賃貸オフィスエリアレポート 神田・秋葉原 エリア

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目次

神社や史跡などの伝統建築と近代的なオフィスビルが融合した街並みが特徴的な神田・秋葉原エリア。日本屈指のビジネス街・大手町、丸の内に近く、電気街、IT拠点、サブカルの発信地など独自の特徴のある、多様な側面を持つエリアといえるだろう。
2000年代以降、内神田・外神田地区では大規模な開発が行われており、神田川沿いの自然空間やエリアに点在する歴史的建造物との調和を図りながら、新たなまちへと変貌を遂げつつある。

江戸の食を支えた大規模市場「神田青果市場」

現在の神田須田町交差点付近にあった「神田青果市場」。1612年、江戸庶民の食料需要に応えるために幕府が伊勢商人を呼び寄せたことに始まり、「御用市場」として栄えた。約15,000坪の敷地に卸売屋が軒を連ね、神田川の水運でもたらされた新鮮な野菜を求める人で賑わったという。1923年の関東大震災で壊滅的な被害を受けたが、復興事業の一環で秋葉原へ移転して市場を再開。1989年に大田区に再移転するまで、関東一円から青果が集まる食の拠点となっていた。日本農業新聞の本社が秋葉原にあるのはその名残である。

路上に多数の野菜が並び、多くの人で賑わうかつての様子
出典:『東京風景』,小川一真出版部,明44.4. 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/764167(参照 2024-05-31)

交通至便 豊かな文化が交錯するエリア

神田・秋葉原エリアは千代田区の東側に位置し、JRと神田川を中心に南北に広がっている。企業や大学が多い神田は「サラリーマン・学生の街」、電器店やアニメ・ゲーム関連ショップが多い秋葉原は「電気街」「サブカルの街」として知られており、近接したエリアでありながら特色ははっきりと分かれている。戦後、神田須田町に集積した電機部品の露天商が秋葉原に移転したことが電気街形成のきっかけとなるなど、相互に関わりがある。
両エリアに共通する最大の魅力は、高い交通利便性。青果市場があったため、明治・大正時代に鉄道・都電が整備され、多くの卸売業者が店を構えるなど、人が集まりやすいまちだった。現在も神田駅にはJR山手線をはじめとする4路線、秋葉原には5路線が乗り入れており、新宿・東京といった主要ターミナル駅から直接アクセス可能。さらに秋葉原はつくばエクスプレス(2005年開業)の起点駅で企業の工場がある北関東方面へアクセスする。また、飲食店が豊富なこともこのエリアの特徴。古くからの学生街でもある神田では、ビジネスマンの財布にやさしい「安くておいしい店」がグルメランキングで上位を占める。神田から秋葉原方面に向かうと、旧万世橋駅の遺構を再利用した商業施設「マーチエキュート神田万世橋」があり、レストラン・カフェなどが多数出店して人気を博している。

一大IT拠点へと発展した秋葉原
神田川周辺でも再開発が進む

2000年に策定された「東京構想2000」において、「秋葉原をIT産業の世界拠点にする」とのガイドラインが定められた。これに基づいて青果市場跡地の再開発が進み、2006年に「秋葉原クロスフィールド」がグランドオープン。「秋葉原ダイビル」「秋葉原UDXビル」を皮切りに合計9棟の高層ビルが建設され、数多のIT企業が本社を置くなど、「電気街」「オタクの聖地」といったそれまでのイメージを一変させた。現在、PCメーカーやメディア事業、ソフトウェア開発会社などが各ビルに入居し、ITのみならず産学連携やMICE機能も有する拠点としてビジネス・商業の発展を担っている。

一方、神田須田町・神田淡路町界隈の「外神田一丁目南部地区」では、神田川両岸を中心に自然との交わりや歴史の継承、防災などを見すえた再開発が進行している。特に面積約1,000㎡の親水広場には、船着き場や歩行者デッキが整備され、老朽化した施設を更新するとともに、商業機能の誘致などによって人を呼び込みつつ安全・安心に暮らし続けられる計画が立てられている。

