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まさに森の中の美術館

初めてポーラ美術館に車で訪れる方は注意が必要だ。というのもポーラ美術館は美術館本体は森に隠れて見えにくくなっているからだ。深緑に覆われた美しいガラスでできたようなエントランスの前まで来て、ようやくここが美術館だと気づくかもしれない。というのも、ポーラ美術館は「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに掲げており、周囲の森に溶け込むように建てられているからだ。

ポーラ美術館のもうひとつの大きな特徴がこの森と言える。富士箱根伊豆国立公園内に位置する同館の周囲は、樹齢300年のブナの巨木やヒメシャラが群生する自然豊かな場所であり、同館の建物は環境や景観保護の観点から、高さを地上8mにおさえ、建物の主な部分はすり鉢状になった地下部分に構築されている。そのため美術館の全景を捉えるには上空から見るしか手段はない。


美術館へのエントランス。ちょっと見ただけではどこに建物があるのかわからない。これから夏にかけて、緑に埋もれてますます自然の中に溶け込んで行く


「森の遊歩道」は20〜30分ほどで回れるが、野鳥のさえずりや木々のざわめきに耳を傾けて進めば、あっと言う間に時間が過ぎていく

この豊かな森を守ることで、同時に美術館を訪れる誰もがこの素晴らしい自然を享受できる。この自然を楽しむのに用意されたのが、ポーラ美術館の裏手に広がる森を散策できる「森の遊歩道」だ。全長670メートルの遊歩道にはブナやヒメシャラ、ヤマボウシといった在来の植物や、ウグイスやメジロ、アカゲラといった野鳥のさえずりを楽しむことができる。遊歩道のそばにはさまざまな彫刻作品が自然に溶け込むように配置されており、作品を見つけながらの散策もまた楽しい。

散策ルートには枕木が丁寧に並べられ、スニーカーでも安全に歩行でき、比較的気軽に歩ける緩やかなルートや沢を眺めながら歩ける小道があって、どちらも楽しめる。同館ではこの森を守り育てるための活動として、在来種の育成の妨げとなるハコネザサや帰化植物の除去を定期的に行なっている。その取り組みの成果として、ポーラ美術館の森は自然度(土地の自然性を評価する数値)が「8」と評価されている(最も自然性の高い原生林などが10段階で10〜9とされる)。


森のあちこちには彫刻作品が設置されているが、本当に小さな作品も多く、目を凝らして探すのも散策の楽しみだ

アートを食べる、ここだけの愉しみ

忘れてはならないのが、館内にある「カフェ チューン」と「レストラン アレイ」の存在だ。ともに遊歩道のある森に面しており、柔らかな日差しが注ぎ、館内同様に白を基調とした清々しい、癒しの空間となっている。カフェ チューンは第一展示室前の開放的な空間にあり、展示室で離れ離れになっても、ここで待ち合わせれば間違いない。ローストポークのサンドウィッチなどの軽食やスイーツが楽しめ、鑑賞の合間のブレイクにはぴったり。レストラン アレイにはテラスも併設されており、森からそよぐ風を楽しみながら、ランチやコースメニューが楽しめる。

そして最も重要なのが、ここにしかないメニューが楽しめることだ。アレイでは企画展が行われる毎に、展示テーマにあわせた期間限定メニューを提供される。画家が好んだメニューやゆかりの地の名産など、毎回趣向を凝らしたメニューでポーラ美術館のリピーターにとって欠かせない楽しみの一つとなっている。現在、開催中の企画展「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」展にあわせた企画展特別メニューとして「太陽の食卓」を楽しむことができる。

もう一つぜひおすすめしたいのが、クロード・モネの「睡蓮の池」に見立てたスイーツ「睡蓮」だ。色彩華やかなフルーツやエディブルフラワーが浮かんだライチゼリーに、スタッフが仕上げにノンアルコールスパークリングワインを注ぎ、目の前に「睡蓮の池」が再現されるという演出で、スイーツが苦手な男性にもぜひ楽しんでいただきたいメニューだ。


食でもアートを楽しむのがポーラ美術館ならではだ


チェロ奏者・音楽家の小林奈那子さんはドイツ、オーストリアを中心とした演奏活動の後、2008年に帰国。現在はクラシックに留まらず、ポップスアーティストのサポートなどプレイヤーとして活躍しつつ、楽曲制作やストリングアレンジも手がける。ポーラ美術館とは企画展「ルノワール礼賛」においてコラボレーションイベントを行うなど、アートとの関わりも深い。

価値のある素晴らしい作品と、それをよりよく楽しめる展示企画、四季折々の美しい表情で楽しませてくれる自然、そして光溢れる明るくも静謐な建築空間という、三位一体の美を実現している「ポーラ美術館」なら、週末を印象派の絵画のようなシーンで彩ってくれるに違いない。

美術館情報

ポーラ美術館

開館時間 9:00~17:00 ※入館は16時30分まで
休館日 年中無休
※ただし展示替のための臨時休館あり
入館料 大人:¥1,800、シニア割引(65歳以上)¥1,600
大学・高校生:¥1,300
中学・小学生:¥700
障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者
(1名まで):¥1,000
※料金はいずれも消費税込み。団体割引あり。
※中学生・小学生は土曜日無料。
交通機関 小田急箱根湯本駅より箱根登山鉄道で約40分、強羅駅で下車。「湿生花園」行きの施設巡りバスに乗り換えて約13分、「ポーラ美術館」下車。
JR・小田急小田原駅より箱根登山バス(直通)で約1時間、「ポーラ美術館」下車。
新宿駅新南口バスタ新宿より「箱根桃源台」行きの小田急箱根高速バスで約2時間、仙郷楼前で下車。「ユネッサン」行きの施設巡りバスに乗り換えて約3分、「ポーラ美術館」下車。
住所 〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
公式ウェブサイト http://www.polamuseum.or.jp

展覧会情報

『ポーラ美術館開館15周年記念展 ピカソとシャガール 愛と平和の賛歌』

会期:2017年3月18日(土)~9月24日(日)
企画展サイト http://www.polamuseum.or.jp/sp/picasso_chagall_2017/

『ポーラ美術館開館15周年記念展 100点の名画でめぐる100年の旅 ーコレクションベストー』

会期:2017年10月1日(日)~2018年3月11日(日)予定

美術館をさらに楽しむ情報

プチ・お誕生日プレゼント

お誕生月に来館されたお客様には、企画展に関連した特別プレゼントとして、ポーラ美術館オリジナルポストカードを差し上げます。ご来館の際、お誕生日を証明できるものを受付へご提示ください。