長期にわたる病院建替え事業のコンサルティングサービス
東京都内にて病院を経営する公益財団法人A社は、建物が築50年以上経過しており、耐震改修も未実施ということから、老朽化に伴う建替えを検討していました。しかし、病院の運営を継続しながら、限られた予算内で建替え事業を行うノウハウがなく、また専門的なアドバイスをしてくれる共同事業パートナーがおらず模索しており、隣接地にて病院の駐車場運営を行っている当社へご相談頂きました。
目次
病院の建替えを遮る二つの課題
A社が病院の建替えを検討するにあたり、二つの課題がありました。一つ目は、資金繰りの難しさです。公益財団法人であることから公益認定基準があり、必要以上に資金を留保しておくことができません。その為、どのように建替え資金を調達するか方法を模索していました。二つ目は、共同事業パートナーがいないことでした。建替え後のプランを検討する際、希望プランの建替え実現のために隣接地の取得や借地としての利用を検討していました。しかし、不動産取引のノウハウがない為、近隣の方々や関係者の理解が得られるのか、調整が図れるのか不安を抱えていました。上記二つの課題を解決しつつ、現病院の運営を継続して新病院を建設するという事業を共に推進できる、信頼のおけるパートナーをA社は求めていました。
コンサルティングアドバイザーとして最適解の提案
当社は建替え事業の構想段階からコンサルティングアドバイザーとして関わらせていただき、A社が抱える二つの課題を解決する最適解として「一部売却」をご提案しました。当初、A社は有効活用を検討していましたが、一つ目の課題である資金繰りが難航。当社は等価交換などを含めた計8つのプランをご提案し、その中で各プランのメリット・デメリット等を踏まえて比較検討を行った結果、資金調達と現所在地での建替えの両立を実現できる一部売却が最適解と判断しました。一部売却の方針が決定してからは、より最適なディベロッパーを選定する為にも企画提案型の入札を行うことを追加でご提案、当社の幅広いネットワークを活かし検討可能なディベロッパーをご紹介、入札幹事として取りまとめを行いました。隣接地所有者との関係調整も図り協力を仰ぎながら、事業を取り進めました。
仲介に留まらない三菱地所リアルエステートサービスの強み
無事お取引は完了し、現在は建替え工事に着手しています。様々な課題がある中で、有効活用・売却手法のご提案から事業協力者の選定まで、トータルアドバイザーとして約5年にわたる長期間で一気通貫した伴走サポートを行い、A社をご支援することができました。
シンプルな売買仲介はもちろん、不動産の課題を抱え始めた頃から売却を決めている方がほとんどという訳ではありません。今回は当社の不動産コンサルティングによりお客様の課題解決に一番適したお取引をご案内することができました。金額面、提案面でもご納得頂けるお取引となり、A社には大変喜んでいただいております。
※本事例の内容は公開当時のものです。