社員の想いがクロスし、顧客との交流拠点となるオープン型オフィス

スペースシャワーSKIYAKIホールディングス株式会社

スペースシャワーSKIYAKIホールディングス株式会社
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経営統合を機に、2024年10月に渋谷にオフィスを移転。グループ会社2社を含め計5社、総勢320名がワンフロアに集結した。新オフィスでは各社の企業文化の融合により、新たな事業の芽が生まれ始めている。

「社員の想いがクロスし、顧客との交流拠点となるオープン型オフィス」のアイキャッチ画像
リフレッシュエリアと一体型のワークスペース。

放送事業や音楽イベント事業などを展開する株式会社スペースシャワーネットワークとファンクラブやECなどのシステム開発を行う株式会社SKIYAKI。両社が2023年11月に経営統合し、スペースシャワーSKIYAKIホールディングス株式会社となった。

目次

スペースシャワーSKIYAKIホールディングス株式会社

経営企画本部
広報・PR室
室長

武田 健志 氏

スペースシャワーSKIYAKIホールディングス株式会社

経営企画本部
広報・PR室
室長代行

大貫 真弓 氏

社員の距離を近づける拠点統合の移転計画

スペースシャワーネットワーク(以下、スペースシャワー)とSKIYAKIは2023年11月の経営統合発表後もしばらくは各社従来の拠点で活動を行っていた。移転検討を始めた経緯を経営企画本部 広報・PR室 室長の武田健志氏は語る。

「経営統合前はスペースシャワーが六本木、SKIYAKIが渋谷にオフィスを構えていました。経営統合後もしばらくはオンライン会議や互いのオフィス間を移動して対面で打ち合わせを行っていましたが、徐々に両社協働でのプロジェクトが増えていき、効率を考えてオフィスの統合移転を検討し始めました。」

さらに、経営層から「全社員が一堂に会することができるワンフロアのオフィスがあるといい」という意見も出て、両社の管理部門に統合移転プロジェクトの話が立ち上がった。こうして、両社の管理部門が初めて合同で行うプロジェクトとしてオフィス統合移転計画がスタートした。

エントランス付近の来客スペース。収録などで訪れたアーティストの撮影ポイントとして、スペースシャワーTVのロゴが壁に設置されている。

条件は「渋谷」で「ワンフロア」

移転プロジェクトには両社から約15名が参加し、オフィスの要件定義などを行うファシリティチームと社内ITインフラを担当するITチーム、さらにその2つを統括するチームの3チームに分かれて進行した。オフィス移転はプロジェクトの立ち上げから、わずか1年で完了。移転先物件の探索や新オフィスのレイアウト検討と同時に、 ITチームにより社内ITインフラも再構築された。新オフィスの拠点を渋谷に決めた理由について、経営企画本部広報・PR室 室長代行の大貫真弓氏はこう語る。

お客様の待合スペースとして、会議室の利用前後の軽い打ち合わせに利用される。

「スペースシャワーはかつて六本木と渋谷の2拠点体制でした。拠点が六本木のみになった後も、多数のライブハウスがあり音楽文化が根付く渋谷エリアは、放送、音楽イベント事業に加え、アーティストマネジメントや渋谷のライブハウス運営も行う当社にとってメリットが大きく、『またいつか渋谷に戻りたいね』という社内の意見も多くありました。」

一方で、SKIYAKIも渋谷区の道玄坂にオフィスを構えていた。そのため、「同じ渋谷区内なら抵抗がなかった」と武田氏は語る。「移転するなら渋谷」というのが両社のなかで自ずと共通項となっていた。さらに武田氏は移転先の決定打についてこう続ける。

「希望に近い賃料帯で、両社にとって縁がある土地・渋谷、そしてワンフロアにグループ会社を含めた5社が入居できる広いフロア。経営統合のタイミングに、ちょうどよく条件に合う物件を紹介してくれたのが、三菱地所リアルエステートサービスでした。」 こうして渋谷の繁華街の中心にあり駅にも近い、理想的な物件への入居が短期間で決定した。

エントランスの大スタジオ。収録・配信・スチール撮影・お客様を入れてのセミナー・ショーケースなどに利用される。

協創を促進するゾーニングと動線の確保

新オフィスは「来客とのコミュニケーションの場」、「各社の企業文化が融合して新たなアイデアを創出する場」をコンセプトとしている。モノトーンを基調とすることで、ここで生み出されるコンテンツや所属するアーティストたちが引き立つように心がけた。

