• スペシャリストの智
  • The Watch
  • 不動産の税金ガイドブック
  • オフィスジャーナル
  • APPRAISAL NEWS
  • 空室率レポート

京の雅に触れる博物館・美術館

『京博のお正月2017』京都国立博物館(京都)


京都国立博物館 正門(重要文化財)

おなじ新春のイベントでも関西では趣も変わってくる。東のトーハクに対して、西でおなじみの博物館といえば「京博」こと『京都国立博物館』だろう。東京の博物館と趣が異なるのは、やはり京らしい催し物が用意されているところだろう。2日には『京博のお正月2017』がはじまるが、その初日にはクラシックのコンサート「ヒジヤミュージッククラブ 新春コンサート2017」が平成知新館講堂で開かれたり、8日(日)には「芸舞妓 春の舞─京の優雅な舞を博物館で」として、芸舞妓さん達による新春の舞が披露される。優雅な趣で京都の春らしいイベントとなりそうだ。


京都国立博物館公式キャラクターの「トラりん」

期間中には人気の京博公式キャラクター「トラりん」も登場してご挨拶する。“博物館にゆるキャラなんて”、と思わず、ぜひ会ってみていただきたい。このトラりんは美術ファンならピンとくると思うが、琳派を代表する絵師、尾形光琳が描いた「竹虎図」から飛び出したような姿をしているのが大きな特徴。その本名である「虎形琳丿丞(こがたりんのじょう)」は光琳の幼名「市之丞」からお名前を拝借したものだ。


芸舞妓 春の舞(2016年1月開催)

新春のこの時期には、光琳と同様に京で活躍した伊藤若冲の作品が特別に展示される「特集陳列 生誕300年 伊藤若冲」も楽しみだ。18世紀の京都で活躍した伊藤若冲(1716~1800)の魅力を紹介するもので、若冲は精細な描写から力強く大胆な筆墨まで表現の幅も多様だが、なんといっても花鳥画に注目が集まる。鶏はその代名詞ともいえる得意画題であり、酉年に相応しい展示となりそうだ。2016年は若冲生誕300年を記念して、各地で大規模な“若冲展” が開かれたが、同展が若冲イヤーのトリを務める。

若冲展同様に、まさに新春らしい作品が並ぶ「新春特集陳列 とりづくし─干支を愛でる─」にも注目したい。2017年の干支である酉年にちなんで、鶏や鳥を描いた作品を特集するものだ。夜明けを知らせる鶏は古くより「陽鳥」として尊ばれており、多種多様な鳥類の美しい姿は東洋美術の主要な画題として発展し、花鳥画という一大ジャンルを形成してきた。鳥たちが羽ばたく華麗な世界が楽しめそうだ。

2017年は開館120周年という節目の年となる同館では、一年を通じてさまざまなイベントが用意されている。その最初のイベントとして、2日は開館120周年を記念した「新春・京博こと始め2017」において新春特別対談「覗いてみよう、山口晃の頭の中」が行われる。現代のアートシーンを代表する画家の山口晃氏が自身の作品に込めた思いや、そのルーツでもある日本美術の面白さについて、京都国立博物館佐々木丞平館長と語り合う。これも必見だ。

京都国立博物館http://www.kyohaku.go.jp/jp/
京博のお正月2017 新春イベントhttp://www.kyohaku.go.jp/jp/event/etc/2017_newyear.html

『日本画の教科書 京都編』山種美術館(広尾)


山種美術館 © Koike Norio 2009

山種美術館は東京・広尾にある日本初の日本画専門美術館だ。~同館は創立者・山崎種二氏が蒐集した作品を中心とした日本屈指の日本画コレクションを所蔵しており、毎回、さまざまなテーマでコレクション展示を行っている。「きもの割引」で女性美術ファンの間で知られている同館では、山崎妙子館長をはじめ着物で新年の来館者を出迎え、同館内のCafe椿では甘酒を振る舞うなど、春らしい雰囲気に包まれての新春の開館となる。

京都を話題にしていながら、なぜ山種美術館? と思う方も多いことだろう。というのも、2017年の新春は「開館50周年記念特別展 山種コレクション名品選III 日本画の教科書 京都編─栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ─」を開催しているからだ。同展は近代日本美術を語る上で欠かせない名画ばかりを取り揃えた、まさに「日本画の教科書」と呼べる特別展で、本展ではそれらの名品の中から京都画壇の作家作品が並び、東京に “京の美術” が展開する。


土田麦僊《大原女》(部分)1915(大正4)年 紗本金地・彩色 山種美術館

京都は古来の伝統的な絵画表現を脈々と受け継いできた一方、明治以降は日本初となる画学校を開校するなど、日本美術の発展に貢献してきた地。本展では近代を代表する画家で教育者でもあった竹内栖鳳、女性初の文化勲章を受章した上村松園など、京都が生んだ才能豊かな日本画家たちの作品を新春にたっぷり堪能できる。京都をテーマとした展覧会を、お正月らしく着物で鑑賞というのも、新春のいい思い出となるだろう。


上村松園《牡丹雪》1944(昭和19)年 絹本・彩色 山種美術館

「開館50周年記念特別展 山種コレクション名品選III 日本画の教科書 京都編─栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ─」http://www.yamatane-museum.jp/exh/2016/nihonga.html

新春に訪れたい博物館・美術館の中から、今回は東京と京都から4館をご紹介した。中には年末年始、無休で開館している美術館もあり、この時期はアートを楽しむには意外にぴったりの時期なのかもしれない。初春はアートからはじめてみてはいかがだろう。