「外神田一丁目計画基本構想(改定版)」を加工して作成
画像提供:千代田区

下町の風情を残しながら更に活気あるオフィス街へ

神田明神やニコライ堂などの伝統建築や江戸情緒あふれる町並みが残る神田エリア。こうした風情の要素を生かしつつ、神田駅周辺では商業施設・オフィスビル・住宅が調和するまちづくりが行われている。開業から105年が経過する神田駅は、地域のシンボルとなるような新駅舎への改築、より安全に利用するための整備・改善が構想されている。また、エリア南端でスタートした「(仮称)内神田一丁目計画」は、高層テナントオフィスビル。日本橋川に接する立地を活用し、約1,000㎡の交流広場や大手町と直結する人道橋を備えるなど、神田・秋葉原エリアの回遊性と価値向上に資する空間の醸成をめざす。
「青果市場」に始まり、「家電」「サブカル」「IT」と時代によってまちの様相を変えてきた秋葉原と、昔からのたたずまいが受け継がれてきた神田。両者は進化の経緯こそ対照的だが、アクセス・飲食ともに利便性に恵まれており、ビジネス拠点として十分な機能を有するエリアとして、今後も注目度が高まっていくことだろう。

移転視点

  1. 東京駅や各方面へアクセスが良好
  2. 「東京構想2000」で定めるIT企業の集積地
  3. 神田川を中心に自然溢れる親水空間を整備
  4. 風情ある建物と大規模商業施設が融合したエリア
  5. 賑わい溢れる豊富な飲食店

ビジネスマップ

都心の主要駅まで鉄道で十数分以内という抜群の立地を誇る神田・秋葉原エリア。
良好なアクセスを生かしたオフィスビル建設に加え、隣接する大手町エリアとのネットワーク強化を目的とする開発も進む。

  • 竣工済みプロジェクト
  • 竣工予定プロジェクト
  • 当社管理物件
マップ

竣工済みプロジェクト

  • KANDA SQUARE
    竣工:2020年2月
  • 住友不動産御茶ノ水ビル
    竣工:2021年1月

竣工予定プロジェクト

  • (仮称)
    秋葉原オフィスビル計画竣工:2025年5月
  • 神田小川町三丁目西部南地区
    第一種市街地再開発事業
    竣工:2029年度予定
  • FTK秋葉原
    竣工:2024年8月
  • 三省堂本社ビル建替え
    竣工:2025年~2026年予定

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大手町と神田の結節点に新たに誕生する
シンボルタワー
(仮称)内神田一丁目計画

2026年1月竣工予定

地上26階/地下3階

事務所、店舗、ビジネス・
産業支援施設、駐車場 等

神田エリアの南端、日本橋川をはさんで大手町エリアと隣接する敷地で進む再開発事業。約130mの高層ビルにはオフィスや店舗が入居する予定となっている。大手町駅へは徒歩3分、神田駅へは徒歩6分と多彩なアクセスを享受するビジネス立地。
ビルは非常時にも平常時同等の電力・換気・衛生機能を72時間供給可能なBCP機能を装備。
日本橋川には人道橋「仲通り散歩橋」を架橋し、約1,000㎡の広場を整備、また、川に面した場所には防災船着き場「鎌倉河岸船着場」を新設することで、大手町仲通りから連続する歩行者ネットワークを強化し、回遊性向上と水辺空間の賑わいを創出する。

画像提供:三菱地所株式会社

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快適なビジネス環境をサポートする最新オフィスDaiwa秋葉原ビル

2024年6月竣工予定

地上12階

事務所

2024年6月竣工の12階建て中層オフィスビル。神田・秋葉原両駅に加え、岩本町駅や淡路町駅にもアクセスができ、周辺駅含め7駅10路線が利用可能という良好なアクセスが特徴である。
基準階面積は約242坪、天井高2.7mの無柱空間で、オフィスデザインの自由度が高い。各階全19ゾーンごとに温度調整が可能なシステム空調を備え、レイアウトに合わせた効率的な運転が可能。ファシリティー関連では長寿命・省電力のLED照明やLow-E複層ガラスの採用等、省エネ性能を高めた設計を採用しており、ZEB Oriented認証を取得予定。より快適なオフィス環境を創出する。

画像提供:株式会社ベスト・プロパティ

※本記事の内容は2024年6月時点のものです。

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