宗教法人の不動産戦略サポート
～保有資産の収支を見直し、駐車場の売却・購入双方のサポートによる資産入れ替えを実現～

「土地価格の高騰による固定資産税の増加＋コロナの影響を受け収入減少」をきっかけとした資産の入れ替え検討

宗教法人A社は、複数の収益物件を所有していますが、新型コロナウイルスの影響を受け、所有物件の一つとして運営する都内の駐車場が利用者の減少により収入も減少傾向にありました。また、土地価格の高騰により固定資産税も増加傾向にあり、収支が赤字に傾いていました。そこで、駐車場の運営会社であった三菱地所パークスのグループ会社である当社へご相談頂きました。
A社のご担当者様は、駐車場の固定資産税が購入当時よりも高くなってきていることを問題視しており、当社は、収益の振れ幅が小さく、かつ資産価値の変動が少なく低リスクな地方の駐車場への買い替えをご提案し、A社は売却の検討を開始しました。

安定的な収支を目的とした買換え

売却のメリットを説明、購入物件を用意し駐車場の買い換えをご提案

対象の駐車場は、以前A社の寮として利用されており思い入れのある土地でした。売却を検討する上で、当社はA社に対し、当駐車場は住宅用地として開発を行う事業者にとって需要があることをご説明しました。また、具体的に購入検討が可能な買主候補者を複数社リストアップし、現在の不動産市況においては所有物件を売却する機会として適していることをご認識していただきました。

紹介先のイメージ

また、A社が当駐車場を売却する場合、税制上のメリットがあることもご説明しました。本来法人が不動産を売却した際には法人税がかかりますが、A社は宗教法人であり、駐車場として利用している当該土地を10年以上所有していたことから、非課税対象物件として法人税がかからずに売却できることがわかりました。（参照：法人税基本通達15-2-10）
A社は売却にあたり税負担の面でも懸念を示されていましたが、非課税対象であることで安心感を持っていただき、駐車場売却を意思決定する後押しにつながりました。

上記に加え、当社が買い換えを勧めるにあたり、当駐車場の代替となる買い換え候補の物件を並行してご紹介しました。物件の管理がし易いよう、土地勘のあるA社の既存所有物件や宗教活動拠点の近隣エリアの物件、将来の開発余地が見込める物件をご紹介するなど、様々な観点から物件を選定しご紹介しました。A社のニーズをしっかり把握した上で都内・地方の物件を複数紹介し、その中から興味を示された物件の購入サポートを同時並行で進めることとなりました。

難易度の高い物件に対する優良な買主候補の探索

売却活動においては、当駐車場が「傾斜があり前面道路幅員が狭い土地であること」が買主候補の開発計画に影響を与えました。土地の形状や接道条件により建物プランをうまく描けない場合、事業者が想定する収支と合わなくなることで提示される購入希望額が低くなってしまったり、物件として購入できないというケースがあります。

当社ではそのような課題を解決すべく、難易度の高い物件でも独自のプランを描けるディベロッパーに注力し紹介を行い、その中で、当該エリアにて初の開発となるディベロッパーB社が強い興味を示されました。B社では当駐車場が大変希少性の高い物件であると判断したことで、A社の想定を超える金額での提示がありました。価格の最大化が実現した背景には、B社の所有する物件の売却依頼を同時期に受託していたことが大きく、当社がその物件の価格を最大化できる先に売却サポートしたことから、B社は当駐車場の購入資金を手当てすることができ、Ａ社の駐車場の価格の最大化に繋がりました。

顧客のニーズを押さえたサポートにより、売却・購入のスムーズな取引を実現

A社の希望する資産の買い換えのご提案の際に、売却のメリットがあることをご説明し、開発難易度の高い物件でも希少価値を見出し高額で購入提示していただける候補者に迅速に紹介したことにより、売却に至りました。
今回A社は、資産価値の変動が少なく安定稼働する収益物件への買い換えを目的に、B社へ土地を売却し、新たに地方の駐車場へ買い換えを行いました。顧客ニーズをしっかりと把握した当社の迅速なサポートにより、A社の売却決定及び物件購入を後押しし、効率的な資産の入れ替えを実現しました。

※本事例の内容は公開当時のものです。