企業が本社を構えており、今後の再開発で品川を本拠地とする企業の増加が期待される。対する駅西側は1950年以降に建設されたホテルや娯楽施設などの老朽化が課題となり、現在は新たなまちづくりが活発化。駅前のシンボルであったシナガワグースも所有者の京浜急行電鉄が、トヨタ自動車を共同事業者に迎え計画を進めている。完成後の高層複合ビルの一部は、トヨタ自動車がオフィスとして利用予定。リニア中央新幹線の開通後は、トヨタ自動車が本社を構える愛知県と都内、そして海外がより近くなる。
長らく車両基地などの鉄道用地として利用された駅北側は、2020年に高輪ゲートウェイ駅が暫定開業。その付近では国際的な大手企業や国際会議の受け皿となる複合施設などが計画された、大規模な再開発事業「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」が進行中だ。
これら3つのエリアの核となる品川駅には北口改札が新設されるほか、高輪ゲートウェイ駅方面へ続く歩行者デッキの建設が計画されている。3つのエリア間の移動をスムーズにすると同時に、「国際交流拠点・品川」に相応しい未来型の駅前空間が誕生する。
一連の再開発事業で生まれ変わる品川・高輪エリア。長らく培った交通拠点としての利便性を大いに活かし、都内有数のビジネス街に比肩する人・モノ・情報が集積するエリアへの進展が期待される。

移転視点

  1. 全国展開企業の本社や外資系の日本法人が拠点を置く
  2. 羽田空港の本格的な国際化で海外へのアクセスもさらに便利に
  3. 2029年(予定)のリニア中央新幹線の開通でまちの価値がさらに向上
  4. 大型再開発による国際交流拠点としての今後のまち自体の成長に期待

ビジネスマップ

高輪ゲートウェイ駅周辺や、品川駅西側などで大規模な再開発事業が進行中。
都内や国内移動における交通拠点を担うだけでなく、国際交流拠点としてまちが大きく生まれ変わる。

  • 竣工済みプロジェクト
  • 竣工予定プロジェクト
マップ

竣工済みプロジェクト

  • 高輪ゲートウェイ駅
    竣工:2020年3月(暫定開業)
  • oak港南品川
    竣工:2022年7月

竣工予定プロジェクト

  • (仮称)品川港南ビル新築工事
    竣工予定:2024年9月
  • 泉岳寺駅地区
    第2種市街地再開発事業
    竣工予定:2028年
  • 品川駅西口地区
    竣工予定:2026年度以降順次
  • 品川駅北口駅
    改良・駅ビル整備事業
    竣工予定:2031年
  • 品川駅北周辺地区市街地
    再開発事業
    竣工予定:2031年度

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新たにビジネスと文化を生み出す巨大なまち高輪ゲートウェイシティ(仮称)

2025年度開業予定

複合棟Ⅰ:オフィス、ホテル、MICE等
複合棟Ⅱ:オフィス、商業、子育て支援施設等
文化創造棟:展示場、ホール等
住宅棟:住宅、インターナショナルスクール等

「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」と名付けられた大型の再開発事業で、「Global Gateway」をコンセプトにする。計画では田町から高輪ゲートウェイ駅の間に4棟の高層ビルが連なる。国際的な大企業の本社機能の入居を想定したハイグレードなオフィスを導入予定だ。他にもホテルや商業施設、クリニック、子育て支援施設なども備えた新たなまちがつくられる。

高輪ゲートウェイシティ(仮称)のイメージ画像
画像提供:東日本旅客鉄道株式会社

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品川駅西口が品格ある迎賓都市・開かれたまちへ品川駅西口地区A地区

2026年度竣工予定

地上29階/地下4階

オフィス、商業、ホテル、
MICE、駐車場

品川駅高輪口前の複合施設「シナガワグース」跡地に計画された延べ面積約313,100㎡の大規模開発。高層階にラグジュアリーホテル、中層階はオフィス、下層階には商業施設やMICEが入る。ビルの周囲には駅と公園を連続的につなぎ、駅前の賑わい形成に寄与する広場や公園など、連続したまとまりある緑地が整備される。

品川駅西口地区A地区のイメージ画像
画像提供:東日本旅客鉄道株式会社

※本記事の内容は2022年9月時点のものです。

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