不動産の税金ガイドブック

資産課税

(1) 事業承継税制の特例の創設

 10年間の特例措置として、平成30年4月1日から平成35年3月31日までの間に特例承継計画を都道府県に提出し、平成39年12月31日までの間に贈与等による事業承継を行う場合、猶予対象の株式の制限(発行済議決権株式総数の2/3)の撤廃、納税猶予割合の引き上げ(80%⇒100%)、雇用確保要件の弾力化を行うとともに、複数(最大3名)の後継者に対する贈与・相続に対象が拡大され、経営環境の変化に対応した減免制度が創設されます。

「事業承継税制の特例の創設」の図

(2) 一般社団法人に関する相続税・贈与税の見直し

 同族関係者が理事の過半を占めている一般社団法人について、その同族理事の1人が死亡した場合、その法人の財産(同族理事の数で等分)を対象に、法人に相続税が課税されることになります。

「一般社団法人に関する相続税・贈与税の見直し」の図

(3) 小規模宅地等の特例の見直し

① 特定居住用宅地等の見直し

 持ち家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の特例の対象者の範囲から、次に掲げる者が除外されます。
・相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族又はその者と特別の関係のある法人が
 所有する国内にある家屋に居住したことがある者
・相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者

 この改正は、平成30年4月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。

② 貸付事業用宅地等の見直し

 貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者が、その貸付事業の用に供しているものを除く)が除外されます。
 この改正は、平成30年4月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されますが、同日前から貸付事業の用に供されている宅地等については適用されません。

「小規模宅地等の特例の見直し」の図

(4) 印紙税の特例措置の延長

 不動産譲渡契約書及び工事請負契約書に係る印紙税の軽減の特例措置の適用期限が、平成32年3月31日まで2年延長されます。

(5) 新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長

 新築住宅に係る固定資産税の減額措置(戸建て3年間、マンション5年間:1/2 減額)が平成32年3月31日まで2年延長されます。

(6) 認定長期優良住宅に係る特例措置の延長

 認定長期優良住宅の普及促進を目的とした次の特例措置が平成32年3月31日まで2年延長されます。

「認定長期優良住宅に係る特例措置の延長」の表

(7) 既存住宅のリフォームをした場合の固定資産税の特例措置の延長

 住宅ストックの性能向上を図るため、次の住宅リフォームをした場合の固定資産税の特例措置が平成32年3月31日まで2年延長されます。

「既存住宅のリフォームをした場合の固定資産税の特例措置の延長」の表

(8) 土地等に係る不動産取得税の特例措置の延長

 宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例措置(1/2控除)とともに、住宅及び土地の取得に係る軽減税率(本則4%⇒3%)の特例措置が平成33年3月31日まで3年延長されます。