• スペシャリストの智
  • リアルな現場
  • The Watch
  • OFFICE JOURNAL
  • 不動産の税金ガイドブック
  • APPRAISAL NEWS
  • 空室率レポート

次代に受け継ぐ京都の文化

京博はアクセスの優れた立地にあるとしたが、一方で困った立地でもある。というのも、京都を訪れる多くの観光客はすでに自分が行きたいルートを決めており、三十三間堂の次は京博ではなく、智積院や清水寺に向かってしまう方も多いという。観たい所、観るべき所が数限りなくある京都という場所の、贅沢な悩みとも言える。同時に京都にあるからこそ、前述した社寺調査で次々に新発見があり、それがそのまま、京博に行けばなにか新しい発見がある、という楽しみにも繋がる。

それにはまずは京博に多少でも興味を持ってもらい、一度でも足を運んでもらう必要がある。京都国立博物館の佐々木丞平館長は開館120周年を迎えるにあたり、「京博は、開かれた博物館として常に挑戦し、未来に向けて歩み続けます」と決意を表明しており、広く多くの人に興味を持ってもらうためのさまざまな事業を行っている。館内や敷地内で行われるイベントや講座、他の施設との連携など、これまでの博物館ではなかなか行うことがなかったことを実現している。とりわけ、公式キャラクターの「トラりん」は、他の博物館・美術館の公式キャラクターとは一線を画した徹底したキャラクター作りと幅広い活動範囲に意気込みを感じる。

これらの活動のすべては、一にも二にも、利用者の視点に立ってサービスを行い、愛される博物館を目指す姿勢の表れだと言えるだろう。こうした地道な活動によって、いずれは京都の歴史や美、文化を次の世代に継承していくことができるのだろう。


京都国立博物館の佐々木丞平館長。両脇は京博公式キャラクターのトラりん(左)と京都府PRキャラクターのまゆまろ

開館120周年を飾る「巨匠」と「国宝」

開館120周年という記念すべき年に相応しく、春と秋、見逃せない2つの特別展覧会が開催される。2017年4月11日より特別展覧会「海北友松(かいほうゆうしょう)」、10月3日より特別展覧会「国宝」の2つの展覧会が開催される。

特別展覧会「海北友松」

狩野永徳や長谷川等伯と並び称される桃山画壇における最後の巨匠・海北友松の史上最大規模となる大回顧展だ。海北友松は近江浅井家の家臣という武門に生まれながらも、主家や兄たちが信長に滅ぼされるに至り、狩野派のもとで画の道に進むこととなる。現存する作品のほとんどが六十歳以降のもので、謎多き遅咲きの絵師と言える。気迫溢れる水墨画や詩情豊かな大和絵金碧画が特徴的な友松の作品は、武士の気概と絵師の誇りを併せ持った独特な力強さを持つ。
同展では、代表作として名高い「雲龍図」(重要文化財・建仁寺所蔵)をはじめ、龍を描いた作品の数々が出品される。これらの龍の水墨画が記憶のある方は少なくないだろう。さらに、1958年(昭和33年)に米国に渡って以来、実に60年ぶりに里帰りする幻の最高傑作「月下渓流図屏風」(ネルソン・アトキンズ美術館所蔵)など、70件余りの作品が揃う。本展は巡回の予定はなく、見逃せない展覧会となる。


重要文化財 雲龍図 海北友松筆 建仁寺(京都) 慶長4年(1599) 通期展示

特別展覧会「国宝」

2017年は「国宝」にとっても記念すべき年だ。同館設立の1897年(明治30年)は日本の法令上はじめて「国宝」という言葉が用いられた「古社寺保存法」が制定された年にあたり、このふたつの120周年の節目に、同館において実に41年ぶりとなる「国宝」展が開催される。絵画・書跡・彫刻・工芸・考古の各分野から、歴史と美を兼ね備えた国宝約200件が一堂に会する。展示作品すべてが国宝で構成されるという、これ以上にない贅沢な空間が堪能できる本展もまた見逃すわけにはいかない。


国宝 桜図壁貼付 長谷川久藏筆 京都・智積院 桃山時代・16世紀

美術館周辺情報

美術館を訪ねる旅では、その町の歴史や文化を感じられる場所にある宿の方が、その美術館がそこにある意味に近づけるだろう。

「ロイヤルパークホテル ザ 京都」は先斗町、そして祇園へも徒歩圏内にあり、京都の人々の息遣いがダイナミックに感じられる場所にある。同時に三条駅や京都市役所駅にも近く、バスの便もいい大変便利な立地にある。天気の良い日は、すぐそばの鴨川沿いをそぞろ歩けば、京都国立博物館までは30分程度、心地いい距離感のアプローチと言えるだろう。

「街と、もてなす。」をコンセプトとするロイヤルパークホテル ザ 京都では、京の街を知り尽くしたスタッフが、選りすぐりの情報を提供してくれる。繁華街に近いものの、非日常的な演出のエントランスや現代アート作品が街の喧騒を遠ざけ、館内、客室ともにゆとりある空間が、旅の疲れから解放してくれる。こうした地域密着型のシティホテルはアートの旅には最適な選択となるだろう。

ロイヤルパークホテル ザ 京都 http://www.rph-the.co.jp/kyoto/

美術館情報

京都国立博物館

開館時間 名品ギャラリー 9:30〜17:00(金・土曜日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日、年末年始
入館料 企画展:各企画展情報を参照
コレクション展:一般500円、高大生300円、中学生100円、小学生以下無料
交通機関 JR京都駅下車、市バス京都駅前D1のりばから100号、D2のりばから206・208号系統にて博物館・三十三間堂前下車、徒歩すぐ
JR京都駅下車、JR奈良線にて東福寺駅下車、京阪電車にて七条駅下車、徒歩7分
住所 〒605-0931京都市東山区茶屋町527
公式ウェブサイト http://www.kyohaku.go.jp

展覧会情報

名品ギャラリー
『特集陳列 皇室の御寺 泉涌寺』

会期:開催中~2017年2月5日(日)
公式サイト http://www.kyohaku.go.jp/jp/project/2016_mitera.html

『特集陳列 雛まつりと人形』

会期:2017年2月18日 ~ 2017年3月20日
http://www.kyohaku.go.jp/jp/theme/floor1_1/hina_2017.html
※特別展覧会についてはコラムを参照

美術館をさらに楽しむ情報

『国立博物館メンバーズパス』販売開始

京都国立博物館を含む、全国4つの国立博物館(京都・奈良・東京・九州)において、従来の年間パスポートなどに代わる新しい会員制度として、4つの国立博物館共通の「国立博物館メンバーズパス」の販売を2017年(平成29年)4月より開始します。年会費は一般2,000円、学生1,000円です。有効期間は発行日から1年間。

特典として、京都・奈良・東京・九州の国立博物館の平常展示が何度でも無料で観覧でき、各館の特別展覧会を団体料金で観覧できます(本人のみ)。また、京都国立博物館発行のカードだけの特典として、京都国立近代美術館・国立国際美術館・国立民族学博物館・京都府京都文化博物館・京都市美術館での平常展示ならびに特別展示の団体料金での観覧(本人のみ)や、公益財団法人京都古文化保存協会が実施する【京都非公開文化財特別拝観】の協力社寺等で拝観料割引(本人のみ。春・秋に実施。割引対象外の協力社寺等あり)、京都水族館の入場料金割引(団体料金)が受けられます(付添1名含む)。

公式ウェブサイト http://www.kyohaku.go.jp/jp/oshirase/post_117.html