賃貸オフィスエリアレポート 大崎・五反田エリア

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オフィス街、学生街、繁華街、住宅街など多様な構成要素を有する大崎・五反田エリア。拠点を構える企業も製造業からIT業と幅広く、近年の再開発事業では、多様な個性の連携や融合による新たな協創に期待が高まる。

永くソニーの一大拠点だった名残り ソニー通り

五反田駅前にある大崎広小路交差点から新八ツ山橋交差点まではソニー通りと呼ばれる。その名の由来は、戦後まもなく通り沿いにある品川区御殿山にソニーが本社や工場を移転したことに始まる。2007年までの約60年間にわたり「ソニー村」とも言われた一大拠点を同地に形成。八ツ山は北品川北端の地名で、かつて海岸だったこの地に八つの岬が海に突き出していたことが由来と伝えらえている。

1958年頃の五反田駅方面から撮影したソニー通り
1958年頃の五反田駅方面から撮影したソニー通り
画像提供:品川区広報広聴課

都心から程よい距離で好条件がそろう場所

JR山手線の南端に位置する大崎・五反田エリア。東京の玄関口である品川と隣接し、山手線をはじめ都営浅草線、東急池上線、りんかい線などの鉄道が乗り入れ、新宿や渋谷、臨海エリアという他の副都心とも直接つながる。羽田空港へのアクセスも良好で、都内はもちろん、国内各地、そして海外への交通利便性の高い場所である。
元々は、都心部から程近くまとまった敷地と目黒川による用水を確保できる場所として、明治時代以降に機械、金属、化学工場が数多く建てられた。その周辺には町工場が集積し、工業エリアとして日本の近代化に寄与する。
その後、大崎・五反田エリアでは、工場で働く人々を対象とした住居や飲食店、商店が増えていったが、戦後に工場が郊外へ移転。高度成長期には、その跡地にマンションなどが建設されていく。他方で、目黒川北側の高台にあった大名屋敷の跡地は城南五山と呼ばれる都内屈指の高級住宅地になるなど、独自の発展を遂げた。

エリア全体を充実させる副都心としての都市開発

1982年に副都心の一つに位置づけられると、都市開発が進展していく。「大崎ニューシティ」や「ゲートシティ大崎」などの大規模再開発によりオフィスを中心とした大型複合ビルの建設や、道路・公園なども整備され、工場が多く閑散としていた大崎駅前は、にぎわいのある場所へ生まれ変わる。2002年には都市再生緊急整備地域に指定され、エリア全体でまちづくりが活発になった。
近年の大崎駅付近では、かつてソニー本社ビルがあった場所に「住友不動産大崎ツインビル東館」が2022年に竣工。隣地には2025年に竣工予定の「住友不動産大崎ツインビル西館」が建設中で、両タワーは地域の新たなランドマークとして期待される。
一方の五反田駅周辺では、2011年に策定された「五反田駅周辺にぎわいゾーン まちづくりビジョン」に基づく取り組みがスタート。駅周辺で進む再開発をにぎわい拠点として、まち全体の活性化と発展を目指す。
時代の変遷の中でエリアに根付いたさまざまな要素が、ここ数十年の再開発の進行により連携と融合を深め、多様なニーズに対応するまちへと完成度を高めている。たとえば、新旧の飲食店や商店が充実しており、住環境も整備され職住近接が可能である。また、両駅前や沿道の再開発に伴い、回遊性の向上を目的とした歩行者ネットワーク機能の強化や緑化の推進など、まち全体の環境整備にも注力している。

エリアの新たな原動力 五反田バレー

再開発事業でまちの様相が時代と共に変化しても、昔ながらの商店街が残っているため、下町感を感じられるのも同エリアの特徴だ。交通利便性や職住近接といったエリア特性もあり、2014年頃からIT系のベンチャー・スタートアップ企業が集まり、現在は一大集積地となっている。アメリカのシリコンバレーに倣い「五反田バレー」と呼ばれ、一般社団法人五反田バレーがそれらの企業を中心に組織されている。企業や行政を超える起点として、社会課題を解決するコミュニティづくりの支援をテーマに活動。品川区と協定を結び、コロナ禍の2020年には会員企業が品川区商店街連合や品川区と協働し、商店街店舗へのIT導入をサポートするなどの取り組みも行った。他にも地元商店街の広報活動を行うなど、地元とのコラボレーション企画は、両者に多角的なメリットを生み出している。
副都心としての機能を有する一方で、古くから根付く製造業とIT企業の融合する他にはない場所としても注目される大崎・五反田エリア。今後の展開が期待されている。

2023年度版 五反田バレーマップ
五反田駅・大崎駅周辺に多くのIT系ベンチャー企業などが集まる
引用元:株式会社キャンパスクリエイト

移転視点

  1. 都内各所、地方、羽田空港へのアクセスが至便
  2. 職住近接が可能
  3. スタートアップ企業の発展を支える開発が進む
  4. 大規模オフィスビルが増加し、事業拡大に伴う移転にも対応可能

ビジネスマップ

新たなシンボルとして期待される住友不動産大崎ツインビル西館の建設、五反田を代表する施設である新TOCビル計画など、複合的な要素を備えた大型再開発事業が各所で進行。
それに伴い、IT系ベンチャー・スタートアップ企業が拠点を構えやすくなるような新たなまちのイメージの形成を目指す。

  • 竣工済みプロジェクト
  • 竣工予定プロジェクト
マップ

竣工済みプロジェクト

  • 住友不動産大崎ガーデンタワー
    竣工:2018年1月
  • 住友不動産大崎ツインビル東館
    竣工:2022年1月
  • JR目黒MARCビル
    竣工:2022年3月

竣工予定プロジェクト

  • 五反田JPビルディング
    竣工:2023年12月
  • 大崎駅西口F南地区
    第一種市街地再開発事業
    竣工:2025年11月
  • 新TOCビル計画
    竣工:2027年春
  • 東五反田二丁目第3地区市街地再開発
    竣工:2027年度

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エリアの新たなシンボルとなる環境配慮オフィス住友不動産大崎ツインビル西館

2025年春竣工予定

地上14階/地下1階

事務所、店舗、駐車場

JR山手線大崎駅から五反田駅に至る東五反田地区。その北東端で住友不動産が進めるプロジェクト。隣接する敷地はソニー本社の跡地で、2022年に住友不動産大崎ツインビル東館が竣工している。
東館と対をなすように建設される西館(総貸室約6,000坪)は、ワンフロア約500坪の整形無柱空間を有し、万全のBCP対策を施したハイグレードオフィス。さらに敷地周辺の道路は拡幅整備し、安心・安全な歩行者ネットワークを形成する。東側道路沿いには、地区内外の居住者や就業者が気軽に利用できる広場が整備される。

住友不動産大崎ツインビル西館のイメージ画像
画像提供:住友不動産株式会社

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人が集まりつながるコンパクトオフィスCIRCLES五反田

2023年11月竣工予定

地上11階

事務所、店舗

地下鉄五反田駅出入口すぐ、JR五反田駅徒歩2分。桜田通りに面した角地で建設が進められている、11階建て、延床面積3,600㎡のオフィスビル。三菱地所が企画・開発するコンパクトオフィスシリーズ・CIRCLESとして計画されており、オフィスに求められるセキュリティやスペック、充実した共用スペースが備えられる。

CIRCLES五反田のイメージ画像
画像提供:三菱地所株式会社

※本記事の内容は2023年10月時点のものです。

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