学校法人の不動産戦略サポート
~学校運営の将来を見据えて保有資産の在り方を検討し、老朽化した校舎を売却~

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学校法人A校は、校舎の新設により一部未利用となった旧校舎の活用方法を模索していました。老朽化による修繕コスト増も課題となっており、経営計画や学校運営の将来を見据えA校にとって最も良い活用方法は何か、ご相談いただきました。複数考えられる選択肢から最適解を導き出し、結果として第三者への売却を実現した事例を紹介いたします。

目次

老朽化した旧校舎の活用方法を模索

埼玉県内の歴史ある私立学校法人A校は、法人の周年記念として校舎の新設を計画されたことから、数年前に当社仲介により新設予定の土地をご購入いただきました。その後無事に新校舎が完成し開校しましたが、旧校舎が一部未利用となり、重ねて建物の老朽化も課題となっていました。所有を継続し活用するか売却して手放すか、旧校舎の今後について方向性を明確にするため、土地購入時にサポートを行った当社へご相談いただきました。

旧校舎の状況とA校の課題

学校の運営方針・経営計画に沿った不動産戦略

当時、旧校舎は教室の一部をオンライン授業でのみ利用していました。そのため、未利用部分の多い旧校舎を今後使用する予定があるか、A校の運営方針や事業計画と照らし合わせて検証を実施。新校舎・旧校舎それぞれの役割や必要性を検討し、オンライン授業を含む学校運営の拠点は新校舎のみで足りることがわかり、新規事業を立ち上げる予定も当面ないことから、事業用不動産のストックとしては考えずともよい、という結論となりました。

建物を外部へ賃貸することで収益不動産化し継続保有するという方法も考えられましたが、学校法人が収益事業の許認可を得ることは難易度が高く手続きも煩雑になることから、A校の選択肢としては難しい現状がありました。また、修繕やリニューアルに多額の投資を行うことは避けたいというA校の意向・状況もあり、最終的に第三者への売却が最も有力な選択肢となりました。

複数の活用方法から学校運営・経営方針を踏まえた最適解を検証

売却の方針を固めた後、当社はA校担当者と打合せを重ね、具体的な売却活動を進めるにあたり理事会での判断材料として必要な情報の把握を行いました。理事会に出席されるメンバーの理解のし易さを考慮し、「物件周辺の不動産マーケットや取引事例」や「売却想定先・価格」など、事前に伺っていた気になる点を具体的に提示。また、年配の方も多いA校役員へ向けて見易さにも配慮したレイアウトで提案書を作成しました。
これらの工夫はA校の担当者及び役員に大変好評であり、売却許可を得ることに大きく寄与しました。

検討者のターゲットを定めた入札により価格の最大化を実現

旧校舎は埼玉県内で人気のある小学校の通学区域内に存しており、ファミリー向け分譲マンションの需要が多く見込めるエリアに位置していました。当社は、分譲マンション事業者が有力な購入先候補の1つになり得ると想定し、当該エリアで積極的に新規投資を行う企業をリスト化し、営業活動を展開しました。また、競争力の高い立地であったため、入札制度を採用し競争原理を働かせることで、複数の購入検討者から将来への期待値を含めた価格を提示してもらいました。結果として、周辺相場よりも高い金額での売買契約となり、A校にも高い評価をいただける結果となりました。

学校運営の将来を見据えた資産整理のすすめ

今回の事例のような課題はA校に限った話ではありません。学校の統合や移転により不要となった資産は、保有していても維持管理コストがかかり、また建物の老朽化はどこかで向き合わなければならない問題です。少子化やDXなど学校経営を取り巻く環境は大きく変化しており、それぞれの経営方針を踏まえた複合的な観点から将来を見据え、保有資産の在り方を検証し、判断していくことが求められます。

保有資産の在り方の検証(一例)

POINT

  • 経営計画や将来的な学校運営を考慮した顧客本位の活用提案
  • 理事会出席者が理解し易い提案となるよう、工夫を凝らした提案
  • 投資意欲の高い購入検討者情報を常にデータベースとしてストック

※本事例の内容は公開当時のものです。

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