過去にもオフィス移転を経験したが、統合移転は初めてのことだったと大貫氏は振り返る。

「統合したとはいえ、別の企業同士の管理部門とお互いの企業文化を理解し、働き方を調整し、短期間で移転計画を進めるのには苦労しました。」

エントランス付近の様子。来客スペースと執務スペースの間はガラスで仕切ることで、会社の事業や社内の雰囲気を社外にもオープンにしている。

両社とも事業は違うが、配信や番組収録などを日常的に行っている。そのため、「非常用電源が設置され、インフラが整備されているビルというのが必須条件。」と大貫氏は語る。移転先では、アーティストやクリエイターが訪れやすいだけでなく、スタジオを借りずに社内でも放送・配信業務が完結できるようなオフィスを目指した。

オフィスフロアは整形ではなく、複雑な形状。その東側を執務エリア、西側を来客エリアにゾーニングした。来客エリアは面積全体の50%と広くとっている。交通アクセスのよい渋谷という土地柄もあり、前のオフィスよりも来客数が多くなったと大貫氏は語る。

「『ユニークな形状のビルを一度見てみたい』と来社されるアーティストもいらっしゃいます。レイアウトとデザインには空間デザイナーに入ってもらい、変わった形をうまく生かしながら、使いやすさとコンセプトの体現が両立できるレイアウトを実現しました。来客が自由に使えるスペースも広くとり、ゲストWi-Fiも完備しているので、打ち合わせの前後にカフェの代わりとしてゆっくり過ごしてもらっています。」

オフィスでは全社フリーアドレスが採用されている。

また、協創を促進し、アイデアを創出する場とするために動線にも工夫を施している。執務エリアの対角線をメイン動線とし、そのクロスポイントから全方位、オフィスが見通せるつくりとなっている。そのため、全社員がどこにいるかすぐに目視でき、社員同士のコミュニケーションがとりやすくなる。

さらにオフィスには社長室をあえて設けず、一般社員と同じエリアで交流を図りながら共同代表らが執務にあたっている。

新コンテンツの創出につながる多様な社員の交差点に

新オフィスでの働き方や使い方のルールは、厳密な社内規定を定めていない。出社についても、会社や部署毎に「週に1~2回」などという緩やかなルールはあるものの、業務によってそれぞれ最も効率的な働き方を委ねている。「新オフィスの座席数は移転前の両社の在席率を鑑みて決めました。移転後は社員の出社率が予想を上回り、満席近くまで埋まっていることもあります。」と移転の効果を武田氏は語る。

2024年10月には移転後初の大規模な社内イベントを開催。若手社員による事業紹介プレゼンテーションやケータリング、DJイベントなどで大盛況だった。こうした取組みもあり、グループ会社の社員の関係は着実に深まってきていると武田氏は語る。

「所属会社が分かるように社員のストラップの色を分けているのですが、最近は異なるストラップの社員同士で打ち合わせをしている様子がよく見られ、交流が加速したと感じています。」

全ての会議室にモニターとホワイトボードを完備。

最後に、今後の展望について大貫氏は次のように語った。「会社や部署の壁を越えた自然発生的な交流からいろいろな企画の芽が生まれてほしいですね。趣味の話や雑談、軽い相談から始まり、事業に結びついてくれるといいなと思います。多くの社員が今回の移転をポジティブに捉えてくれているので、そんな予感がしています。」

オフィス内には配信用の小スタジオも完備されており、ほぼ毎日配信に使用されている。

「EMPOWER ARTISTS & CREATORS,ENRICH FAN EXPERIENCE」をミッションに掲げる同社。100年に一度の開発が進行するクリエイティブな活力に満ちた渋谷エリアは、まさにミッションを体現していくのにふさわしい場所といえる。社員、アーティスト・クリエイター、ファン、多様な人が集まり交流する新オフィスが、同社の事業をさらに飛躍させていくことだろう。

道玄坂通dogenzaka-dori

所在地:
東京都渋谷区道玄坂2丁目25-12
構造:
鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造)
規模:
地上28階/地下1階
延床面積:
41,767㎡(約12,634坪)
竣工:
2023年3月
交通:
JR各線 「渋谷」駅 徒歩6分
東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷」駅 徒歩4分
東京急行電鉄 田園都市線・東横線・半蔵門線・副都心線「渋谷」駅 徒歩2分
 グレートーンの会議室。壁をガラス張りにすることで開放感を演出している。
グレートーンの会議室。壁をガラス張りにすることで開放感を演出している。
建物東側に突き出たワークスペースは文化村通りに面しており、窓際に座り渋谷のカルチャーの「今」を階下に感じながら仕事をする社員も多いという。
建物東側に突き出たワークスペースは文化村通りに面しており、窓際に座り渋谷のカルチャーの「今」を階下に感じながら仕事をする社員も多いという。
建物西側に突き出た会議室。窓の外には渋谷の繁華街が眼下に広がる。
建物西側に突き出た会議室。窓の外には渋谷の繁華街が眼下に広がる。
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